
▲ここはレプリカ作品展示室で撮影OKでした
また、松坂屋美術館の招待券をいただいたので
久しぶりにアルフォンス・ミュシャ展を観てきました。
ミュシャは僕が二十歳頃出会った好きな画家(イラストレーター)で、
画集を買ったり展覧会に行ったり、
挙句はポスターを丸々模写したこともありました。
ただ前に展覧会を観たのがあまりにも昔で、
何時、どんな作品を観たのかもうすっかり記憶になく、
また初めて観る感覚での鑑賞になりました。
とは言っても、ミュシャの作品自体は北斎や広重並みに
生活のあちこちに溶け込んでいますから、
それほどフレッシュと言う訳ではありませんが…(笑)

作品はミュシャが青年時代の水彩画やスケッチ画から
パリ時代の膨大な量の挿絵・ポスター(多くはリトグラフ)が中心で
晩年の作品では素描に混じって珍しい油絵もありました。
量的にもチマル・コレクションを中心に
160点余の作品数で十分の見応えがありました。
ミュシャは画家と言っても1890年頃のイラストレーター&
デザイナー時代がいちばん華やかで、
同時代に活躍した装飾画家のクリムトとはまた違った
身近な魅力を感じます。
商業画家でも世界中で永遠に愛され続ける
ミュシャは改めて凄いと思います!!
というか、こんな合理主義の時代に生活していると
産業革命を経て近代化が始まっていたヨーロッパで、
時代に逆行するようなアール・ヌーヴォーという
(生産性・合理性をかなり無視した)
デザインと芸術の潮流があったこと自体が驚きですね!
反動として生まれたアール・デコも嫌いじゃないですが、
ガラス工芸(エミール・ガレ/ルネ・ラリック他)から
建築(アントニオ・ガウディ他)まで巻き込んだ
アール・ヌーヴォーの時代に感服です。