ビルボード・チャート日記 by 星船

1970年代から80年代にかけての特にビルボードのチャートを中心に、洋楽を愛する皆さまにお届けするブログです

ビルボード 全米 Top40 1987年1月31日付 ビリー・ヴェラ&ザ・ビーターズ Billy Vera & the Beaters - At This Moment

2023-01-29 19:53:14 | 1987年ビルボードTop40
1987年ビルボード Billboard All American Top40、1987年1月31日付、2週目の1位はBilly Vera & The Beatersの"At this moment"。Billy Veraですが、60年代後半から活動を開始した大ベテラン。これまでのTop40ヒットは60年代に30位台が1曲、70年代後半からバックバンドThe Beatersとともに活動し、81年にはBilly Vera & The Beatersとして"I Can Take Care of Myself"が最高位39位の2曲目のTop40ヒット。この曲が3曲目のTop40ヒットで、もちろん初めてのNo.1です。

2位は3位からアップ、Madonnaの"Open Your Heart"。Madonnaですが、もちろん皆さんご存知のスーパースター。1983年の初のTop40ヒット"Holiday"が最高位16位、そのヒットを皮切りに、この曲までに、"Like a Virgin"を始めとするNo.1ヒット4曲を含め、Top40ヒットが12曲目、そのうち11曲がTop10ヒット、7曲目のTop3ヒットです。

3位は2週間の2位からダウン、Robbie Nevilの"C'est La Vie"。Robbie Nevilですが、アメリカのシンガー・ソングライター。この曲がデビューアルバムからのファーストシングル。デビューシングルで2位まで上がりました。

4位は6位からアップ、Genesisの"Land Of Confusion"。Genesisですが、この時は、フィル・コリンズ 、マイク・ラザフォード、トニー・バンクスの3人組イギリスのロックバンド。もちろん皆さんご存知ですね。グループとしては最高位23位の初のTop40ヒット"Follow You Follow Me"から、この曲で10曲目のTop40ヒットで、No.1となった"Invisible Touch"を含め、この曲で3曲目のTop5ヒット。メンバー、元メンバーのソロでは、Phil CollinsにMike + the Mechanics、Peter Gabriel と、特にこの80年代半ばから、大ヒットを連発しています。

5位は8位からアップ、Cyndi Lauperの"Change Of Heart"。Cyndi Lauperですが、デビュー曲の"Girls Just Want to Have Fun"がいきなりの2位、次の"Time After Time"がNo.1を記録、さらに"Time After Time"が2曲目の1位に輝くなど、この曲で8曲目のTop40ヒットで、6曲目のTop5ヒットです。

2週目の1位はBilly Vera & The Beatersの"At this moment"。1位はこの2週間、年間チャートは20位。デビューは60年代前半の大ベテランですが、初めての大ヒットになりました。(年間チャート20位は意外に低かったです。2週間の1位でTop40には15週、年間Top10級の大ヒットだったのですが、この順位には異議がありますね)

Billy Veraですが、アメリカカリフォルニア州出身のシンガーソングライター。音楽活動を始めたのは1962年にまで遡ります。初めは作曲家として活動し、1967年に、黒人ゴスペルシンガーJudy Clayとのデュエットで、翌年68年に"Country Girl – City Man"が最高位36位、初のTop40ヒットとなります。

その後、70年代にかけて、アルバムを出したり、曲を提供したり、音楽活動を続けますが、残念ながらヒットには恵まれず、不遇の時代が続きます。

79年になって、The Beatersを結成、Billy Vera & The Beatersとしてアルバム『Billy & the Beaters』をリリース。
このアルバムからは、ファーストシングルの"I Can Take Care of Myself"が、最高位39位と、かろうじてですがTop40ヒット。Billy Vera、実に13年ぶりのTop40ヒットとなります。

そして"At this moment"ですが、実は1981年のアルバム『Billy & the Beaters』に収録された曲で、このアルバムからのセカンドシングルとしてリリースされ、81年に最高位79位を記録しました。

85年から86年にかけて、アメリカNBCテレビのドラマ「Family Ties」でこの曲が使われ話題になり、シングルが再リリース、この87年になってチャートを急上昇、オリジナルのリリースから5年経ってからの大ヒットシングルとなりました。このドラマ「Family Ties」はMichael J. Foxが主演しているのですが、ロマンティックなシーンで使われて話題になったそうです。

"At this moment"の曲の作者はもちろんBilly Vera。プロデューサーは、なんとJeff Baxterです。Jeff Baxterは、Steely Danの後、79年までThe Doobie Brothersのギタリストとして活躍していましたが、79年のドゥービー・ブラザーズ脱退後、一時The Beatersに参加していました。その時のプロデュースですね。

