遠くから見るとヤナギバルイラソウばかりのように見えますが、すぐ横を歩くとそうでもありません。
そうでもないか。こちらは上からでも見えていました。
フヨウの花が咲いています。
中国原産で、夏から秋にかけて沢山の一日花が咲きます。
庭木として植えられるのですが、最近野生化したものもよく見かけます。
まあ、こちらも外来種、正確には逸出植物ですね。
こちらのオオボウシバナを小型に、マルバツユクサを大型にしたようなツユクサ。
前にもご紹介したシュッコンツユクサです。
普通のツユクサが一年草なのに対し、地中部が残る宿根草のツユクサです。
こちらも熱帯アメリカ原産で、山科川では沢山広がっています。
顔は可愛いですが、その繁殖力はいずれ脅威になるかもです。
在来種も頑張っています。お隣には普通のツユクサも咲いていましたよ~
こちらは涼しくなってからあちこちで大群生です。
上流で初夏にびっしり咲いていたこちらの花は名残花でしょうか。
セイヨウミヤコグサです。
通常、8輪くらい花が輪生するのですが、見たのは4輪。
水に張り出すように咲いていたのはタデ科のこちらの花。
ヤナギタデです。
葉を齧ってみたら辛かったので間違いないです。
近くに咲いていた、こちらもタデ科。
シロバナオオイヌタデですね。
これらは在来種です。全部が外来種というわけではないようです。
土手に横たわって咲いていた花、最初見たときネコハギかと思ったのですが・・・
よく見ると、斜めに倒れたメドハギでした。
確かに花の色合いはネコハギとちょっと似ています。
そして、宇治川本流ではめっきり少なくなったこちらの花が、今年も!
ノゲイトウですね。
もう何度も何度も投稿し、自分の庭の花も載せ続けているこちらのお花。
珍しくはないですが、健気に毎年咲く姿に毎度感動します。
濃い赤もありますが、地元で咲くのは淡いピンク。
1本に沢山の花を付け、ドライフラワーにもなる優れものです。
ノゲイトウの写真を撮っている間に、合流地点まで来ました。
いつもはこの先まで行って階段を上るのですが、あいにく前日の雨で流れ込む水路に水が・・・
スニーカーでじゃぶじゃぶ歩くわけにもいかず、ここでUターン。
残念!
でも、行きと帰りの見る目が変わるのか、コシロノセンダングサの花を発見!
しかも、花にはヤマトシジミが止まって吸蜜していました。
水に映る青空が綺麗・・・
小さいチョウがちょろちょろしています。
クズの葉には・・・
ウラナミシジミが2頭。至近距離です。
他にも・・・
仲良く2頭で吸蜜中のイチモンジセセリちゃんです。目が大きくて可愛いです。
それにしても、小さいチョウが多いです。
対岸に咲いていたのは、
ノコンギクでしょうか。
目を水面に向けると、
ハグロチョウです。
いや~山科川の下流、見どころいっぱいですね!
この2日後、京阪電車桃山南口から上流方向に山科川を歩きました。
その様子は明日・・・
【撮影:2024/10/5 京都市伏見区】
久しぶりに山科川下流にお出かけしました。
いっても、電車を使えば20分くらいです。
急ぎ足で右岸堤防上の歩道を下流方向に歩いていくと・・・
土手に赤く見えているのはヒガンバナ。
そして、見たかったあの花は・・・咲いていましたよ!
