フィリピン国際結婚・菜の花の主婦日記goo版

南国フィリピン便りー結婚しフィリピン在23年。22才長女、20才息子、9才末娘のお母さんである私の毎日ー

ちょっと納得出来ない台湾のサイエンスフェア

2012年02月15日 14時01分33秒 | フィリピンサイエンス高校(PSHS)
先日ブログで紹介した息子の心電図の器械作りのプロジェクトが学校代表で台湾サイエンスフェアに参加したんですね。学校代表で参加したグループは2つ。一つはエンジニア部門での息子のプロジェクトで、もう一つは数学部門でした。

学校が旅費など全部負担してくれるってことなんですが、参加出来るのは3人のグループメンバーで一人だけでした。去年の9月頃に学校から話しがあって、10月にはもう代表に選ばれるって決定してたと思います。学校も絶対にこのプロジェクトが成功するって確信してたんでしょうか。その辺からして変な学校です。



写真は全部ライアン君のフェイスブックから拝借しました。こんな感じで開幕したんですね。


で、グループメンバーはライアン君とチェロちゃんと言う女の子なのだけど、このメンバーが良かったんだか悪かったんだか、終わってみた今、私には全く分かりません。息子は凄く怒っていてライアン君とは口もききたくないって感じだし。




でもうちの息子(ブログ名:虎次郎)は賞をもらった時にライアン君の名前しか入ってないって多分知らないと思います。(ライアン君の苗字は消しました)

虎次郎はフェイスブックは殆ど見てない子なので。人の噂とか大嫌いっていつも言ってて、フェイスブックにも腹を立ててるんですよね。何で個人情報や自分の気持ちを書くんだって。

私はこのプロジェクトを息子が一人でやったって知ってるので絶対に納得出来ません。

後の2人は documentation という記録係をしただけ。だから息子の気持ちは全然分からないし共感も出来ないと思う。
私は息子がどんなに大変な思いをしてこのプロジェクトをしたか知ってるし、息子が自分の作ったサーキットボードに全然納得なんてしてなくてコンクールにこんな不完成品を出すのは恥だって言ってた気持ちもよく分かります。

だって努力しても、寝ないで作業しても誰も教えてくれないでやってて、それでも限界を見たんですよね。

最初にアンドロイドのスマートフォンにblue tooth を使って心電図の電波を送るプログラミングをしたのだけど、その時も何度やっても信号をスマートフォンに送れなかったんです。息子はプログラミングを何度も何度も見直して何かコードが間違ってるんじゃないかと調べるけど何もおかしいところはないみたい、でも動かないと。

その時に助けてくれたのは主人の友達でアテネオ大学で先生をしていて自分でもソフトの開発の会社を持ってる人。スマートフォンやblue tooth のプログラミングに役立ちそうな資料を沢山ネットを通して息子に送ってくれたんです。もちろん無償の手助けです。それを見て息子は何とか信号を発信させ携帯で受け取れるように出来ました。

そして次のサーキット作りは本当はライアン君とチェロちゃんの担当だったけど、何故か2人とも凄く消極的で、ライアン君は特に口がうまい子なので、段々息子の担当みたいに私にもチェロちゃんにも思わせて、ライアン君自身も自分で言ってるうちにそう思い込んだのか知らないけど、とにかく実際の制作には一切関わらず、でも書類制作が大変だとか、寝ないでやってるとかそういう文句はしっかり言ってた。

そして1月の1週目だか2週目、締め切り間近。今度はサーキットボードが起動しないハプニングが。このsoldering という作業。実際に初めてやってる虎次郎が簡単に出来る作業ではありません。ハンダゴテで鉄を溶かして付けて行くのだけど、付き方が悪いと取れてしまって電気が伝わらないし、小さい部品を反対につけると反対に電気が流れてしまうし、床に触れただけでも、車で移動中でも外れることがあるそうなんです。もう寝ないでこの作業ばかりしてた虎次郎、彼は人に助けを求めるのが苦手。何でも自分で調べて、ネットの動画サイトでやり方を実際に見たり、何処かの技術系サイトでテクニックを調べて自分でやってたのだけど、最後の最後、もう何をしても電気がちゃんと伝わらない、壁にぶつかったのです。

