「原発0」のうねりが、永田町や国会周辺を取り囲んだのはつい最近。
だが、時の流れとともに風化したのだろうか。原発再稼動の強い声に押され「原発0」の声はだんだんと小さくなってきており衰退の感はいなめない。
安倍政権はエネルギー基本法の中で原発をベースロード電源と位置付け、基本計画では、原子力規制委員会で規制基準に適合すると認められた場合には、その判断を尊重し原発の再稼働を進める、と再稼働ありきの姿勢を明確にされた。
それを受けてのことか原子力規制委員会は3月13日、鹿児島の川内原発1・2号機が、新しい規制基準に適合しているかについて優先的に審査することを決めた。早ければ今夏にも再稼働になるのではという。
娘が原発の町、川内に転勤になって約1月。川内市の職場いるときに原発事故が起きたとすればどうなるのだろうかと。人ごとではなく心配でならない。新幹線は多分停止するだろう。交通機関も途絶、避難誘導は大丈夫だろうか。避難場所はどこに。想像するだけでも怖くなる。戸惑う娘の姿がしばし目に浮かぶ。
福島第一原発の事故後、国は原発から30キロの地域防災計画の見直しを義務付けており、住民の避難先や移動方法などを詳細に定めた避難計画の策定を市町村に求めている。だが、この避難計画の有無は、原子力規制委員会による審査対象には含まれていない。
先月16日、脱原発を訴える市民集会が鹿児島市で約6千人が参加して開かれた。鹿児島県内での反原発集会としては過去最大規模だという。地元川内では再稼働反対を訴える集会が連日のように開かれている。
4月24日、鹿児島県は川内市で事故を想定した「川内原発で鹿児島県と周辺市町村による避難計画」の説明会を開いた。優先的に審査することが決まってから県が住民の声を聞く始めての機会。計画には渋滞予測などが反映されておらず、住民からは懸念を示す声が噴出し、議論はかみ合わなかったという。
これまでは「原発0も再稼働」も人ごとのように思っていた自分。娘が転勤し川内が身近になったことから「原発0」を真剣こ考えるなんて、なんと身勝手。自分が恥ずかしくなった。
原発事故はあり得ないという安全神話は福島原発事故でもろくも崩れた。あってはならないがまたもし事故が起きたと仮定すればその被害は底知れない。「原発0・再稼働反対」の声を、ささやかであっても上げなければならない。
先に行われた東京都知事選の前に「原発反対」を明確にされた2人の元首相。マスコミに「ロートルの迷いごと」とまで言われ意気消沈なさっておられるのではと心配したが、先日のニュース、原発廃止を目的とした社会法人を設立されるとあった。
力にはなれないと思いますが、力一杯応援させていただきます。
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