小諸 布引便り

信州の大自然に囲まれて、風を感じ、枝を眺めて、徒然に、社会戯評する日帰り温泉の湯治客です。愛犬の介護が終了しました。

町並み景観を考える=杉並たてもの応援団の講演を聞いて

2011年11月28日 | 社会戯評
小諸から2時間半かけて、車で、杉並に戻れば、今まであった大きな住宅が、相続のためであろうか、切り売り、分割され、町並みの景観が、一挙に、変わってしまうことを、多々、経験する。実際、自宅のお向かいの家も、10年余りのうちに、樹木が切り倒されて、何と4軒に、切り売りされてしまった。旧い民家・商家や、歴史的な建造物を、その一部のパーツ・レプリカの復元という形でも、登録文化財として、移築・保存、継承されることは、大変望ましいことである。確かに、相続の問題からか、懐かしい景観が、「合法的に」、味も素っ気もないコンクリートの塊や、ブロック塀に覆われたけばけばしい原色の建物に、変貌することは、何とも、情けないものである。3年程前にマスコミでも話題になった漫画家の楳図一雄氏の「まことちゃんハウス」の裁判で明らかになった「景観利益」という概念は、住民取り決めや、法的条例規制などと相俟って、今後の町並みの景観保護運動の重要な動機付け、法的根拠になり得るものである。デカルト的グリッド状都市創りと非デカルト的な歴史・現状重視の都市創りは、今後、後者による優位性が、取り入れられていくようであるが、太田黒公園景観規制条例のような住民創意のコンセプトと一体になった行政・地域住民運動、更には、ゼネコン・デベロッパー・不動産屋、等を巻き込んだ総合的な運動が、不可欠であろう。大都市に住む住民のみならず、地方でも、こうした景観のみならず、地域住民による地道な市民活動が、着実に、拡がることを願ってやみません。東京都内からは、今や、富士山を眺望出来る地点が、激減しているのは、何か、寂しいものがある。

杉並たてもの応援団:
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