沖縄県の名護市で市長選挙の投開票が行われました。
結果は、政権側が推す現職の再選。
なかなかの接戦ではあったようですが……私としては、本当にそれでいいのかという結果となりました。
4年前の名護市長選で、私は今の日本社会における問題の一つに「ネガティブ・フィードバックの欠如」があると書いていました。
以下に、その記事の一部を引用します。
《ネガティブ・フィードバックというのは、恒常性を保つために不可欠な要素です。
たとえば、風呂の温度を一定に保つシステムを考えてみましょう。
風呂の温度をある決まった温度に保つということはできません。冷めてきたら加熱して温める、温まりすぎたら加熱を止めて冷やす……この繰り返しで、設定温度プラスマイナス一、二度ぐらいの範囲におさまるようにします。
この、「熱くなりすぎたら冷ます」、「冷めすぎたら温める」というのがネガティブ・フィードバックです。プラスにはマイナス、マイナスにはプラスという逆の反応をすることで、一定の温度を維持する仕組みです。
生物の体にも、この仕組みがそなわっています。
体温が上がりすぎたら汗を出して冷やす、体温が低下したら体を震えさせて熱を発生させる。そうして、一定の体温を保とうとします。そうしないと、体が過熱するか、逆に低体温になって生命の危機に陥ります。
さて……このたとえで考えたとき、いまの社会はどうなのか。
「過熱してきたときに冷ます」という回路が致命的に欠けているように思えてなりません。プラスにプラスの反応でこたえるばかりで、ひたすら過熱していっているように見えます。これは、社会を一個の生命と見立てたとき、非常に危険な状態といわなければなりません。
政治の世界にも、本来ネガティブ・フィードバックは働いてしかるべきです。
ある方向に進みすぎたら、「これはまずいんじゃないか」「行き過ぎなんじゃないか」と考える有権者が増え、別の考え方を持つ政党への支持が増えてくる……そんなふうにしてバランスをとっていくのがあるべき姿だと思います。
ところが、いまの日本ではそうならない。このことが、暴走を引き起こしているように思えるのです。このオーバーヒートが、いずれ“決壊”を引き起こしてしまうのではないか……そんな気がします。》
たとえば、風呂の温度を一定に保つシステムを考えてみましょう。
風呂の温度をある決まった温度に保つということはできません。冷めてきたら加熱して温める、温まりすぎたら加熱を止めて冷やす……この繰り返しで、設定温度プラスマイナス一、二度ぐらいの範囲におさまるようにします。
この、「熱くなりすぎたら冷ます」、「冷めすぎたら温める」というのがネガティブ・フィードバックです。プラスにはマイナス、マイナスにはプラスという逆の反応をすることで、一定の温度を維持する仕組みです。
生物の体にも、この仕組みがそなわっています。
体温が上がりすぎたら汗を出して冷やす、体温が低下したら体を震えさせて熱を発生させる。そうして、一定の体温を保とうとします。そうしないと、体が過熱するか、逆に低体温になって生命の危機に陥ります。
さて……このたとえで考えたとき、いまの社会はどうなのか。
「過熱してきたときに冷ます」という回路が致命的に欠けているように思えてなりません。プラスにプラスの反応でこたえるばかりで、ひたすら過熱していっているように見えます。これは、社会を一個の生命と見立てたとき、非常に危険な状態といわなければなりません。
政治の世界にも、本来ネガティブ・フィードバックは働いてしかるべきです。
ある方向に進みすぎたら、「これはまずいんじゃないか」「行き過ぎなんじゃないか」と考える有権者が増え、別の考え方を持つ政党への支持が増えてくる……そんなふうにしてバランスをとっていくのがあるべき姿だと思います。
ところが、いまの日本ではそうならない。このことが、暴走を引き起こしているように思えるのです。このオーバーヒートが、いずれ“決壊”を引き起こしてしまうのではないか……そんな気がします。》
ネガティヴ・フィードバックの欠如……その状況は4年間でますますひどくなっているように思われます。
そんな大所高所の話でなくとも、名護の足元にある辺野古基地建設問題も、4年間で大きく状況が変化しました。
軟弱地盤の問題がいよいよ無視できなくなり、工事は一部進められない状態となっています。
推進派の側はきたるべき沖縄県知事選で勝てばここを打破できると思っているかもしれませんが、仮に知事選で勝利したところで、それで軟弱地盤が固まってくれるわけではありません。工事を進めるだけ進めて、やっぱりできませんでしたとなってしまう可能性は残ります。
現在の感染爆発でも、沖縄の米軍基地が大きな感染源となっているのではないかと指摘されています。
一方的に負担ばかりを押し付け、住民の分断も意に介さず、抗議や批判には一切耳を貸さず……果たしてこれで、いざ有事というときに本当に国民を守れるんでしょうか。