文芸春秋10月号に「今月買った本」というコーナーがあり、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授の野口悠紀雄さんが「究極の問」と題して10冊の本を紹介していました。
それにしても一月に10冊の本を買って、全部、読んでしまうのですから驚きです。
小生などは、恥ずかしい話ですが、1年でも10冊読んでいないと思います。
さて、そんな野口先生がどんな本をすすめているかですが、一番目が「宇宙創成 上・下巻 サイモン・シン 青木薫・訳 新潮文庫各660円」となっていました。
この本に先生は「読み出すと止まらなくなって、期日が迫っている仕事に支障が生じる」という本が時々あって困るのだが、『宇宙創成』もその一つなので、読み始める時期の選定には、注意を要する。」とおっしゃっています。
先生の研究分野は、ファイナンスですから経済学で宇宙論のような工学系の分野は畑違いのはずですが、その旺盛な意欲には、これまた頭が下がる思いです。
でも、経歴を拝見しましたら、東大の工学部卒なのですね。それなのに、なぜか法学系の方が多い大蔵省に入って、アメリカで経済学を学んで、埼玉大学、一橋大学などの教鞭の道を歩んでいます。
まぁ、そういう意味では宇宙論に違和感は全くないのでしょうね。
でも、そうなると先生がすすめている「宇宙創成」という本は、私達、素人には理解できない本ではないか、という疑問が湧いてきます。
それなのに、大枚1,320円をはたいて小生は、これを買ってしまいました。
何故かと言えば、「読み出すと止まらなくなる」というくだりの次に次のように紹介しているからです。
「本書の内容の大部分は、さまざまなところに書かれているので、すでに知っていることだ。それにもかかわらず止まらなくなるのは、一つには「宇宙の始まり」というテーマがわれわれをひきつけてやまないためだが、それだけではなく、ストーリーテーラーとしての著者の能力が並々ならぬものであることにもよる。「宇宙定数」「背景輻射」「原始のゆらぎ」などのトピックスを本書のように説明されると、サスペンスどころではない面白さになる。また、・・・」
ということで、この言葉を信じて買ってしまいましたが、「本棚の肥やし」にならないようにしたいものです。
先ほど、ちょっと導入部分を読んだのですが、なかなかのものでした。
お前にビッグバン理論や、相対性理論が分かるわけがない!というご指摘をいただきそうですが、小生は、昔から宇宙論が好きで何冊か読んだことがあるのです。
もちろん、何を言っているのか分からないところが沢山ありましたが、何となく分かる部分もあり、それなりに面白いと感じたものでした。
今度の本は、素人にも分かるように書いてあるような気がしますので、読後感を皆さんにも是非、紹介したいと思います。
期待しないで、お待ち下さい。今日は、「宇宙創成」についてお伝えしました。