ロック探偵のMY GENERATION

ミステリー作家(?)が、作品の内容や活動を紹介。
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ウルトラマンの日

2020-07-10 20:39:27 | 3DCG


今日7月10日は、「ウルトラマンの日」だそうです。

1966年のこの日、初代ウルトラマン放送に先立って「前夜祭」が放送され、ウルトラマンがテレビにはじめて登場した日ということで、この日がウルトラマンの日となっています。

最近気の滅入るような話題が多いですが……3DCGシリーズの一環として、ここらでウルトラマンに登場してもらいましょう。

ギターを弾くウルトラマン

Poser で制作。
……といっても、今回使っているのはすべてできあいの素材です。
まさかないだろうと思って探してみたらウルトラマンの素材があったので、使用してみました。
Poser の素材はもともとボーンが入っているので、自分で一から作ったフィギュアよりもアニメーションさせやすいです。自分で一から作ると、昨日のモスラ幼虫程度に動かすのもかなり手間がかかりますが、Poser の素材であれば、このぐらいの動画は三十分ほどで作れます。
自分でつくった人物フィギュアを、このぐらいにまで動かせるようにするのが当面の目標です。



『ゴジラVSモスラ』

2020-07-09 20:13:19 | 映画


今回は、映画記事です。

またしばらく中断していましたが、ひさびさにゴジラシリーズに戻って、シリーズ第19作目の『ゴジラ対モスラ』について書こうと思います。

 
公開は、1992年。
第二シリーズのなかでいうと、ちょうどまん中の四作目にあたります。
例によって、東宝の公式YouTubeチャンネルから予告の動画を貼り付けておきましょう。


【公式】「ゴジラVSモスラ」予告 モスラの宿敵怪獣バトラも登場するゴジラシリーズの第19作目。

前々作の新怪獣ビオランテがいまひとつだったことから、実績のある怪獣を出していくという路線に転換したんでしょうか……第二期シリーズで、キングギドラに次いで登場したのは、モスラでした。
モスラは、ゴジラシリーズにおける花形怪獣の一つで、ゴジラをのぞけばもっとも多く登場した怪獣でもあります。
キングギドラほどの派手さはありませんが、モスラが登場するときには、しばしば環境問題がテーマになるという、そういう社会派的側面をもった怪獣です。

本作はまさにそれで、環境問題というテーマが扱われています。
ゴジラ第二シリーズでは“文明への懐疑”がたびたびモチーフになっていますが、そのモチーフにモスラほどうってつけの怪獣はいません。
最近このブログでは3DCGをやってますが、その一環として、モスラ幼虫を blender で作ってみました。(背景の建物はPoserの素材)



動画も作ってみました。
短い動画ですが、これまでのblender 動画から一歩進んで、アーマチュアを使用した本格的なアニメーションに挑戦しています。



このへんで、『ゴジラVSモスラ』に話を戻しましょう。

この映画には、「地球自体が一個の生命体である」というガイア理論の影響がうかがえます。
コスモスの一族は、かつて高度な文明を築いていたのですが、気象コントロール装置を作ったことによって地球生命の怒りを買います。そして、“黒いモスラ”であるバトラの攻撃を受けました。



これは、バトラ(幼虫)のフィギュアです。こちらはCGではありません。おそらく、劇場公開時に来場者に配布されたものだったと思います。ただ、なにしろ30年近く前のものなので、いくつかパーツが紛失しています。本来は、もう少しゴテゴテしているはずです。

バトラは、地球生命を脅かすものを攻撃し排除する怪獣です。
その使命にしたがい、文明に奢ったコスモスたちをバトラは攻撃。
モスラが応戦したことで封印されるのですが、バトラはその過程で気象コントロール装置を破壊。地球は大洪水に見舞われ、コスモスの一族は一部を残して滅びてしまったのです。
この洪水の物語には、あきらかにノアの洪水のイメージがあります。
またそれは、昨今の地球温暖化による海面上昇や異常気象という問題を先取りしているようでもあり……まさに、モスラ登場映画の面目躍如といったところでしょう。この当時象徴として語られていた洪水が、30年近く経ったいまではもう現実のものとなりつつあるのかもしれません。
現代に甦ったバトラは人類を攻撃しますが、それはすなわち、人類文明が地球生命にとっての脅威となっているということにほかならないのです。

この作品の問題提起は、自然環境問題だけにとどまりません。

たとえば、作中に登場する商社“丸友”は、モスラやコスモスを金儲けの道具に使おうとし、それがモスラの日本襲来を引き起こします。また、その過程では、主人公がコスモスを売り飛ばそうとするというエピソードも。
カネがすべてなのか……この筋立てには、そういうメッセージも込められています。それは、バブル経済とその崩壊を背景にしているかもしれません。