この曲、ゆったりとしたピアノとサックスとともに、Billy Veraのボーカルが素晴らしかったです。この年の私のお気に入りのTop3に入る曲でした。


こちらが同じアルバムに入って、1981年に最高39位を記録した"I Can Take Care of Myself"。


今週 先週 song / artist
1 1 AT THIS MOMENT / BILLY VERA & THE BEATERS
2 4 OPEN YOUR HEART / MADONNA
3 2 C'EST LA VIE / ROBBIE NEVIL
4 6 LAND OF CONFUSION / GENESIS
5 8 CHANGE OF HEART / CYNDI LAUPER
6 5 CONTROL / JANET JACKSON
7 7 SOMEDAY / GLASS TIGER
8 3 SHAKE YOU DOWN / GREGORY ABBOTT
9 15 LIVIN' ON A PRAYER / BON JOVI
10 12 TOUCH ME(I WANT YOUR BODT) / SAMANTHA FOX
11 14 KEEP YOUR HANDS TO YOURSELF / GEORGIA SATELLITES
12 16 WE'RE READY / BOSTON
13 17 WILL YOU STILL LOVE ME? / CHICAGO
14 19 BALLERINA GIRL / LIONEL RICHIE
15 10 VICTORY / KOOL & THE GANG
16 9 IS THIS LOVE / SURVIVOR
17 20 LOVE YOU DOWN / READY FOR THE WORLD
18 21 THIS IS THE TIME / BILLY JOEL
19 11 WALK LIKE AN EGYPTIAN / BANGLES
20 25 YOU GOT IT ALL / JETS
21 24 STOP TO LOVE / LUTHER VANDROSS
22 26 NOBODY'S FOOL / CINDERELLA
23 34 JACOB'S LADDER / HUEY LEWIS & THE NEWS
24 13 NOTORIOUS / DURAN DURAN
25 29 TALK TO ME / CHICO DEBARGE
26 32 BIG TIME / PETER GABRIEL
27 30 STAY THE NIGHT / BENJAMIN ORR
28 18 COMING AROUND AGAIN / CARLY SIMON
29 36 SOMEWHERE OUT THERE / LINDA RONSTADT & JAMES INGRAM
30 33 JIMMY LEE / ARETHA FRANKLIN
31 37 I'LL BE ALRIGHT WITHOUT YOU / JOURNEY
32 39 FIGHT FOR YOUR RIGHT / BEASTIE BOYS
33 43 RESPECT YOURSELF / BRUCE WILLIS
34 28 FALLING IN LOVE / MIAMI SOUND MACHINE
35 40 I WANNA GO BACK / EDDIE MONEY
36 41 CAN'T HELP FALLING IN LOVE / COREY HART
37 42 BRAND NEW LOVER / DEAD OR ALIVE
38 23 ALL I WANTED / KANSAS
39 22 EVERYBODY HAVE FUN TONIGHT / WANG CHUNG
40 51 MANDOLIN RAIN / BRUCE HORNSBY & THE RANGE

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37 コメント

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Unknown (太ったボンジョビ (´・∀・`))
2023-01-29 20:48:32
これは⭐⛴️さん、アイキャンテイクケアロブマイセルフ、単なる楽しい曲なのに最後までビデオ見てしまいましたぞ!
見事になかなかの女性を揃えて次々にやや悩ましい格好を見せる、途中アブナいロリータ関連は81年ならセーフなのか?とはいえビリベラ自体があっさりした教頭先生みたいな顔なので、問題にはならなかったのかな?
これはパーマーさんやカバーデールさんに「安めでも喜ばれる潜在エロ」を見せつけた模範かもしれないですよ。
ではソンコー、アッジスモメン…についてはまた明日です♥️
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リバイバルで全米No1はライブ音源 (音時)
2023-01-29 21:54:46
http://neverendingmusic.blog.jp/archives/33743057.html
リバイバルでどうしてライブ音源になったのかはよくわからないのですが、サックスの音やボーカルの泣きがリアルでよかったですよね。セツナいけど聴いてしまう名バラードだと思います。こういう曲がたまに1位なるのがよかったですよね。
 TV「ファミリー・タイズ」は僕も見たことないのですが、マイケル・J・フォックスの出世作であり、この出演があって、Back To The Futureの主役の座を射止めめたようです。また、このドラマで恋人役エレンで共演したトレーシー・ポランと、当のマイケル・J・フォックスは結婚して双子を含む4人の子供をもうけたようです…!
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もしかして (hannah)
2023-01-29 22:04:20
星船さん、こんばんは。
B.Veraですが、この曲がヒットした頃に、ちらっと耳にした話があります。
80年の今頃、ちょうど、ディック・セント・ニクラウスの♪Magic♪とか、トニー・シュートの♪Island Night♪がFM大阪を中心にやたらオンエアされ「80年代のシティミュージック」としてもてはやされていた(恐らく関西だけで)頃の話です。
洋楽のことをろくに知らないミーハー連中が、いかにもアメリカでヒットしているかのように言っていましてが、B.Veraも彼らと一緒にライヴしていたという話です。
事の真偽はわかりませんが、久しぶりにB.Veraの名前を聞いたような気がしました。
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Unknown (ダークディスコ)
2023-01-30 14:49:27
1981年、ビルボードチャートで日本に関わる大きな出来事が3つありました。
1.スキヤキ(上を向いて歩こう)のカバーヒット
2.日本では無名のミュージシャン(70年代半ばにnovoというバンドで活動後セルジオ・メンデスのバックで活動)の横倉裕の曲、yutaka with patti austinのlovelightが最高位81位のヒット
3.作曲家でレコード会社アルファレコードの社長の村井邦彦がアメリカでレコード会社alfa america recordsを立ち上げ、そこからビリー&ザ・ビータース、ルル、バートン・カミングスの曲がtop40ヒット
当時まだ洋楽聴き始めだった自分でしたが、今思えば凄いことのように思うのですがどうでしょうか。
あとビリー・ベラのこのアルバム、デビュー作にしてライブアルバムなのもなかなか驚きでもあります。(ロサンゼルスにあるライブハウスのロキシーで収録)
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Unknown (blackmore1207)
2023-01-30 17:05:17
こんばんは。
この頃アルバムはLAロキシーでの81年のライヴ録音が半分と、マッスルショールズでのスタジオ録音半分でした。
この曲が突如1987年に全米no1ヒットを記録したにもかかわらず日本じゃ話題にもならなかったですね。
枯葉が舞い落ちるような落ち着いた演奏と
ぐっと抑制された地味渋いVoがいいです。