前日の雨で少し草がなぎ倒されていましたが、堤防上の道から沢山の花が見えました。
ヤナギバルイラソウ(キツネノマゴ科ルイラソウ属)です。
急ぎ足で、川辺に下りる階段まで移動し、下におりました。
びっしり咲いています。
それにしても、初めてここでヤナギバルイラソウを見たのは9月中旬でした。
咲くタイミングがそれより20日以上遅くなっている感じです。
マイアルバムを確認したら去年も10月初めに咲いていました。
そして、去年も今年同様酷暑でした。
ということは、やはり温暖化のせいなんでしょう。
このヤナギバルイラソウ(別名ムラサキイセハナビ、ヤナギバスズムシソウ)。
普通にお庭で育てられていたのですが、徐々に逃げ出し、今はすっかり野生化しています。
南米、メキシコ原産とのことですから、今の温暖化で日本は住みよい場所になったのでしょうね。
それにしても繁殖力が強すぎて、場所によっては駆除対象にもなっているとか。
外来種デパートの山科川は安住の地になるのでしょうか。
ムラサキルエリアにも似ていますが、ヤナギバルイラソウはその名の通り葉が細いです。
これだけ増える秘密はその種にあります。
細長い莢のような種が弾けて、四方に種を飛び散らせるのです。
しかも、ここは川ですから、いずれ流域に広がることは間違いないでしょう・・・
同じく熱帯アメリカ原産のマメアサガオ、仲良く一緒に咲いていました。
そしてこちらも・・・
ちょうどヒガンバナも満開でした。
最初にヤナギバルイラソウを見たのは9月中旬だったのでヒガンバナとは時期が違いました。
それが、お互い咲く時期がずれたので、一緒に見られたというわけです。
そしてもう一種類咲いていたのは・・・
タマスダレです。
こちらもビックリするくらいに増えています。
異常気象の勝ち組、負け組でいくと、完全に勝ち組ですね。
期待していた花がみられたのでスッキリしました。
この3種類以外にも、結構花が咲いていました。
明日はそんな花たちを載せますね。
【撮影:2024/10/5 京都市伏見区】
最初にクイズです。
この花は何でしょう?
ちょっと花が小さいので、トリミングしてみました。
マメ科の特徴的な花のつくり、旗弁、翼弁、竜骨弁(舟弁)がよく分かります。
白に紫色の斑があるのは、蜜標でしょう。
そして、三出複葉の葉や茎にはもじゃもじゃの柔らかそうな毛が生えています。
こちらは、ネコハギ(マメ科ハギ属)です。
全体に毛が生えていることからネコに例えられたようです。
ところで、ネコがあれば、イヌもあるのでは・・・と思うのは自然。
前からイヌハギという植物の存在は知っていたのですが、見たことはありませんでした。
ところが、今回たまたまネットでネコハギと並べて比較した写真をみてハッと思い出しました。
こちらをご覧ください。
先日京都府立植物園に行ったときに何気なく撮った写真。
名前が分からないので、投稿していませんでした。
でもこれってもしかしてイヌハギかも。
河原や海岸の草地に生えるそうですが、京都では絶滅寸前種なんだそうです。
海岸の植物ゾーンで咲いていたので、間違いないような気がします。
それにしても、名前の由来は例によって「ハギより綺麗じゃないのでイヌハギ」だとか。
本当に昔の人の命名センスはいかがなものかと・・・花にも犬にも失礼すぎます。
こちらがわち山野草の森に咲いていた「ハギ」ですね。
このハギに比べても、猫、犬ともに遜色ないと感じるのは私だけ?
はい、今日はここまで・・・ではあんまりなので、他に見られた花を順々に載せていきますね。
今の時期、植物園などではごく一般的にみられる花ばかりなので、クイズ形式で・・・
もういい加減お腹いっぱいかもですが、カリガネソウが咲いていました。
ピンクの花も・・・何度見ても可愛いので、写真を撮ってしまいます。
でももう、大半が実になっていました。
次は木の実です。
入園するときにもらった「今見られる花」にも載っていたこちら。
アップで見ると・・・
青いバナナのような実は、カンレンボク(ミズキ科カンレンボク属)ですね。
それにしても、こちらがイチオシと書かざるを得ないほど、植物が少なかったとは・・・
そういえば、入るときにすまなさそうに「今は花が少ないです」とおっしゃっていました。
続いてこちらは・・・
もう草ぼうぼうにしかみえませんね。ご近所散歩の光景とほとんど変わりません。
でもって中央の白い花は・・・
こちらもヒヨドリバナのようでした。こちらは無蝶。
下を見ると・・・
タヌキモが咲いていました。こちら、本当に花期が長いですね。
花期が長いといえばこちらも・・・
トチカガミです。
透明感のある白い花弁が結構好みかも。
その時、ひらひらとチョウが飛んできて、近くの柵に止まりました。
出てきてくれてありがとう~
アカタテハですね。
あとは・・・
アキノタムラソウに
スズムシバナが少し。
そして、この子は誰?