さらには、当時の政治に対するメッセージがあるともいわれています。

コスモスを追って日本にやってきたモスラ幼虫は、国会議事堂に繭をつくります。
国会につくられた繭から成虫モスラが羽化するするシーンは、政治に対するメッセージともいわれます。リクルート事件で政治改革が声高に叫ばれた時期です。腐敗した政治が生まれ変わるという希望を、モスラの羽化に託したのではないかと。


こういうゴジラを観たいんです。
そのメッセージ性が前面に出すぎて登場人物の言動がちょっと不自然にみえるような箇所もあるんですが……しかし、この素朴なメッセージ性が、あの時代にマッチしていたとも思います。

それはおそらく、観衆の多くがそうだったんじゃないか。
結果、『ゴジラ対モスラ』は、第二期シリーズ最高の成績をあげました。また、『シン・ゴジラ』に抜かれるまでは、平成年間のゴジラ作品で最高でもありました。


ストーリーに話を戻すと、国会に繭をつくったモスラは、ただちに羽化し、上陸してきたゴジラと戦います。
この作品におけるモスラは、かつてのモスラよりかなりパワーアップ。以前は、羽根をはばたかせて風を吹き付けるという頼りない攻撃をしていましたが、今回は触覚からビームを出せるようになっています。また、必殺技である毒鱗粉攻撃は、それを使ったら自分も死ぬという最終手段だったんですが、今作のモスラはそうではありません。しかも、その鱗粉でゴジラの火炎放射を乱反射させるなんてことまでできます。

そうしてモスラがゴジラと戦っていると、そこへ、バトラも登場。三つ巴の戦いが展開されます。

決戦の舞台は、横浜の「みなとみらい21」。
そのときどきのホットな場所を舞台にするというゴジラ伝統の趣向です。伝統にしたがって、みなとみらいのシンボルである大観覧車も破壊されます。
ちなみに、この観覧車についている時計が昨年の台風の影響で故障してしまったそうですが……
まさに今起きている豪雨災害を見るにつけても、いよいよ地球生命の怒りは現実のものになってきているようです。

“地球の怒り”という点でいえば、あるいは疫病もそうかもしれません。
新型コロナがどうかはわかりませんが、新たに出現する感染症は、人間が自然の領域を侵したために解き放たれてしまうというのが一つのパターンとしてあります。先日紹介した映画『感染列島』に出てくる“ブレイム”ウィルスも、そうでした。自然の領域を侵す人類への責め苦(blame)――そういう意味で、新興感染症は地球の怒りともとらえられるのです。

しかし、地球生命を脅かす側に、その自覚はありません。
「地球が怒ってるんです」という部下の安藤に、丸友商事の社長(大竹まこと)は「頭どうかしたのか、お前」といいます。
これは、グレタ・トゥンベリさんに自称“現実主義者”の大人たちがとる態度と重なって見えます。
「どうかしてるのはあなたのほうです」
と、安藤は言い返します。
地球環境の急激な悪化に目を向けず、いま目先の利益だけを考える……そんな“現実主義者”こそが、もっとも現実を見ていないのではないか。最近いわれている“資本主義リアリズム”の虚構が、ここにすでに描かれているのです。

そんなことを考えると、『ゴジラVSモスラ』は、まさに預言です。

その“預言”が現実となるまでの30年間、人類はいったいなにをしてきたのか……映画のラストで地球を守るために飛び立つモスラの姿に、そう問わずにはいられません。



九州北部豪雨

2020-07-07 18:59:30 | 時事


今日は7月7日。

七夕……なんですが、どうも豪雨でそれどころじゃない感じになってしまいました。

私の住んでるところではそれほどでもないんですが、日田のほうでは筑後川が氾濫したということで、危険な状態がまだ続いているようです。

この手の話は、毎年この時期に書いているような気がする……と思って確認してみると、去年の8月28日に「西日本に大雨」という記事があって、そこにこんな記述がありました。

