The Wine Heat!

オテル・ド・ヤマダ ワインフォーラムの主催者であるDr.ヤマダのワインな日々の記録です。

1981 シャトー・マグドレーヌ サンテミリオン・グラン・クリュ・クラッセ B

2014-09-07 10:27:56 | ワイン
ワタクシにとっては、目に入れても痛くないほどの愛すべきワインである。

実は前回の『パパジイ』の最後に、次のテーマは?となった時、
『マグドレーヌ』を皆さんに飲んでもらうために、あえて『サンテミリオン』と言って仕掛けた!

9月に『マグドレーヌ』を飲まずしてドウスルノ?と言うくらい、
この時期の『マグドレーヌ』には、旨い!という確信めいたものがある!(キッパリ)

まあ中野先生のサンテミリオン土産の1969’MGもしかり!
数々の『マグドレーヌ』伝説があるではないか!

もはや『マグドレーヌ』の熟成物はレジェンドと言ってイイ!



さてさて、コーフンを抑えて、今回の1981’を語るとしよう・・・
ワインの出何処はもちろん、岩手の良心『酒のT商店』で、
皆さんも飲んでみて、状態の確かさは確認できたと思う。

ココでワタクシが力説したいのは、
この『マグドレーヌ』の中にある、ある種のフィネスについてである。

すなわち、今時の新興右岸を熟成した状態で飲んだ時に、
これと同じフィネスを見出すことができるのか?ということ!

ご存知の通り『マグドレーヌ』はメルロ90%でフラン10%のセパージュだ。
本来であれば、若いうちから肉付きが良くて、外向的になるはずだが、
あにはからんや若い『マグドレーヌ』はそうではない!
タンニン多く、収斂されて、遅々としてその熟成はステゴザウルスの歩みのようだ!

しかし、しかしである!
一たび熟成の極みに達した時の風味と味わいのエレガンスは、どのサンテミリオンにも変えがたい!
これは除梗せずに発酵させることや、葡萄の収穫時期の早さが関係しているとのことだが、
いずれ今時の人気取りに走らぬよう願うばかりだ・・・

細かい分析は詳らかにはしないけれど、この高級感と繊細な熟成を見れば、
80年代の『マグドレーヌ』は失敗作が多いとワイン本に書き込む評論家達の見識を疑ってしまう。

さて、皆さんはどう思ったのだろうか?