宇宙航空研究開発機構(JAXA)と放送・衛星通信事業者のスカパーJSATは、譲渡先を選定するためJAXAが実施した企画競争の結果に基づき、JAXAが所有・運用している小型実証衛星4型(SDS-4)をスカパーJSATに、運用も含めて譲渡する契約を締結した。
同件は、JAXAが開発した人工衛星を民間企業に譲渡する初めての事例であるとともに、スカパーJSATが低軌道衛星を初めて保有することとなる。
近年、スカパーJSATは、静止軌道衛星による従来型のサービスに加え、低軌衛星向け地上局サービスを積極展開している。低軌道衛星から届く大容量データを迅速にユーザーに届け利活用できるよう、自社の北海道、茨城、沖縄の低軌衛星向け地上局設備に加え、国内外の地上局サービス事業者とも業務提携し、ネットワーク基盤を充実させている。SDS-4の保有は、2018年度より掲げている宇宙・衛星事業ビジョンの一環としての取組みとなる。
また、JAXAが運用中の人工衛星のなかには、今回のSDS-4のように当初のミッション目的を達成し、後期利用段階の衛星がある。これらの人工衛星を民間企業が主体となり活用することは、新たな宇宙産業の拡大に繋がると期待され、今回のSDS-4の譲渡はその第一歩と位置づけている。