27日に第2次小泉内閣改造と自民党3役人事が発表になった。株価には目立った動きはなかったようで、今までの小泉内閣の路線がそのまま踏襲されると株式市場は判断したことになる。世間では、Livedoorと楽天の対決の方や、イチローの世界記録の方に目がいっているのではないかと、思われるほど静かな反応だったと思う。私も、ああ、小泉さんらしいなという感想だ。
小泉内閣は、2001年の4月に発足したわけであるが、それ以来、3年半になる。内閣支持率80%という高支持率でスタートしたが、27日夜から28日夜にかけて実施された朝日新聞の全国緊急世論調査によると小泉内閣の支持率は45%まで落ちているという。但し、これは8月末の世論調査より、6%上昇し、不支持率も35%と8%下がり、4ヶ月ぶりで支持が不支持を上回ったという。これは、しかし、驚くべきことだと思う。小泉政権が発足したとき、誰がこんな長期政権が続くと思っただろうか。
国会での発言の仕方や、内閣改造の仕方は、今までの自民党のやり方と全く異なり、派閥や自民党、さらには野党に対してよりも、国民の方に向けて話をするという姿勢があった。だから、小泉総理大臣のこれまでの政治判断については、特に、イラク問題やテロに対する判断などには賛成できない面があるが、彼の政治姿勢には好感を持ったきた。知り合いの政治記者などからは、事前の根回しなどがないのでやりにくいと聞いていたが、それはとてもいいことだと思っていた。戦後の、自民党と社会党で作ってきたような政党政治の流れが、大きく変わり、総理大臣のリーダーシップが大きな力を持つようになったのは、小泉さんの力による。どちらかというと政治家としては一匹狼的なところのあった小泉さんだからできたことかもしれない。
小泉さんの政治スタイルをそれなりに評価してきたが、しかし、現実の改革は、そんなにうまくいっているようには思えない。銀行の不良債権処理の加速はついたかも知れないが、リストラもあり、経済が多少上向きになったのは、政府の政策のおかげというより、民間の力のだ。一番大きな失敗は、年金問題だと思う。これは、民主党も絡んでいて、複雑だが、国民に不審を抱かせたままになっている。また、政治的判断の誤りは、多分、ニューヨークテロ事件を初めとする、アフガニスタン・イラク問題でアメリカの主張と行動を盲目的に容認してしまい、独自の判断と独自の行動がとれなかったことだと思う。この点では、引退した野中広務さんや元自由党で今民主党の小沢一郎さんのほうが優れていたと思う。
おそらく、小泉さんの経済的政治的判断の理論的支柱は、竹中さんに理論にあるのだろうと思う。流れとしては、中曽根内閣時代からの「自由化・規制の撤廃」と「小さな政府」というのが、いわゆる「改革」の方向だったと思う。しかし、いつの間にか、国の財政赤字はすさまじいものになっているし、今の若い人は年金などもうあてにできないのではないかと諦めようとしている。こうした不安が、不支持や選挙のときの民主党支持を作っているような気がする。
小泉内閣は、不思議な内閣だ。多分、小泉さんの総体的に自民党から独立し孤立無援になっているように見えるような姿が、人々の不安と同情を集めているのではないか。つまり、私のように心情的に小泉さんに好意をもち、現実的にはもっと斬新な変革を求めて小泉さんを批判し、場合によっては他の政党の指示をしたりするのだ。だから、小泉内閣たたきが始まると、心情的な同情が集まり、いつの間にか、危機を乗り切っているのだ。「北朝鮮問題」がそうだったし、イラクの日本人拉致事件のときがそうだった。それにしても、わかりにくい内閣だと思う。何ができたら「改革実現内閣」になれるのだろうか?「郵政民営化」がいちばんわかりやすいかもしれないが、差し当たりヤマト運輸の提訴の動向を見守りたい。
小泉内閣は、2001年の4月に発足したわけであるが、それ以来、3年半になる。内閣支持率80%という高支持率でスタートしたが、27日夜から28日夜にかけて実施された朝日新聞の全国緊急世論調査によると小泉内閣の支持率は45%まで落ちているという。但し、これは8月末の世論調査より、6%上昇し、不支持率も35%と8%下がり、4ヶ月ぶりで支持が不支持を上回ったという。これは、しかし、驚くべきことだと思う。小泉政権が発足したとき、誰がこんな長期政権が続くと思っただろうか。
国会での発言の仕方や、内閣改造の仕方は、今までの自民党のやり方と全く異なり、派閥や自民党、さらには野党に対してよりも、国民の方に向けて話をするという姿勢があった。だから、小泉総理大臣のこれまでの政治判断については、特に、イラク問題やテロに対する判断などには賛成できない面があるが、彼の政治姿勢には好感を持ったきた。知り合いの政治記者などからは、事前の根回しなどがないのでやりにくいと聞いていたが、それはとてもいいことだと思っていた。戦後の、自民党と社会党で作ってきたような政党政治の流れが、大きく変わり、総理大臣のリーダーシップが大きな力を持つようになったのは、小泉さんの力による。どちらかというと政治家としては一匹狼的なところのあった小泉さんだからできたことかもしれない。
小泉さんの政治スタイルをそれなりに評価してきたが、しかし、現実の改革は、そんなにうまくいっているようには思えない。銀行の不良債権処理の加速はついたかも知れないが、リストラもあり、経済が多少上向きになったのは、政府の政策のおかげというより、民間の力のだ。一番大きな失敗は、年金問題だと思う。これは、民主党も絡んでいて、複雑だが、国民に不審を抱かせたままになっている。また、政治的判断の誤りは、多分、ニューヨークテロ事件を初めとする、アフガニスタン・イラク問題でアメリカの主張と行動を盲目的に容認してしまい、独自の判断と独自の行動がとれなかったことだと思う。この点では、引退した野中広務さんや元自由党で今民主党の小沢一郎さんのほうが優れていたと思う。
おそらく、小泉さんの経済的政治的判断の理論的支柱は、竹中さんに理論にあるのだろうと思う。流れとしては、中曽根内閣時代からの「自由化・規制の撤廃」と「小さな政府」というのが、いわゆる「改革」の方向だったと思う。しかし、いつの間にか、国の財政赤字はすさまじいものになっているし、今の若い人は年金などもうあてにできないのではないかと諦めようとしている。こうした不安が、不支持や選挙のときの民主党支持を作っているような気がする。
小泉内閣は、不思議な内閣だ。多分、小泉さんの総体的に自民党から独立し孤立無援になっているように見えるような姿が、人々の不安と同情を集めているのではないか。つまり、私のように心情的に小泉さんに好意をもち、現実的にはもっと斬新な変革を求めて小泉さんを批判し、場合によっては他の政党の指示をしたりするのだ。だから、小泉内閣たたきが始まると、心情的な同情が集まり、いつの間にか、危機を乗り切っているのだ。「北朝鮮問題」がそうだったし、イラクの日本人拉致事件のときがそうだった。それにしても、わかりにくい内閣だと思う。何ができたら「改革実現内閣」になれるのだろうか?「郵政民営化」がいちばんわかりやすいかもしれないが、差し当たりヤマト運輸の提訴の動向を見守りたい。