薬丸岳の『ラストナイト』を読んだ。
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なじみの居酒屋で、店と女将を守るために、因縁をつけてきたやくざ相手に傷害事件を起こした片桐。その事件が元で妻子と別れ、顔面にヒョウ柄の刺青を入れ、誘拐などの事件を起こしては刑務所に服役し、出所してはまた事件を起こして刑務所での服役を繰り返していた。近しい人たちは彼の更生を願うが、まったくそんな様子はなく・・・。
片桐と関係のある5人によって語られるお話しで、彼が仙台の刑務所を出所して5日間の出来事を描く作品。徐々に明らかになる真相と片桐の意図、ラストナイトに起こるのは・・・。
構成が秀逸で、著者の巧さが際立っている。これは読み応えあり!ちと悲しいお話しだが読んでおいて損はない作品。以下ネタバレを含むので未読の方は読まないように。
片桐が最初の傷害事件を起こした後、彼の妻が薬物中毒で飛び降り自殺を図っていた。片桐はその真相を知って残りの人生を復讐のために使うというお話しで、切なく悲しい愛の物語。自分の命をかけて復讐する愚直な男の生きざまを描く作品。
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