毎朝、新聞の小説を音読するのがたのしみです。「天声人語」 「それから」 「春に散る」 の順に朗読の練習です。
『それから』の代助の名前は忘れてしまっていたのですが、美千代は覚えていました。
そして、そうだ、こういう理屈っぽいぐだぐだした文章が好きなんだ、とあらためて思っています。
>人間はある目的を以て、生まれたものではなかった。これと反対に、生まれた人間に、始めてある目的が出来て来るのであった。最初から客観的にある目的を拵えて、それを人間に附着するのは、その人間の自由な活動を、既に生れる時に奪ったと同じ事になる。だから人間の目的は、生れた本人が、本人自身に作ったものでなければならない。けれども、如何な本人でも、これを随意に作る事は出来ない。自己存在の目的は、自己存在の経過が、既にこれを天下に向かって発表したと同様だからである。
そうだそうだ、と思いつつも、頭の中を素通りしていって、あとは何も残っていません。
今、起こった新しいことや、今、会ったばかりの人や物の名前がいっこうに脳に記憶されずに通り過ぎてしまうのです。虫になってしまった、あの小説の結末はどうだったのか、今は忘れてしまっています。
そう、虫。おかあさんは生れてはじめて虫を手でつかみました こんな可愛いお嬢ちゃんも
係の方から蝶々をつかませてもらって、みんなの用意ができるまで、蝶々は「早く放して~」とじたばたしていました。あの指の感触は忘れません。しばらくしておとなしくなりました。はっい、放蝶してください、と言われたとき、飛べないでばたんと地面に落っこちたらどうしようと心配でしたが、無事、飛んで行ってくれました。
http://www.asuka-park.go.jp/event/detail.php?id=289
その会場で出会って、すぐにお友だちになれたキュートな彼女に、(運命の出会いのようなものを感じた)おかあさんはとっておきの写真を見せました。カメラを3つも持って、つねに虫目線、写真歴25年というベテランさんに、です。
虫を手で触れないけど写真は撮ったよ。かわいいでしょう、と。 なんとか言う蛾の幼虫ですって。ほら、もう蛾の名前忘れています。でも、これをかわいいと言えるのなら、もう立派な虫仲間よ、って言ってもらえました。
お口直し、いえ、お目直しに、オオゴマダラ。日本の蝶々のなかでは一番大きい種類だそうです。