英国 アマゾンスト拡大
従業員の組合加入広がる
【ベルリン=吉本博美】英国で、米オンライン通販最大手アマゾンの従業員によるストライキが広がっています。
イングランド中部コベントリーのアマゾン配送センターでは、1月25日に最低賃金の引き上げや労働条件の改善、会社による組合の承認を求めて英アマゾンで初めてのストライキを実施。これまでに計22日間のストライキを行いました。
17日には、イングランド中部ルージリーの配送センターで、組合員投票の結果、賛成多数でスト実施を決定しました。
ストを組織しているのは、さまざまな業種の公共部門や民間企業の正規、非正規職員50万人以上を組織するGMBユニオン。世界中で組合敵視の経営姿勢をとるアマゾンで、従業員の組織化を続けてきました。
ルージリーでのスト実施の決定について、GMBの上級組織者スチュアート・リチャーズ氏は、「従業員を人間として扱うようアマゾン社に訴える運動の中でも重要な瞬間だ」と述べました。
英国では昨年来の10%前後のインフレの中で多くの労働者が生活苦にあえいでおり、組合は最低賃金を時給11ポンド(約1990円)から15ポンドに引き上げるよう求めています。
コベントリーの配送センターでは昨年、会社側が時給をわずか50ペンス(約90円)しか引き上げなかったことで、自然発生的な職場放棄が起こりました。その後GMBがスト実施の是非を問う組合員投票を実施。1回目は組合員の投票率が5割に満たず不成立でしたが、2度目の投票でスト実施が承認されました。
コベントリーの配送センターでは特売期間「アマゾンプライムウイーク」にあたる11~13日にもストを実施し、GMBは同配送センターでの組合員が1000人を超えたと発表しました。2月段階では350人程度でしたが、ストを繰り返す中で加入者が大幅に増加しました。
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