それで私が今回の卒論のアイデアをくれたフィリピン大学の博士号を勉強中のロイ先生に電話し、彼が弟でフィリピン大学でElectric and Communication engineering学科 3年生を連れて来てくれたんですよね。彼と虎次郎で午前1時までやって、うちの息子は電気のテスターという器械をもってなかったのだけど、彼はそれも持って来てくれて、取り付けた部品を全部一つずつ確認していきました。

最後には出来なかったら最初から作り直しとも言ってて、もう締め切りまで2日しかないのに、と私はドキドキしてたんです。でもやっと終わって、何とか起動させることが出来ました。だからはっきり言って虎次郎はこの制作そのものに誇りを持ってるとかそういう気持ちはないみたいです。むしろ自分の至らなさを感じて嫌な思いすら持ってると思う。

そしてライアン君の口癖はフィリピン語で「出来るよ~」「がんばれ~」「kaya yang」って自分の能力の範囲内だよ~みたいな意味だけど、何もせずに口だけ応援。そしてやってなさそうだと電話や携帯メールでやってますか、やらせて下さい、締め切りですよ~。これライアン君の得意技。

資料や書類作成だってそんなに簡単ではないし、記録の仕方は特別なものがあるから、だから別に終わったことだし、私はこのことでもう何も言いたくないけど、でも何でライアン君が代表で台湾のサイエンスフェアに参加すると彼の名前だけが賞を取ったことになっているのでしょう。

学校がエントリーする時にライアン君の名前だけを出したってことですよね?
それっておかしくないですか?

これって個人でしか参加出来ないんでしょうか。それなら参加しない方が良いのに。




トロフィーには彼の名前は書いてないのかな。裏に書いてあるのか知りませんが。
賞金は3200ペソちょっとだったそうなんです。それでライアン君がチェロちゃんと虎次郎に1000ペソずつあげますね、だって。

なんか彼、変じゃないですか。いかにも自分が賞取ったけど一応メンバーだから分け前をあげましょうって感じ。

でもこのプロジェクトの全ての費用はうちの主人が払ったんですよ。特に心電図の身体につける部分のパッチは使い捨てと吸盤と両方買ったけどそれだけだって3000ペソ(6千円)くらい使ってるし、スマートフォンだって主人が買ったわけです。本来なら賞金の3200ペソちょっとを全部頂いても足りないくらい。





ライアン君と一緒に写ってる女性、誰でしょう。これが指導教官ってこと?
上の写真の「指導老師」の後に書いてある「Ana Lloren」って人?

指導教官って居なかったんですけどね。一番手伝ってくれたのはフィリピン大学で博士号を取ってるロイ先生。

学校の先生で一番手伝ってくれたのは男性の先生でコンピューターエンジニアの人。手伝ってってほどは手伝ってないけど、一応その先生が一番やってることを理解してたと思います。でも教科の担当の先生はケミカルエンジニア(化学エンジニア)の専門だったのでそれこそ何をしてるか分かってなかったと思います。


そして書類作成が大変だ、大変だと文句ばっかり言ってたライアン君だけど、何か書類のことで聞くと彼は曖昧な返事ばかり。何日も経ってからまた聞くと「チェロちゃんのパソコンに入ってるから」って返事が何度かあったんですよね。だから彼は技術面は虎次郎にやらせ、書類麺はチェロちゃんにやらせて自分は指示だけしてたのかなと疑ってる私です。

そして今でもロイ先生は書類が全部終わったら一冊僕にもって言ってるんだけど、ライアン君に先週賞金のことで電話を貰った時に聞いたら

「え~そんなの wala (ない)ですよ。書類なんてまとめて出すだけで綴じたり必要ないですから。」って。

でも前に話した時に記念になるから皆で1冊ずつコピーして持ってようねって話して、ロイ先生も欲しいって言ってたのに。虎次郎の作ったプログラミングのデータも、心電図のサーキットの設計図も特許を取れるような内容が全部入った書類なんです。

とにかく何かをライアン君に頼んでも全然こちらに来ない。レシートも彼が全部貰いますって言ったけど、全部提出すると金額が大きくなって先生に叱られるから他のは隠しますとか言ってたし、結局トータルでいくらなの?って聞いてもいつも言葉を濁して