チョウではなくてガでしたが、なかなかオシャレな配色ですね。
ホタルガです。
ということで、今回のわち山野草の森はこんなところでした。
人が全然いないと書きましたが、皆さんよくご存じなのですね・・・
帰りには、沢山歩いた自分へのご褒美に、道の駅「和」で、和栗のモンブランソフトを頂きました!
まるでネナシカズラの茎のように細いモンブランが美味しかったですよ~^^
【撮影:2024/9/28 わち山野草の森】
石田家住宅に寄ったあと、府道12号線、国道27号線を経由し、わち山野草の森へ。
毎度おなじみの場所なのですが、自分の過去投稿を確認してみると9月は一度も行ってないようです。
ちょびっとだけ期待して向かったわけなのですが、その成果は・・・非常に微妙。
一度に出し切ってしまうことも考えましたが、折角なので2回にわけてゆるゆる載せていきますね。
わち山野草の森の有料ゾーンに入ると、まず「ハーブ園」があります。
(ハーブというより、野菜やヒョウタンなども植えられているのですが・・・)
今回見つけたのはこちらです。
なんと、白いツユクサが沢山さいているではないですか!
たまたまなのか、植えたのか・・
でも喜んだのもつかの間、あとはハナシュクシャの終わりかけの花がぽつぽつあるだけ。
ここはあきらめ、先に進みます。
春には桜が沢山咲いて綺麗な園路です。
秋に期待できる花はというと・・・ふむふむ、少しだけ咲いていますね!
シモバシラがほんの少しだけ咲いていました。
タイワンホトトギスでしょうか。ぽつぽつですが、咲き始めていました!
そして、期待していたあの花は・・・
ほとんど蕾でしたが、一輪だけ咲いてくれていました~
アケボノソウです!!やっぱり可愛いですね。
さらに九十九折れの坂道園路を進むと、ススキの群れの根元に名残のナンバンギセル発見。
斜面がきつく、これが限界・・・
このあとモミジのトンネルをくぐり、しょうぶ池方向に行きました。
その辺の様子は明日にしますね。
そして、さらに園内奥の方へ。
かやぶきの里にはツリフネソウが一輪しかありませんでしたが、ここには沢山あるはず。
ありました!
でもなかなかいいモデルさんがいなくて・・・
まあ、自然に咲いているという意味ではこんな感じなのかもです。
近くに咲いていたヒヨドリバナに来たチョウをパチリ。
なんだか冴えませんね。
そうこうするうちに、突き当りまで。
ちょっと疲れてきたので、少し休んだあとUターンです。
ぼーっと歩いていると、なんだか鳥の声がそこここから聞こえてきました。
ちょうど、シジュウカラやメジロの群れが、木から木へと移動しているようでした。
がぜん元気が復活して何とか撮ろうと頑張ったのですが、素早すぎて全然ダメ。
その時、目の前の柵に一羽の鳥が止まりました。
ひょっとしてあれは・・間違いありません、エゾビタキです!
ところが、慌てすぎてピントが合わずあわあわしているうちに、飛び立ってしまいました。
目で追うと、はるかかなたのホオノキのてっぺんに止まったではありませんか。
ダメもとでパチリ。
小さっ!
トリミングしてみると、エゾビタキに間違いなさそうです。
今だけ見られる鳥なので、少しだけでも見られて満足です。
ということで、この後はさらにゆるゆると坂道を下りて戻りました。
途中で、迷い咲きのサクラを発見。
白っぽいサクラなのですが、秋咲きはピンクがかって可愛いです。
ということで、この日のスケジュールはこれにて終了~
ちょっと疲れた~
今回も、園内を独り占めしました!
