「函館おまけ2」
ドボコンの後に拍手を一杯頂いたニックは、アンコールにバッハの三番サラバンドを弾いた。私は六番サラバンドを弾くものと思ったが、今生徒さんが三番をやっているからと、彼のために弾いたそうだ。
三番サラバンドを教えるとき、ニックは必ず歌詞をつけて歌う。歌うように弾けと言いたいのだ。ニックの歌はチェロほど上手くない。生徒は皆ニックの歌を我慢して聞いていると思う。最近は、「エリザベス女王は逝った、エリザベス女王は逝った。」と歌うので、つい先日の葬儀を思い出してしんみりした。私はバッハの無伴奏チェロ組曲の中では四番サラバンドが最も好き。
そういえば、函館コンサートの後でお客様に書いて頂いたアンケートに、
「チェロは歌っているようでした。」
というコメンがあり、とても嬉しかった。好評をたくさん頂いたので、全部翻訳してニックと一緒読んだ。励みになりました。