先日、ぼくのおかあさんは過疎の村に住む友人のお宅のバーベキューパーティにおよばれでした。
ご主人が福祉のお仕事に長年携わっていらっしゃる方で大学の先生でもありました。
こんなところに住みたいな、とその地を訪れた時言ったのを聞きつけた地元の人が、そんならここはどうですか~、ととんとん話が進んだそうです。敷地300坪、母屋と間伐材で作ったログハウスとご主人と大工さん合作の小屋もあります。標高1125mの金剛山の麓、といっても標高400mとのこと。
現地を見て、彼女が冬、ときどき教室を休むのは、雪のせいで車で出かけるのが難しくなるということ、よく理解できました。
10月にボリビアに出発する友人のいわば壮行会。68歳の友人は青年海外協力隊シニアの部で2年間の任務につきます。壮行会、といっても、もう何度もお別れパーティとして食事会はしているのですが、いっぺん、そのお友だちのお家を見たいというので、BQQとなったわけです。
ご主人が想像していたよりはるかにやさしい方で、BQQの焼く係、奥さん(友人)もとても気をきかせてくれて、至れり尽くせりのおもてなしをうけました。
英会話教室の仲間なので、その先生(日本人)と旦那さん(中国人)もいれて総勢9名、和気あいあい、食べてはおしゃべり。ことに中国人はにぎやかです!
さて、そのパーティもいい話に違いはないのですが、書きとめておきたかったことはこの先です。
その山の中のお宅ですから、当然、そこへの道も山道なわけで、慣れない私たちは車を下の道路わきに止めて徒歩で10分ほど登りました。
さよならをして車のところに戻ると、それぞれ道の広いところでUターンをして帰りましたが、おかあさんは止めたところの位置が悪く、ええい、その先の茶店の駐車場でUターンさせてもらおう、と入りました。
すると、お店の中から、もう夕方ですから閉店していたのかも、店のおばさん(おかあさんより若いけど)が出てきました。もう閉店ですとか、駐車場に無断で入らないで、とか言われそうな気がして、おかあさんはすかさず「すみませ~ん!私、運転が下手なのでバックできなくて、ここでターンさせてくださいね」と言いました。
すると、にこにことして「いいですよ~。気をつけて~~」と。
駐車場で無事折り返して車を走らそうとすると、今度はなにやら手に持って車を止めるそぶりのおじさん。
ぎょ、おばさんはいいよ、と言ったけど、おじさんは駐車料をよこせ、なんて言うのかも、と不安になりました。
が、おじさんは手にもっていたのはススキ。にっと笑いながら「これ、まだめずらしいよ、早いのん」と、窓を開けさせて持っていけと。
そういえば、今年はお月見の日がいつもより早くて、しかもまだ夏みたいな気候だからか、ススキの穂がまだかたくて短い。
わあ、うれしい、と喜んで暗くなりかけた山道をほのぼのとした気分で帰りました。
昨日はその中秋の名月、時々雲も出ていましたがきれいでした。
都会人のひねくれた不安がはずかしい、ちょっといいお話でした。それから、萩はあちこちでたくさん咲いていたっけ、もらってきたらよかった、なんて思っています。