俗物哲学者の独白

学校に一生引きこもることを避けるためにサラリーマンになった自称俗物哲学者の随筆。

表裏一体

2013-09-15 10:39:37 | Weblog
 表と裏は不可分だ。表を強化すれば裏も強化される。円安になれば輸出では有利になるが輸入では不利になる。円安のメリットだけを受けることはできない。ベストなのは継続的に円安になり続けることだ。安く買って高く売れるからだ。
 大木は立派な根を持っている。貧弱な根を持つ大木はあり得ない。氷山の9割は水中にある。水中の氷山を削れば水上の氷山も小さくなる。
 多くの場合短所は長所でもある。無鉄砲という短所は勇敢という長所でもある。解釈の相違だ。
 男性の乱暴さを取り除くために去勢すべきだと考える人は殆んどいない。中国から多くの文化・制度を採り入れた日本だが宦官という制度は採用しなかった。当時から既に日本人が草食系だったからかどうかは知らない。
 宦官は女性化するらしい。より正確には「男性化しない」と言うべきかも知れない。肉体的には甲高い声になり筋肉は発達しないそうだ。精神的には嫉妬深く狡賢くなるそうだ。女性化というよりも女性の悪い面ばかりが具現化するようだ。
 一時期、脳の一部を切除するロボトミーが盛んに行われた時期があった。この治療法に対してノーベル医学賞が授与されるほど素晴らしい医療だと信じられた。しかしこれは単に人格だけではなく人間性そのものさえ破壊する恐ろしい手術であることが分かった。
 性欲は多くの場合、否定的に捕えられる。しかしもしフロイトの学説が正しければ性欲こそ精神エネルギーの源だ。性欲を弱めることよりもこの危険な猛獣をコントロールすることこそ必要だろう。
 怒りも好ましくない感情とされている。しかし自己破壊さえ厭わぬ最強の感情を抑え込んで良いものだろうか。怒りの強烈なエネルギーを活用しないことは余りにも勿体ない。

リスク

2013-09-15 10:37:28 | Weblog
 私はリスクの大きいこととして薬と自転車を挙げる。食品添加物や残留農薬や遺伝子組替作物や中国産野菜やBSEなどはリスクの小さいものと考える。マスコミはリスクの大きいものを報じるべきであり小さいものを針小棒大に騒ぎ立てるべきではない。
 薬や自転車の事故は無数に発生している。薬の事故は最近では子宮頸癌ワクチンとカネボウの美白化粧品しか騒がれていないが風邪薬などによる薬害は驚くほど多発している。タミフルだけが危険な訳ではない。
 自転車も事故が多過ぎるから、近頃は加害者になるケースしか報道されないほどだ。実際には被害者になるケースのほうが圧倒的に多い。道路交通法および専用レーンなどの不備が原因だ。自転車がどれほど危険かを知って貰うために政治家のセンセイ方に自転車通勤をお勧めしたい。
 その一方で食品添加物以下に挙げたものによる被害者は殆んど皆無だ。商売第一のマスコミと一部の人が危機を煽っているだけだ。確かに中国製冷凍餃子事件があり、これは農薬と中国製の両方を満たしているが、事件であって事故ではない。特定の個人による犯罪だ。これを根拠にして中国製や農薬が危ないと言うのは、パンに針が刺された犯罪を根拠にして「パンと針が危ない」と騒ぐようなものだ。
 何にでもリスクは伴う。大切なのはそのリスクが大きいか小さいかを判別することだ。2001年の9.11同時多発テロの直後、アメリカ人は飛行機を怖がって自動車で長距離移動をする人が増えた。それが招いたのは交通事故の激増だった。
 警戒すべきなのはリスクが大きなものだ。リスクの小さなものを騒げば危険なものが放置される。最も身近な危険物は風邪薬だと思うのだが、マスコミは問題にしないどころかCMという形を取って奨励している。困ったことだ。