ジョン・グリシャム著「『グレート・ギャツビー』を追え」を読んだ。
グリシャムの作品で、プリンストン大学の図書館から強奪されたフィッツジェラルドの直筆原稿の行方を追うというストーリーで、村上春樹の翻訳と聞けば読まないわけにはいかない。
これは売れるだろうし、映画化もされるだろうし、大方の読者を満足させるだろうという仕掛けがふんだんにある。ここまで仕組まれると期待値がこのうえなく高まってしまうと同時に、いくぶん斜に構えながら読んでしまう部分もあるのだが、世のミステリー読み巧者の皆さんはどう感じただろう。
奪われた直筆原稿の捜査線上に浮かんだブルース・ケーブルというフロリダで独立系書店を営む書店主を中心に、辣腕の調査官やFBIによって捜査の網は徐々に絞られていくのだが、果たして原稿は奪還できるのか、というのがこの作品の肝である。
その過程で描かれる稀覯本の世界や書店経営の裏側、ブルース・ケーブルの周りに集まる作家たちの生態などが興味深く面白い。探偵役の主人公であるスランプに陥った若い女性作家マーサー・マンの成長物語という側面もあって、彼女とブルースの交情にもついつい感情移入してしまうのだが、実はそこがこのミステリーの目くらましになっているようなのが、何とも癪に障るとも言える。
まあ、十分に楽しませていただきました。
グリシャムの作品で、プリンストン大学の図書館から強奪されたフィッツジェラルドの直筆原稿の行方を追うというストーリーで、村上春樹の翻訳と聞けば読まないわけにはいかない。
これは売れるだろうし、映画化もされるだろうし、大方の読者を満足させるだろうという仕掛けがふんだんにある。ここまで仕組まれると期待値がこのうえなく高まってしまうと同時に、いくぶん斜に構えながら読んでしまう部分もあるのだが、世のミステリー読み巧者の皆さんはどう感じただろう。
奪われた直筆原稿の捜査線上に浮かんだブルース・ケーブルというフロリダで独立系書店を営む書店主を中心に、辣腕の調査官やFBIによって捜査の網は徐々に絞られていくのだが、果たして原稿は奪還できるのか、というのがこの作品の肝である。
その過程で描かれる稀覯本の世界や書店経営の裏側、ブルース・ケーブルの周りに集まる作家たちの生態などが興味深く面白い。探偵役の主人公であるスランプに陥った若い女性作家マーサー・マンの成長物語という側面もあって、彼女とブルースの交情にもついつい感情移入してしまうのだが、実はそこがこのミステリーの目くらましになっているようなのが、何とも癪に障るとも言える。
まあ、十分に楽しませていただきました。
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