俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

護憲(2)

2013-09-07 10:16:40 | Weblog
 昔、日本共産党(以下「日共」という)は「憲法とくらしを守る」をスローガンにしていた。日共の青年組織である民主主義青年同盟(通称「民青」)の熱心な活動家の同級生に尋ねたことがある。
私「日共は本気で憲法を守ろうとしているのか。」
彼「日本国憲法には民主的な面と反動的な面がある。我々は民主的な面を高く評価してその面を拡張しようと考えている。」
私「第1条(天皇制)を守る気はあるのか。」
彼「天皇制は最も反動的な部分だ。すぐにとは言わないが、政権を取ればいずれ改める必要がある。」
 何のことは無い。憲法を守るつもりなど全く無いということだ。イデオロギーと合致する部分だけを摘み食いをして、ほぼ全面的に改憲するということだ。改憲を党の綱領に掲げている自民党よりもラジカルな改憲を目論んでいるようだ。
 でがなぜ彼らは護憲を主張するのか。改憲を党是とする自民党との対抗上でのことに過ぎない。改憲を主張すればどこをどう変えたいのか具体的に挙げざるを得ない。だから白々しい嘘と分かっていても護憲を主張する。
 政権さえ取れば廃棄するつもりの憲法を政権簒奪のための手段として利用したいだけだ。ワイマール憲法の民主性を逆手に取って独裁制を敷いたナチスとそっくりの手口だ。こんな連中が「護憲」と口にするから護憲という言葉までが穢されてしまった。本物の護憲が見直されるべきだろう。

妻の権利

2013-09-07 09:52:36 | Weblog
 妻の権利がなぜ子よりも軽んじられているのだろうか。婚外子のシェアは2%とのことだから、98%を占める嫡出子の母(正妻)がなぜ怒らないのか私には理解できない。
 欧米で婚外子の権利が高いのは妻の権利が既に充分に高いからだ。例えば元ビートルズのポール・マッカートニーはリンダの後妻のヘザー・ミルズとの離婚で約50億円も支払っている。詳しい事情は知らないが、ポールが浮気をしてその慰謝料が加算されているという訳ではないし、ヘザー・ミルズとの結婚によってポールの創造性が高まったとも思えない。それにも関わらずこれほどの離婚調停金が支払われるのは妻の権利が過大と思われるほどに認められているからだ。日本とは事情が全然違う。
 日本では妻の権利が不当に低い。妻が死んでも夫が相続問題に巻き込まれることは殆んど無いのに、夫が死んだ妻のみが相続に悩まされるのは全く不合理としか思えない。これは本来、共有である筈の夫婦の資産が夫の資産と位置付けられているからだ。
 因みに私の父が死んだ時、私達兄弟4人は相続権を放棄して母が総てを相続した。税制上の事情もあるが、私が提案して兄弟全員が賛同した。夫の財産は妻との共有物であり、子は資産形成に貢献していないどころかお荷物でしか無い。貢献度は妻がダントツだ。
 私は妻の権利をないがしろにしたままで婚外子の権利を拡大することに納得しかねる。嫡出子の母は怒るべきだ。お人好しであり過ぎることは正義(justice)に背く。