ももすけの日記

きゃあと言ふ声あちこちで穴まどひ
ああ面白かったと言って死ねたらいいな

テレビ

2011年10月30日 00時33分00秒 | 日記
ぼくのおかあさんは自分でテレビのスイッチを入れたことがありません、ほとんど。

先日も、夕方に「今晩0時30分から、私、テレビに映ってるかもしれないから見てね」とメールがきたとき、おとうさんが寝る前に、そのチャンネルに合わせてもらって電源を入れるだけでいいようにしてもらっていたのです。

ちゃんと見ることができるかしら、とドキドキしながら、ちゃんと友人の顔、ちらりだけでしたが見えて、メールも返信できて、ほっと。

で、今晩、NHKのBSで『宮沢賢治の音楽会』というのがある、と知ってどうしても見たいと思っていたのでした。

一人でリモコンをあちこち触っていたのですが 、どうしてもダメ。

そこへ、おとうさんが帰ってきました。
よかったぁ、と思ったのですが、おとうさんも*(はてな)*

あっは、コンセントが抜けていました*(びっくり2)*

どっぷり、2時間、宮沢賢治の世界に浸ることができて大満足でした。

ちょうど2年前に花巻に行って、宮沢賢治の銅像の前で写真も撮ったことなんかを懐かしく思い出していました。

そのあとの番組では骨董のお話もおもしろかったし、さて、と思っていたら、次はヴェートーベンです*(音符)*

今、ピアノ協奏曲第5番を聴いています。
このあと、交響曲第3番だそうで、もう、もう、テレビを消すわけにはいかなくなりました。

というわけで、ぼくは日記を書く破目になりました*(ラブリー)*

photo by momosuke2sei from OCNフォトフレンド

賢治さんがヴェートーベンさんに引き合わせてくれたのだとおかあさんはほくほくです。

もっとも、賢治さんのこともヴェートーベンさんのことも、それほど詳しく知っているわけではないのですが、なぜだかわからないけれど好き*(ハート)*

どこかで歌舞伎役者の亀治郎さんが書いていたのが心にひっかかっています。

万人が良いというのを鵜呑みにして長蛇の列に並ぶ愚かさを。
芸術家は命をかけて問うている、それに命がけで対峙するのだと、岡本太郎さんの弁とのこと。

それにも、然り、なるほど、と思ったものですが、でも、なんとなく好き、だって、まぁ、いいじゃないか、と勝手に思っています。

テレビもなかなか、いいものですね。



訃報

2011年10月22日 23時40分00秒 | 日記
昔々、田舎の饅頭屋の跡取り息子は近所の色白の美少女を密かに好いておりました。

同じ高校に進み、美少女はますます美しくなり、活発でバスケット部で活躍し、ちょっとした姐御でした。

同じクラスになったぼくのおかあさんは、ぼんやりと『夢見る夢子さん』でしたから、彼女とはあまり接点もなく、ただのクラスメートでしかありませんでした。


photo by momosuke2sei from OCNフォトフレンド

数年前、それまで一度もクラス会に顔を出していなかった彼女が出席しました。
ちょっとやつれていましたが美貌は衰えていませんでした。

後で聞いた話では、彼女の夫は暴力をふるう人で外出もままならず、長い間、辛抱していたのだけれどようやく離婚、その直後に肺がんを患っていると分かったそうです。


photo by momosuke2sei from OCNフォトフレンド

手術後、元気になったと、饅頭屋の息子に連れられてクラス会に出席したのでした。

昨日、饅頭屋の息子から、彼女が亡くなったと、おかあさんの友だちに知らせがありました。
おかあさんは副室長(懐かしい言葉、当時はどんなに頑張っても女子は副で、室長は男子と決まっていました)なので、と友だちからの連絡。

