宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)は、2020年10月15日に実施した金星スイングバイ後の国際水星探査計画「ベピコロンボ(BepiColombo)」の水星磁気圏探査機「みお」および水星表面探査機MPOの軌道の計測と計算を行い、探査機が目標としていた軌道上を順調に航行していることを確認した。
「ベピコロンボ」は、1度目の金星スイングバイを実施し、2020年10月15日(木)12時58分31秒(日本時間)に金星に最接近、高度10,721.6kmを通過した。
金星スイングバイでは金星の重力を利用して約3.25km/sの減速を行い、目標としていた数値を達成した。
ESA(欧州宇宙機関)深宇宙ネットワーク局の探査機運用により、現在「みお」の状態は正常であることを確認している。
金星スイングバイの前後では「ベピコロンボ」に搭載される多くの装置で観測が実施された。電気推進モジュール(MTM)に搭載されたモニタカメラ(MCAM)では、最接近中に金星の姿が撮影された。
「ベピコロンボ」の金星スイングバイにあわせて、現在金星を周回する唯一の人工衛星である金星探査機「あかつき」および地球を周回する惑星分光観測衛星「ひさき」との金星共同観測も実施された。日本の宇宙機3ミッション共同による惑星同時観測の実現は初めて。