今回の爆弾低気圧による大雪は、オレの予定を大きく狂わせたばかりか色々大切なものを失った。
大雪をもたらした2/8は、まる一日、ある講習を受けていてガッツリ勉強していた。
その講習は、朝から夕方5時まで行われ、終わったころにはクルマの上に30cm以上積雪があった。
まあ、スタッドレスタイヤであったし、もうひとつ用事をこなして帰宅することにした。
その用事とは、ネット環境の整備よろしくで、USBタイプの無線LAN接続から、WiFiデビューするため端末を予約してあり、要は約束があったのだ。
大型電気店に向かうと、吹雪いていたこともあり、大きな駐車場が真っ白になっていた。
それでも約束なので、やむなくクルマを停め、店内に行くと客が全くいない。
じゃー手続きもすぐに終わるだろうと思っていたら、店員も焦っていたのかヘタクソなのか、20分で終わる作業を2時間も掛けやがった。
その彼は、「今日は来ないかと思っていました、ありがとうございます」と言うが、オレもつまらない仁義を守ったばっかりに、後々さらにえらい目に遭うこととになってしまうのだが。
おかげで、外に止めた車は、同じように30cm以上も雪が積もり、吹雪いているせいで隅々まで雪がクルマに化粧してしまっていた。
なので、そこから長時間除雪して、家路に向かおうと思ったが、晩飯を買ってからと思い大型スーパーに立ち寄った。
当然大型スーパーの屋外駐車場も雪模様で、簡単にはクルマは止められない。
しかし、なんとか銀色の世界上ある駐車場に停めて店内に入る。
先ほどの大手電機店と同様、あの大人気のスーパーの店内がガランガランでレジに並ぶ人すら見えない状況。
勿論、数十台も並ぶレジスターに立つレジ係も3ゲートしか開けていなかった。
総菜コーナーや刺身コーナーは、午後7時すぎの段階で全品5割引き。
この日は冷凍食品も半額だったので、食品そのものの多くが半額でばらまいていた。
当然、買い手がいないので売れ残りまくり。
なので、オレもここぞとばかり、高級刺身を買いまくって家路を急ぐ。
ある程度覚悟はしていたが、道路は渋滞気味。
家に着く直前の高架越えでは、わずか300mの距離が1時間もかかる始末。
刺身がぬるくなりそうだったので、車内において醤油なしで刺身を食べちゃおうかと思った矢先、クルマが動いたので、駐車場へ向かう。
クルマ通りの多いところからちょっと入ったところに、オレの借りている駐車場があるのだが、シャコタンのオレのクルマでは高さがギリギリで、ハマる寸前になった。
しかし、その目前の駐車場入り口で立ち往生しているトラックに遭遇し、オレも止まったらあえなくスタックする。
そこから、20分かけて家まで帰り、スコップを持ち、20分かけて駐車場入り口までもどり、2時間の格闘の上、自力で脱出した。
脱出したはいいが、まだ積雪は続くので、安全な場所に車を止めたいのだが停める場所はない。
バス通りをウロウロと往復しているうちに、雪がクルマの腹を打ち、段々とヤバい状況になってきた。
「もうあかん」
申し訳ないが、バス停の端っコに停めてその日は家に帰って寝た。
翌朝、個人的に大事な約束があったが、もちろんクルマの置き場所問題が片付かないのでキャンセルする。
駐車場には、あと1週間は止められなさそうなので、ひとまず実家の前にクルマを止めることを決めた。
しかし、もちろん、実家の前とて大量の雪。
公式発表では、千葉だと32cm降ったことになっているが、実家のある街は軽く40cmを超えているので、除雪作業も半端なかった。
朝から始めて午後2時過ぎまで掛って、なんとか実家前に止めても迷惑のかからないようなスペースを作った。
そして、バス停近くに停めたクルマへ戻り、簡単な除雪後、実家へ向かう。
しかし、走り始めたところ、クルマのわだちを歩く人がいたので、ちょっとよけようとしたら、そのままスリップして縁石に激突。
クルマは横倒しになり、バスも通る車線を完全に塞いでしまった。
最後の最後で、こんな結末。
シャーベットになっているほうが、スタッドレスは弱いことを忘れていた。
そうはいっても一刻も早く脱出しようと、雪を手でかきだすが片方のタイヤが縁石に噛んでしまっていて、オレ一人では無理そうだった。
しかし、JAFを呼ぶわけにもいかないので無我夢中で雪をひたすらかきだしていたら、たまたま通りがかったGSのスタッフが数名を呼んできてくれてクルマを押してくれた。
見事脱出できたのはいいが、両方向で大渋滞させてしまっていたので、車上から大声で御礼を言って去ってしまった。
のちほどGSには菓子折を持って、御礼と感謝を伝えてきたものの、クルマを押した人の中には、一般の人もいたので全員に頭を下げられず、とにかくそれが心残りだ。
あのとき助けてくれた皆さん、本当にありがとうございました!!
当事者はだれも見ないであろうけど、ここで感謝を言わせて下さい。
感謝しかないです。
思えば、ワイヤレス端末を得るために興じた時間が、こういった事件を呼んだように思うが、誰も恨めない。
もちろん、あんな日に勉強しに行ったオレもついていないがね。
そういえば、タイトルにも書いた失ったものとはなにか、お気づきでしょうかね。
一番痛いのは大切な大切な、貴重な時間を失ったことだろうか。
土曜日に一日学んだことを復習する時間もあっただろうしね。
失ったのは土日という時間だけじゃない、明日も明後日も満足に移動できないから、これからの多くの時間も失うことだろう。
金銭的には高額刺身も食べずに捨てることになったし、立ち往生したタイミングを含む愛車の機器損料やガソリン代もそうだ。
くわえて、約束破棄で信用も失った。
オレを助けてくれた人たちへのお礼も満足にできない悔しさも残る。
そして右手の人差指~薬指のつめが全て半分モゲていた。
そう、日曜日にスタックした際、無我夢中だったため素手で雪をかきだした際、思いっきり負傷していたのだ。
サクサクの速度を得たPCのキーボードを叩く指が痛さ以上に痛い。
振り返ると本当に色々失ったんだな、千葉では観測史上最大級だったという大雪に。
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