室長に電話をしました。
2年くらい前のクラス会以来です。
急きょ、南一家(室長は南君なので、なんとなく仲良くなった男女8人グループを、自分たちでそう呼んでいました)が集まって、明日の葬儀に参列することになりました。



photo by momosuke2sei from OCNフォトフレンド

彼女には悪いと思うのですが、久しぶりににぎやかな連中と会えると思うと、内心、わくわくしているおかあさんです。

これも、美人の姐御がそう導いてくれたのだと思います。

暁美さん、安らかに。




*ぼくんちの庭に置いている元火鉢、今は水草も消滅し、ただの水たまりになっています。
 あるとき、かまきりがおぼれていました。
 手近にあった小さな熊手で引き上げてやると、元気になって木に登って行きました。
 水に映った自分の影を獲物と間違えて落っこちたのかもしれない。





1分間

2011年10月16日 11時05分00秒 | 日記
この間、金木犀がいい香りだな、と思っていたのに、今朝は窓を開けると冷えた秋風になっています。
(裏のお宅の金木犀は今が盛りのようで、勝手口に出るといい香りがしています。こんなに近くでも、金木犀にも遅早があることに気がつきました。何10年とこの家にいるのに。。)

月日のたつのは早いものです。

若いころは時間の経過が遅く感じて、年をとると早く感じるとは、よく言われますが、ぼくもぼくのおかあさんも、生まれてからあっという間に今になったような気がしています。

100歳の詩人と同じ感覚。

photo by momosuke2sei from OCNフォトフレンド

しかし、です。
先日、太極拳の先生が「1日に3回、1分間づつ、片足で立つことを続けたら筋肉が発達する」とおっしゃったので、良いことをきいた、とぼくのおかあさんは思って、ためしにやっています。

その、1分間の長いこと*(びっくり2)*

自分の利き足が左だとあらためて感じます。

長い1分間を積み重ねて、ぼくたちは日々を過ごしているわけなのですね。

お金持ちでも、美人でも、赤ちゃんでも老人でも、犬でも猫でも、1分間は同じなんだね。

さぁて、おかあさんの1分間片足立ちはいつまで続くのでしょう*(ウインク)*



100歳までボケないレシピ

2011年10月09日 11時18分00秒 | 日記
またまた、ぼくのおかあさんは新聞の広告記事を読んで、ふんふんとうなずいています。

>果物ジュースを週3回以上飲む人はアルツハイマー病リスクが76%低下します。

…果物ジュースは好きだから、早速、やってみよう*(ジュース)*

>高脂血症、動脈硬化の改善には、にんじんとかぼちゃ。

…かぼちゃも好き、にんじんもよく食べてる

>認知症予防には鮭。

…うん、鮭も食べる

>真っ赤なトマトで体をさびさせない。

…トマト、大好き、ぼくも*(ラブリー)*

>鶏の胸肉で老化防止。

…鶏はもものほうがおししいけどなぁ

>納豆で脳梗塞を防ぐ。

…ああ、納豆は食べられない

>心臓の老化予防に皮つきりんご。

…リンゴは好きだけど、前歯が差し歯なもので、がりりと齧れない

>ブロッコリーで発がん物質の活性化を抑える。

…そうだ、今晩はクリームシチュウにいれよう


photo by momosuke2sei from OCNフォトフレンド

『100歳までボケない101のレシピ』
広告にはこの8個しか載っていなかったけど、それ以上は本を買わなくちゃ、ね。

おかあさんは、若いころからぼんやりしていたし、記憶力もあまりなかったのだけれど、このごろは深刻に悩んでいます。

もっとも、テニスの試合を振り返って、あの時のポジションはこうだったね、なんていう友人たちを遠くからながめて、わたし、全然覚えてない、とか、ゴルフの何ホール目のなんとかは、とあとで話しているのを、わからん、というのは、昔からのこと。

でも、やっぱり心配なので、頭痛と便秘のお薬をもらいに行ったついでに、かかりつけのお医者さんに相談しました。

おかあさんと同じくらいの年の女医さんは、ふんと軽く鼻で笑いました。
でも、本当の病気だったらと気を取り直して
「CTと血液検査で病気がわかりますけど、まだ、今の段階だと検査しても結果として表れてこないでしょう。3か月ほど様子をみてみましょう」と言いました。