「え~ノートみないと分かりません」とか言う。

ライアン君が全然信用出来ない気になっている私。

残念だけど今のライアン君はフィリピン人特有の性格が顕著に出てる。
「言いわけが多い」「見栄っ張り」「成績の点数を気にして高得点を狙う」「自分が損になる情報は絶対に漏らさない」「直接聞いても絶対に笑って誤摩化したりして言わない」「ストレートに何か言うと”どうせ僕は役立たずです”とか言って大げさに騒いで結局私が悪者になり周りの同情をかうことに成功する」

私にしてみればライアン君の落ち度なのに最後には何で私が謝るような状況になるのか理解出来ないです。

虎次郎もライアン君が文句ばかり言ってるとむかっとしてたけど、ほんと、自分は大変、大変ってアプローチが上手い。

実はメイドさんに来る人でそういう人が多いんですよね。こういうのって周りを見て学ぶんでしょうね。一時、メイドが私は洗濯だけで疲れますとか、アイロンしたらヘトヘトとか言って私は一人ひとり別の仕事を与えて6人雇ってたこともあるんです。考えたら一人でもやれる仕事なのに。こういうパフォーマンスが上手いんですよね。ライアン君も何処かでそれを見て学んだんでしょうね。だって家の子は長女でも虎次郎でもそういうことしません。したって私は許さない、何で言いわけしてるの、やることしてから何か言いなさいって言うし。

ライアン君、成績はクラスで一番なんですけどね。ライアン君に言わせれば数学と物理のテストでは虎次郎にはかなわないと言うけど、成績はプロジェクトなど色々な提出物も含めてなので、こうなるとライアン君は存分の力を発揮するみたいです。と言うかライアン君ってゲームもしないし、ネットでも遊ばないし、教科書をもらったら端から端まで読む子です。小説とかも好きで友達に借りたりして休暇になると読みあさる子。読書(特にフィクション)が大嫌いな虎次郎とは当然差がついちゃいますね。

そして、ライアン君はフィリピン大学の入試でも上位100人の中に入ったので大学から奨学金がもらえるんです。入試はフィリピン語も多く含まれるのでライアン君のような地方出身でタガログ語が上手な子はさらに有利になっている入試。うちの虎次郎はフィリピン語は殆ど出来ないで受験勉強はしなかったけどフィリピン語の単語はいくつか辞書で引いたりしてました。でも間際になって指で数えるほどだけ辞書で引いても意味ないかな~と思って見てたんですが。






そんな中、今日、フィリピン大学から届いた手紙。

73400人の受験者の中から合格した12900人の合格者(フィリピン大学ディリマン校)の上位10%に入りましたというお知らせ。
なんだか嬉しくなりました。

全く勉強しないで受験したから本人はあまり嬉しいと思ってないと思うけど。

息子も今回のリサーチプロジェクトは賞を取っても自分ではこんな作品恥ずかしいと思ってて、ライアン君は見栄っ張りでそういう見せる部分ばかりに熱心で開発には全く協力してくれないので、そしてチェロちゃんはライアン君のアシスタントで陰に隠れてたし、だから虎次郎は怒ってるけど、大学ではもっと良い友達に出会えて、プロジェクトも本当に協力しあえる人と組めると良いなと思います。

むしろ日本人からしたら虎次郎の感覚の方が普通かなと思いますしね。つまり「こんな製品恥ずかしい」って感覚。

チェロちゃんは医者になりたいって生物学科に合格しました。彼女は大人しい穏やかな性格です。ライアン君ばかりが間に入って一人でしきってたので(彼ってちょっとスティーブ・ジョブス氏みたい?)私はチェロちゃんと知り合う機会は全くなかったのがちょっと残念でした。虎次郎もチェロちゃんは何してたか全然知らないって。

でも殆どのデータはチェロちゃんのパソコンに入ってるんですよね。
ライアン君はシヴィル・エンジニアに合格したので虎次郎とはたまに顔を合わせるのかも。でも同じ学科じゃなくて良かったです。

今回、このグループを組んだのはライアン君が私と虎次郎君と組ませて欲しい、その代わり資金援助して下さいって言ったからなんです。だから私は息子に悪い事をしたなと今は思います。