ロック探偵のMY GENERATION

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忌野清志郎 with 井上陽水「愛を謳おう」

2020-01-10 16:12:51 | 音楽批評
米イラン間の緊張は、どうやらいったん落ち着いたようです。

とりあえず、一安心……というところでしょう。
ただ、根本的な問題が解決されたわけではなく、まだ予断を許さない状況ではあります。

今年に入って事態が緊迫したことで、このブログでは、戦争に反対する意味合いで二度にわたって反戦的な内容の歌を紹介してきましたが……その延長で今回は忌野清志郎に登場してもらいましょう。

紹介するのは、キヨシローが、井上陽水さんとデュエットした「愛を謳おう」です。

 

陽水さんとキヨシローは盟友とも呼ぶべき仲で、共作曲がいくつかあり、「愛を謳おう」もその一つ。
2005年に公開された映画『妖怪大戦争』の主題歌です。

この映画には、清志郎自身もぬらりひょん役で登場していました。
信じられないぐらいキャストが豪華な映画ですが、その一端を担い、主題歌も担当するミュージシャンとして、忌野清志郎はまさにうってつけでしょう。

歌詞は映画を監督した三池崇史さんによるものですが、2005年当時ぐらいの清志郎だったら、こんな歌詞を自分で書いていてもおかしくないと思わされる歌詞になっています。
ひとまず緊張緩和という状況にふさわしい詞でもあるんじゃないでしょうか。


  愛を謳おう 照れないで
  夢を語ろう でっかい夢を

  何色だっていいじゃん
  祈る神様 使う言葉が違うの素敵
  それが自由 憧れの自由
  それが自由 憧れの自由
  そろそろ生まれるはずさ すべてを愛せる子供たち

  バトンを受けてキミよ走れ
  地球と踊れ 裸足で笑え
  愛する自由が許せない チンケな時代をブッ飛ばせ

  笑顔の意味は同じじゃん
  微妙な匂い 犯した罪が違うの素敵
  それが自由 憧れの自由
  それが自由 憧れの自由
  そろそろ生まれるはずさ すべてを愛せる子供たち

  バトンを受けてキミよ走れ
  コブシを下ろせ 笑ってごまかせ
  愛する自由が許せない チンケな時代をブッ飛ばせ

  愛を謳おう 照れないで
  夢を語ろう でっかい夢を
  力を合わせ 宇宙の敵と戦え


「何色だっていいじゃん/祈る神様 使う言葉違うの素敵」というフレーズが、まるでいまの時代に語りかけてくるようです。
同じ時期に発表されたLOVE JETS の「宇宙大シャッフル」や、ソロでの「JUMP」に近いフレーバーが色濃く感じられます。作詞者はそれぞれ別の人ですが、やはりそういう空気がその当時あったんでしょう。それは、イラク戦争を背景としたものであり、いまの状況にも通ずるものです。つまりは、「愛する自由が許せないチンケな時代」ということでしょう。
「すべてを愛せる子供たち」は、はたしてこの国に生まれているでしょうか……