おかあさん自身だって、年のせいなんだろうと思っているのですが、あまりにひどい、つい、今していたことの記憶がとんでしまっていることがあるのです。

多分、記憶するスペースのキャパが小さくなって、自分に都合のよいことだけしか記憶しないように判別しているのかも、と、考察力はまだあるようですが100歳までは生きられないと思います。




窓を開ければ

2011年10月01日 11時38分00秒 | 日記
10月のさわやかな風といっしょにきんもくせいの香りが通り抜けていきます。

このごろ、雑巾がけにめざめたぼくのおかあさん、一仕事を終えていっぷくしています。

かなり疲れました。
でも、今、自分の体を自分の意思で動かせていること、そして命の重さを感じています。

先日、航空自衛隊浜松広報館というところに行ってきました。

もちろん入場は無料です。
とても立派な建物で、ふうん、これ、みんな税金でまかなってるんだ。。
全天周シアター、プラネタリュームのようでシートもリクライニング。
これも、みんな税金でまかなっているんだ。。。

映像はほんもののヘリコプターに乗って救助活動をしているような迫力でした。
訓練された選りすぐりの救助隊員が海や冬山の救助活動をしています。
すごいたくさんの人たちと精鋭の機器を駆使して人の命を助けようとします。

感動でした。
命の重さをひしひしと感じます。
かっこいいなぁ、今度生まれ変わっったら、こんな仕事したいなぁ、なんて。

その数日前に、自衛隊の戦闘機の次の機種を選ぶ番組をテレビで見ていました。
戦争はしないと言っているのに、なんで戦闘機なのとぼくは不思議でしかたないのですが、この地球上で自国を守るためには必要なのですって。

車を運転中、後から救急車が来たら端によけて、とてもいいことをした気分になるおかあさんです。
自衛隊の救難ヘリの映像を見て、どうやら洗脳されちゃいました。

浜松に行ったのは、おかあさんが昔お勤めしていた会社のOB会の一泊旅行でした*(温泉)*

わずかの年月しか在籍していないにもかかわらず、ちゃんと会社の福利厚生として補助の出る会に参加させてもらえるなんて、なんと太っ腹な会社でしょう。

でも、見学地は無料のところを選んでいます。

ビール工場では試飲もできますし*(ビール)*
アサヒビール工場なのに、門をはいったところで大きな麒麟の絵のトラックが止まっていました。
再利用する瓶の回収に来ているとのこと、年に数回しか来ないのに、お客さま方は大変珍しい光景に出合われたのです、とにこやかに案内嬢。

競争相手の会社にどうどうと自社のマークを張り付けた車で乗り入れるなんてすごいですねぇ、みなさんもライバル会社の中に入ることを想像したら、胸がドキドキするのではないでしょうか、と、案内嬢は続けました。

このOB会の会社の次に、同じようにマイクを持ってお客さんに説明などしていたおかあさんは、なるほど、とその案内嬢のユーモアたっぷりの説明にうまいなぁ、と感心して聞いていました。

もう少し若ければ、いや、もう少し、なんて、全然足りない、もっと、もっと、いやいや、やっぱり、生まれ変わってだね、もう一度、こういう職について働いてみたい、などど思いました。


photo by momosuke2sei from OCNフォトフレンド

無料のところばかりではありませんでした。
蒸気機関車にも乗りました。

おかあさんは高校生の時はSLで通学していましたので、ボーイフレンドのことなんぞを懐かしく思い出します。
特に”てっちゃん”でもありませんが、間近にみる蒸気機関車はやっぱりかっこいい。

カメラを向けると、ほんものの蒸気機関士さんが、ほら、そっと手を振ってくれました。
いやん、かっこいい。
また、生まれ変わることができたら蒸気機関士になりた~い。