そういえば先日ラジオを聴いていたら、達郎さんがプロデューサーしたアンルイスの曲「just another night」はダイアンウォーレンが書いたそうです。
なかなかよかったです。
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"I Can Take Care of Myself" (星船)
2023-01-30 18:13:54
太ったボンジョビさんこんばんは。
"I Can Take Care of Myself"ですが、もろ70年代ポップス風の曲はともかく、PVはなかなか面白かったです。私も見入ってしまいましたですよ。女性は年代もいろいろで、なかなかの美人ぞろいで、エロっぽくもあり、どんな歌詞だか、興味ありますね。
大変楽しませていただきましたデス。
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ライブが (星船)
2023-01-30 18:15:30
音時さんこんばんは。
初めの81年の時のリリースの時は、スタジオバージョンだったのでしょうか?YouTubeにはスタジオバージョンもありましたので聞いてみましたが、けっこう平板な曲でがっかりでした。やっぱりライブでしょう。おっしゃるとおり、サックスやピアノ、ボーカルに情感がこもっていて、ジーンと来る曲でした。ドラマでもライブバージョンが使われたようで、ヒットにも繋がったのかもしれませんね。
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日本でのみ (星船)
2023-01-30 18:16:59
Hannahさんこんばんは。
ディック・セント・ニクラウスの”Magic”に、トニー・シュートの”Island Night”、もちろん知っていますよ。メロディアスで、意外に私の好みの曲でした。当時の「オール・ジャパン・ポップ20」でも上位に長くいたのでは。関西だけじゃあないですよ。ラジオからはよく流れてきました。日本人好みの曲でしたね。でもアメリカでは全然ヒットしなかったです。Billy Veraさんとの話は、私は知りませんでした。
(調べてみたら、”Magic”と”Island Night”の両方の曲が一緒の頃、1980年の6月から8月頃にかけて、日本でのみヒットしていたようです)
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「Alfa」レコード (星船)
2023-01-30 18:18:05
ダークディスコさんこんばんは。
もちろん、「スキヤキ」の大ヒットには驚きまして、知っていますが、2の「yutaka with patti austinのlovelight」については全然知りませんでした。あのPatti Austinですよね。日本人とデュエットしていたとは、驚きです。
Billy Vera & The Beatersは「Alfa」レコードでしたか。Y.M.O.なんかがいたレコード会社ですよね。
ライブ音源で、シングル1位はあんまりないですよね。珍しいです。
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アン・ルイス (星船)
2023-01-30 18:24:12
blackmore1207さんこんばんは。
この曲、名曲だと思うのですが、日本では全然話題にはならず、ラジオからもあんまり流れてきませんでした。でも、大のお気に入りの曲で、エアチェックしてカセットで聞いていました。

アン・ルイスの"Just Another Night"ですか、聞いたことはなかったですが、さすがダイアン・ウォーレン、AOR系の良いバラードですね。79年のアルバムだそうで、日本の中では、アン・ルイスは、元も好きなミュージシャンです。
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