沖縄は今日、69年前の太平洋戦争末期の沖縄戦で亡くなられた方々を悼む「慰霊の日」を迎える。
会場となる摩文仁の丘に平和を願って建立された「平和の礎」には、国籍を問わず戦争の犠牲となられた方々の名が刻まれている。その数2009年(平成21年)6月21日時点で24万856人。沖縄戦の日本側死亡者は18万8136人、その中には一般住民3万8754人(推定)が含まれているという。
多くの犠牲者を出した太平洋戦争末期の熾烈な沖縄戦は、沖縄の人々に大きな痛みと苦しみを与えた。
沖縄には今もなお日本にある米軍基地の74%が集中している。宜野湾市の町の中心部には飛行場があり輸送機やヘリ、オスプレイ等が配置され、1日中離着陸を繰り返しその騒音はまったくひどい。基地周辺では米軍人による様々な悲惨な事件が発生している。
今も消えることなく面々と続いている沖縄の苦しみや悲しみそれに加えての怒りを少しでも和らげることはできないものだろうか。なにも出来ない自分にいらだちを感じる。せめて「慰霊の日」に、沖縄の方々と一緒に黙とうし、平和を願うこととしよう。
基地の県外移設や米軍の訓練受け入れに他県の人達はすごく冷淡だ。基地の負担を沖縄ばかりに押し付けるでなく一緒になってその痛みや苦しみを分かち合うことが大切だろう。
安倍総理、昨年の「慰霊の日」の式典に参列され挨拶を述べられた。その挨拶、本当に平和を願っておられたのだろうか。通り一遍の何とも空虚な挨拶だった記憶がある。
今年も、総理は出席されるという。平和を願う席で、今進めようとしている憲法解釈の変更、それも閣議決定で変更しようと意図する総理、集団的自衛権、さらには集団安全保障まで枠を拡げ、平和を願う沖縄の方々に何と説明されるのですか。
昨年6月23日の戦没者を悼む式典で子ども代表として、日本の一番西にある与那国島の当時6歳の小学校1年生の安里有生くんが作った詩、「へいわってすてきだね」と呼びかけた言葉にはとても感動させられた。総理の空虚な通り一遍のあいさつを正に凌駕するものだった。
《ねこがわらう。おなかがいっぱい。やぎがのんびりあるいてる。けんかしてもすぐなかなおり。ちょうめいそうがたくさんはえ、よなぐにうまが、ヒヒーンとなく。》
《やさしいこころがにじになる。へいわっていいね。へいわってうれしいね。みんなのこころから、へいわがうまれるんだね。》
《ああ、ぼくは、へいわなときにうまれてよかったよ。このへいわが、ずっとつづいてほしい。みんなのえがおが、ずっとつづいてほしい。》
この詩が絵本になった。絵をつけたのは、絵本作家の長谷川義史さん。テーマは一貫して「生まれてきて、生きているだけでありがたい」。
与那国島も訪れ、恥ずかしがり屋の安里君とは二言三言しか言葉は交わさなかったそうだ。でも、平和であってほしいという願いは「話さずとも感じ合えた」と長谷川さんは言う。
「平和のために戦いに行くなんて、そんなことから平和は生まれへんねん。優しい心からじゃなきゃ。それを安里君が教えてくれている」と。
絵本「へいわってすてきだね」は、沖縄の「慰霊の日」にあわせ、全国で順次、ブロンズ新社から発売される。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます