須賀しのぶの『革命前夜』を読んだ。大藪春彦賞受賞作。
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舞台はドイツ、ドレスデン。ベルリンの壁崩壊1年弱前の東ドイツに音楽留学した日本人ピアニスト。その主人公が、留学先の人間関係と共産主義国の監視体制に苦しみながらも成長していく様を描く作品。終盤はちとミステリー要素も出てくる。
描きたいのは東ドイツの崩壊なのか主人公の成長なのかがやや曖昧なのだが、タイトル通り東ドイツの革命前夜を描く作品で、なかなかに読み応えあり。クラシック音楽に造詣のないものにはちとわかりにくい描写も多いのだが、なかなかに面白く読める作品で、一気に読了。絶賛するほどではないものの、それなりに楽しめる作品。
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