これまで、どれ程の数の日本人が、ブータンという国に、関心を持っていただろうか?何処にあり、どのような国なのか、どんな歴史的な考え方の人達なのか?地理の時間でも、教えられた覚えがあまりない。今回のワンチュク国王夫妻の来日に際して、多くの人々が、その動向に、初めて、目を向けたと謂っても、過言ではない。そう言えば、昭和天皇の崩御の際には、国を挙げて、喪に服したというニュースを、かすかな記憶の中に、止めているくらいだろうか。翻訳者である友人のブログの中で、「国民の天皇」という著書を上梓しているアメリカ人学者のケネス・ルオフ氏のブータンに関するコメントが、載っていたので、大変、興味深く、読ませて貰った。日本は、改めて、象徴天皇制の下であることが、再認識させられる。確かに、戦後直後の昭和天皇による全国行幸とブータンでの同じような行幸は、その類似点で、大変、象徴的である。環境政策の推進や富の格差との闘いは、GNH(国民総幸福感)という一つの新しい指標を設けて、彼の地では、現在進行中である。不安定な東南アジアの中で、地理的にも、中国とインドという大国の狭間に、存在し続けなければならないその国は、チベット仏教を基に、立憲君主制で、イギリスで、教育を受けた聡明な国王夫妻に、国の近代化と伝統・独立の維持を、委ねることになった。国旗に、掲げられている「龍」は、内なる心の経験を糧にして、人々の心の中で、大きく強く育ててゆくということを意味するとの国王の言葉が、語るように、小さな国が、如何に、グロール化の渦中で、その近代化と固有の政治的、経済的な独立を達成していったらよいのかを、我々にも、示唆しているようである。若い頃のタイのフミポン国王のように、どのように、国を導いて行くのか、日本は、その中で、JICAによる農業分野での西岡京治氏等の技術専門家派遣協力の実績ではないが、どのような支援・協力が、望まれているのか?今後の具体的な各論の実施が、期待されるところである。
海神日和:
http://kimugoq.blog.so-net.ne.jp/
海神日和:
http://kimugoq.blog.so-net.ne.jp/