明日は今日載せなかった花をご紹介しますね~
【撮影:2024/9/28 わち山野草の森】
美山かやぶきの里を出たのはまだ正午前、せっかくなのでわち山野草の森に寄って帰ることにしました。
その途中で見かけた「日本最古の農家 石田家住宅」の看板。
ついふらふらとそちらに曲がって、すれ違いのできない狭い道を行くこと数分。
そこにその住宅はありました。
もうちょっと全体をちゃんと写せって感じですよね。帰ってから気づきました。
で、入り口に貼られた間取りを確認しながら中を見学します。
「にわ」と書かれた土間がこちら。
土間から靴を脱いで中に入ります。
ここが「だいどころ」です。
囲炉裏が切ってありますね。
畳敷きの座敷が「おもて」です。
間取り図では板間になっていましたが、横の「しもんで」も畳敷きでした。
それにしても暗いです。外の明るさとのコントラストがきつく、写真が真っ暗・・・
家の中を一通り見て外に出ると、ガイドの方?が近寄ってきて説明してくださいました。
この石田家住宅は、「日本最古の農家」ということで重要文化財に指定されています。
「美山ナビ」に以下の説明がありましたので、そのまま引用しますね。
(ガイドさんの説明もほぼこの内容でした)
"昭和42年の府の民家調査の際、慶安5年(1652年)の祈祷札が発見され、その後、昭和48年に解体修理が行われ、創建当初の姿に復元されました。その時、桁の継手に墨書により「慶安三年三月十一日」の明記されているのが見つかり、日本で最も古い遺構として貴重な家と評価されました。”
ということで、建築年のエビデンスのある現存する最古の農家なんだそうです。
その継手の場所がこちら。
江戸時代の初期である1650年の姿がそのまま残っているのかと思ったら、さすがに違いました。
昔のままのところと、補修したところが混在し、見たら分かるそうです。
畳敷きになっていた「おもて」を外から見るとこんな感じで、ここだけ障子がありました。
それにしても、昔は木製の戸を閉めたら、中は漆黒の闇になったでしょうね。
夜は寝るしかないというのがよく分かりました。
植物好きのなつみかんとしては、一番印象に残ったのがやはりこの屋根です。
ぱっと見に、少し色が違う層になっているのが見てとれると思います。
こちらは裏手に回って写した写真です。
手前にはナンテンがあったので、こちらが鬼門なのかもです。
で、三層の屋根の謎ですが、ガイドさんの説明を伺ってよく分かりました。
一番外側が茅(ススキなど)、真ん中が藁、一番内側は丈夫な麻幹になっているそうです。
よく出来ていますね~
かやぶき屋根は、中に人が住んでいるときには50年くらいもったそうです。
それはかまどの煙でいぶされ、乾燥したからなんだとか。
それが今では湿気てしまって、10~20年くらいで葺き替えないといけないらしいです。
維持するのは本当に大変ですね。
ということで、築400年近い農家、感心することばかりでした。
その後、途中で見かけた神社に立ち寄り。
なんだか由緒ありげな、ちょっとこわいような村の神社の風情にドキドキ。
拝殿の奥に本殿があり、「大原大明神」の額。
神社のご由緒が書かれた看板などはありません。
この辺りの氏神さんなのでしょうか。来た道とは別の道から帰路につくと
大原神社という石碑がありました。
後で「美山ナビ」で調べてみたら、
“大原神社は飛鳥時代、五穀豊穣、安産の神 伊邪那美命(いざなみのみこと)を祀るために建てられた丹波六社の一つです。春秋には例祭があり、春の大祭(4月20日ごろ)には「お砂」を受けて苗代にまく風習があります。”
とのこと。とても古いご由緒のある神社でした。
この後は、いつものわち山野草の森に行きましたが、その様子はまた明日・・・
【撮影:2024/9/23 】