  《私の住んでいるところはそれほどでもありませんが、福岡、佐賀、長崎のかなり広範囲で、豪雨になっているようです。

去年もこのブログで似たような話を書きましたが……やはり、夏になるとこういう豪雨が起きるのはもはや珍しいことではなくなっているように思われます。》

……まるでデジャブのようです。

ともかくも、この豪雨がおさまってくれるよう願うばかりです。



東京都知事選

2020-07-05 20:34:00 | 時事


東京都知事選が行われました。

現職の圧勝再選が確実……

予測されていた結果とはいえ、投票を締め切るのとほぼ同時に当確が出るのには、しらけた気分を禁じ得ないというのが正直なところです。

この四年間の都政がどうだったか、公約は守られたのか、守られていないとしたら、新たな公約が守られるための方策はあるのか、コロナ対応はどうだったのか、これからどうするのか――そういったことがきちんと考慮されたうえでの結果なのかということは、大いに疑問です。いまにはじまったことでもないでしょうが、選挙がただの知名度勝負、イメージ合戦になってしまっていないかと思わずにいられません。この国はこれで大丈夫なのか……不安がますます大きくなってくる都知事選でした。




7月4日に思う

2020-07-04 19:05:36 | 時事


今日は7月4日です。

前回の記事も日付に関してでしたが……今回もその流れを引き継いで、日付記事でいきたいと思います。

7月4日は何の日かというと……アメリカの独立記念日です。
アメリカの話という点でも前回からの流れを引き継いでくるわけですが、そうなるとやはり、いまアメリカで起きている地殻変動についての話になります。人種差別の問題は、アメリカという国の独立以来――いや、独立の以前から社会の根底に横たわっているのです。

ここで、名曲を一曲。

ガース・ブルックスの We Shall Be Free です。
人種差別の問題だけを歌っているわけではありませんが……


  これは 預言者なんかじゃなく
  ありきたりな男の言葉
  目を閉じれば浮かんでくるんだ
  みんなが手を取りあって歩むときに
  この世界の進んでいく道が

  ひとかけらのパンのために泣くような子どもがいなくなるとき
  口にした言葉のために死ぬものがいなくなるとき
  どんな貧しい人にも住む家があるとき
  僕らは自由になるんだ

  肌の色なんかじゃなく
  内面の美しさに人々が目をむけるとき
  空と海がもういちどきれいになったとき
  僕らは自由になるんだ

  僕らは自由になるんだ
  まっすぐに立ち 誇りをもって歩こう
  僕らは自由になるんだから

  自分の選んだどんな人でも自由に愛していいとき
  世界がどんな価値観も受け入れるとき
  どんな信仰も許されるとき
  僕らは自由になるんだ

  カネがものをいうのではなく
  取り残される者がだれもいなくなるとき
  人種の争いがなくなるとき
  僕らは自由になるんだ

  僕らは自由になるんだ
  ささやかな信念をもち あきらめずにいよう
  僕らは自由になるんだから


ガース・ブルックスといえば、もうカントリーの世界では超のつく大物ですね。

来日したことはないそうなんで日本での知名度はあまり高くないかもしれませんが、本国アメリカでは一億枚以上のアルバムを売り上げているというモンスターアーティスト。アルバムを一億枚以上売ったアーティストは、ほかにビートルズやエルヴィス・プレスリー、レッド・ツェッペリン、イーグルスしかないということで、その顔ぶれからも、いかにすごいことかがわかります。

そのガースさんが、こういう歌を歌っているわけです。
人種差別、貧富の格差、言論の自由、環境汚染……と、広範な問題が取り上げられていて、それらはアメリカだけにとどまらない世界規模のテーマともいえるでしょう。

カントリーの世界は結構保守的な人が多いそうですが、そのなかでこういう歌を歌うのは結構異例なことのようで、その筋では物議をかもしたといいます。「そんなに問題になるとは思っていなかった」と本人は後に語っていますが、そりゃそうでしょう。この歌が問題視されてしまうというところに、アメリカという国の病理がみえるようです。

アメリカは“自由の国”を謳っているわけですが、独立から2世紀半近く時が経って、その理念が本当に実現されているのか考えさせられます。
ガース・ブルックスの歌う定義でいえば、アメリカも、この世界も自由からほど遠いということになるでしょう。

問題は、差別をなくそう貧困をなくそうというようなメッセージにさえ反発する人がいることでしょう。

ガース・ブルックスの場合も、先述したように、この歌を歌ったことが問題視されました。歌詞が“左翼的”なので、あいつはアカだというようなことをいわれたらしいです。
まあ、どこの国にもそういう人はいるということなんでしょうが……ここで歌っているようなことにさえ反発する人が少なからずいるというのは、人間の業かもしれません。
hold out という言葉が歌の中で使われているのもそういうことでしょう。
いろんな訳し方があるようですが、この歌の中では、向かい風とか逆流に押し流されないように持ちこたえるというイメージだと私は解釈しています。
ダークサイドのエネルギーに押し流されないように、まっすぐ立っていよう――そのメッセージをかみしめる、そんな7月4日でした。