アメリカで中間選挙が行われました。
下院では民主党が過半数を奪還し、いわゆる“ねじれ”状態が生じる見込みです。
それによって、大統領に対する弾劾裁判が提起される可能性も出てきているといいます。もしそうなれば、実際に罷免にいたる可能性は低いとしても、たださえ迷走してきたトランプ政権が一層の混迷状態に陥ることは間違いないでしょう。
ここにやはり、トランプ流の限界があるんだろうと思います。
“敵”をひたすら攻撃し、非妥協的な態度をとることで人気を得るやり方が世界的にはやっていて、「〇〇のトランプ」みたいな人が各国で選挙に勝つ状況がここ数年みられますが、こういうやり方は、いずれどこかで無理が生じるでしょう。直近の話でいえば、イランに対する制裁再開も、そういうにおいがします。この制裁再開で、はたしてなにかいいことがあるのか。ただいたずらに状況を悪化させるだけなのに、自分の支持者に対するアピールとして威圧的な態度をとらざるをえないというおそろしさが感じられるのです。
トランプ流のやり方は、こういうチキンレース的な状況を生み出して、やがては行き詰る。そのことを有権者が学習して、そういうタイプの候補者を拒否するようになる……そういうフェーズに、これからだんだんと移行していくんでしょう。トランプ的政治の流行は、それまでの一過性の現象だと思いたいところです。