北海道にいると、季節感が違って、実感の無い言葉が多くなるのも仕方が無いのです。
「夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る」立春から八十八日、これが5月2日なのです。内地では、一番茶の茶摘みも始まる季節なのです。でも、北海道では春が来たとようやく感じるくらいです。
今年は例年になく寒い年で、5月になったのだとさへおもえません。でも間違いなく5月なのです。
10年くらい前までは、この連休のころ、月形へ「あいぬねぎ」=「行者にんにく」を取りに行ったものです。月形に私より15歳ほど年上の義兄がいて、この義兄が山菜取りをこの上も無い楽しみにしていて、私を誘ってくれるのです。
場所は、札比内の軍艦山の谷間なのです。車をおりてから、1kほど、林道を登り凄い急なガレ場にとりついて取るのです。一歩足を踏み外したら転げ落ちるそんな感じの斜面なのです。義兄は、慣れたもので、どんどん上に上っていくのです。私は、斜面の雑木や草にしがみつきながら、程ほど義兄の3分の1くらい取るのです。
この沢に行くと、鶯の鳴き声が、沢一杯に澄み渡り、桂の木の芽吹きの色、柳の萌黄色も目を楽しませてくれ、心が本当に和むのです。「癒し」ってこういうことなのでしょう。懐かしい思い出です。