今日は少し前から温めていた自宅庭ネタで・・・
建売のわが家の庭に初めから植えられていたカクレミノ(ウコギ科カクレミノ属)。
元々は東北南部以南の海岸沿いに普通に生えている常緑樹で、育てやすいので庭木によく使われるそうです。
雌雄同株で、両性花と雄花が同じ木に咲くそうです。
わが家でも樹齢25年近くになり、ますます元気に枝を伸ばしているのですが、今の時期ちょっと困ったことが。
こちらは7月中旬に庭で撮った写真ですが、ぷっくり膨らんだ実の上に花が咲いています。
緑の花弁と雄しべはいずれも5枚。
両性花ではこのように子房が膨らんだ状態で、雄しべが熟してくるようです。
残念ながら雌蕊はよくわからず・・・
(2020/7/17)
散型花序に花が満開!
(2020/7/17)
上の写真で後ろにちらっと見えている花序、明らかに花が咲いているものとは違います。
これが噂の雄花でしょうか。
(2020/7/17)
さて、困ったことというのはこのカクレミノの花、地味なのに蜂にとっては魅力たっぷりなようで・・・
スズメバチ、アシナガバチ、ニホンミツバチを始め、アオドウガネなどの甲虫類もわんさか来訪。
襲ってくることはないと思いますが、気持ちのいいものではありません。
そのうち、花は枯れ、蜂も少なくなりました。
やれやれと思ったのもつかの間、7月末頃になるとまた沢山の招かれざる客が・・
え~と思って見に行くと、両性花はすっかり実になり、先端に花柱を残すのみ。
ところが、噂の雄花には・・・
(2020/7/30)
花が咲き始めていました。子房がないだけで、花の感じは両性花と一緒。
(2020/7/30)
カメラがとらえた来訪者!! キイロスズメバチ。
(2020/7/30)
アシナガバチ。今はアシナガが主流です。
(2020/8/9)
この黒いハチは誰でしょう?
(2020/8/9)
ミツバチは動きがすばしこすぎて写真は無理でした。
剪定に来てくださった植木屋さんのお話では、花の香りにひかれてやってくるそうです。
巣はないので、めったなことで人を刺すことはないとのこと。
少し安心・・・
ところで、カクレミノといえば葉の形が変化することでも有名です。
最初は3~5裂した葉がつき、神事での器代わりにも使われるそうですが・・・
(2020/8/9)
そのうち、卵型の全縁になってしまいます。
全体像はこんな感じです。
(2020/8/9)
さて、実は長い時間をかけて熟し、最後は真っ黒になって落ちます。
これは3年前に自宅で11月に撮った実の様子。
ごつい花柱の後がいつまでも残っています。
(2017/11 自宅)
とても一般的な木ですが、樹液でかぶれる人もいるようなので注意が必要ですね。
こちらは一昨年行った志摩の海岸で見かけたカクレミノ。
このように黄葉して少しずつ葉が入れ替わります。
(2018/12 志摩)
ラストは京都府立植物園のカクレミノ。
のびのび育つとこんなに高木になるのですね。久しぶりに見上げてみました!
(2019/1 京都府立植物園)