盆休みといっても、毎日がお休みのおかあさんですが、おとうさんの休みに合わせてのお盆休みでした。
1日目(8月12日)、新聞の広告を見て、うん、これがいいかな、と映画館と時間をチェックして出かけました。
電車に乗っているとき、ふと、映画の題名は何だったっけ、と気になり、おとうさんに聞きました。おとうさんは眠ったふりをして答えません。きっと、おとうさんも題名がでてこないのでしょう。
う~ん、このようなことが最近はとても多いのです、、、映画は『サン・シャイン』と言う題名でした、、、
2日目(8月13日)はどこでもいいから完治ではないけれど足の治ったおとうさんの運転でドライブしたい。でも、どこも車が混んでいそうだし、1時間くらいで行けそうな奥水間温泉を目指しました。ずいぶん前に行ったことがあるのですがほとんど記憶にありません。
近くまで行くと『ほの字の里』という看板。あれれ、もしかしてこの3月におねいちゃんと来たところかな?そのときはおねいちゃんが運転していましたし、おかあさんは道をまったく覚えていませんでした。
ちゃんとした温泉旅館も風情があっていいけど、村の廃校を利用してるこの温泉、ちょっとかわってるし、なんてったってお値段安いし、とこっちにしました。
温泉に入ってからお昼ご飯、和食バイキングというのをやっていました。
さすがに泉州、玉ねぎの丸焼き(あまくておいしい)、水ナスのお漬物はもちろん、煮物もおいしかったです。
でも、さきに入浴とバイキングの切符をセットで買うと500円くらい割引だったのでした。おかあさん、残念がることしきり。
この日はご先祖様がおうちに帰ってくる日なので、夕方は早めに帰りました。
ぼく、momosukeの初盆です。
3日目(8月14日)は一日中家にいて図書館から借りた本なんぞを居間でごろごろしながら読んでいました。
この頃はこの本は絶対手元に置いておきたいと思う本(あんまりありません)以外、図書館でネット予約します。他の図書館のも取り寄せてくれます。難を言えば話題の書になるとかなり時間がかかることです。村上春樹なんか、いつ頼んでいたのか忘れるほどでした。
でも、なにかしら本が手元にあるって、なんて平和でしあわせなんだろうと思います。(アウシュビッツも広島も読んでみました)
そのなかで特に印象に残っているのは 大井玄著 ー看取り医がみた幸せと悲哀ー 『病から詩がうまれる』
この本は手に取った瞬間うれしかったことがあります。表紙の装画が大好きな佐野洋子さんの絵だったのです。
http://ecx.images-amazon.com/images/I/41GA%2B1a-6ZL.jpg
佐野さんと同じころに亡くなった河野裕子さんの
一日に何度も笑ふ 笑ひ顔と笑ひ声を 君に残すため
も掲載されていました。いいですね。
私たち人間はささやかでも誇りを感じているときはしあわせである。その誇りを感じさせることが終末期をよろめき歩く人の支えとなる、と著者は記しています。
さらに、人間にはミラーニューロン(鏡神経細胞、ものまね)というのがあって、他者の動作を見ているだけで脳の中で同じ動作をするという。楽しい人のそばに行くと楽しくなりますね。
ただし自閉症の人はこの活性が低いとあった。
この本を読んだすぐあとに、テレビで自閉症の人が書いた本のことをドキュメンタリーでやっていて興味深く見、そして感動しました。彼は言葉を離せないのに、キーボードがあるとそれをたたきながらしゃべれるのです。思考力や感受性は健常者より格段高いのではないかと感じました。不思議でした。人間の脳って、とっても不思議です。
4日目(8月15日)この日からおとうさんはお仕事でした。おねいちゃんがお休みなのでいっしょに二上山に登りました。登るのはいつも500m弱の雌岳のほうですが、去年はもうてっぺんまでは無理だったけど(ふもとにある万葉の森までは歩けました)元気な時、何度も登った思い出の山です。おうちのなかで普段ごろごろしているおかあさんでしたが、この暑い中、なんと登ることができたのです。おかあさんもおねいちゃんも、ぼくといっしょに登っているつもりでいましたから。
正午には奈良県側(二上山は大阪府と奈良県の県境にあります)からサイレンが鳴りました。
二上山のてっぺんで黙とうをささげました。 平和を祈りました。
8月16日はおとうさんもおねいちゃんもいなくて、夕方、ぼくはおかあさんに見送られてかえりました。
さくらふぶきの下を ふららと歩けば
一瞬
名僧のごとくにわかるのです
死こそ常態
生はいとしき蜃気楼と
茨木 のりこ ![](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/56/24/ed273cdde3743646318780ebae67556a_s.jpg)