苗場山麓ジオパークのお勉強その12
中津川下流。
大割野面の秋成本村から石坂橋~石坂トンネルを経て、米原面の沖ノ原台地へ上がる道。
(段丘上に並ぶのが段丘桜。段丘の左端が苗場熔岩流末端崖)
この辺りでは、中津川は流れが緩やかになり、蛇行しつつ川幅を広げる(側方浸食・横刻)。川原全体が氾濫原。
何万年かして、地震や、新潟県を東西に圧縮する力などの原因で地盤が隆起すると、水の位置エネルギーが増えるため、地面を真下に向かって掘りこんでいく(下方浸食・下刻)。
そして、現在の川原は新たな段丘面となり、知的生命体が生存していれば、ホニャニャラ面という名前を付与するんだろう。このようにしてできる河岸段丘を浸食段丘という。
(ただし、現在のこの辺りの標高は300m前後。
水が位置エネルギーを失うのは、海面と同じ高さ(浸食基準面)になった時なので、側方浸食だけでなく、下方にも少しずつは浸食しているはず。)
因みに。
地層の露頭では、フラッドロームと呼ばれる、段丘堆積物の凹凸を埋める段丘化直前、離水直前の微細な洪水堆積物が認められることがある。
段丘の離水が完了せず、洪水時にのみ河川流が段丘の表面に広がる状態で形成される。
このフラッドローム層は、段丘の対比や編年において重要な指標となる。また、古気候の推定には植物珪酸体などが有効であり、厚い堆積物の存在は氷期における河川の掃流力の低下を示すものとされている。
フラッドロームは試験に出題される可能性があるので要チェック。
一方、氷期になって気候が寒冷化、乾燥化すると、川の流量が減るため、土砂の運搬能力が減り、埋積が進む。そこから間氷期になると、河川の流量が増え、下方浸食が進むようになる。このように気候変動によって形成される段丘を気候段丘と呼ぶ。
因みに。
氷河期は、非常に寒い氷期と少し暖かくなる間氷期に分けられる。
氷河期とは、地球上に氷床が存在している時代のことで、南極やグリーンランドなどに氷床が存在する現在は、実は氷河期なんだって。
例えば、太古のパンゲア大陸では、今、南極大陸になっている場所は、現在のオーストリア大陸あたりにあったので、地球上には氷床がなかった。そういう時代が氷河期ではない時代なんだそうだ。
最終氷期は7万年前に始まって、1万年前に終わった。なので、今は間氷期。
最終氷期が終わり、8000年前くらいになると、陸地化していたところに対馬暖流が流入するようになり、水蒸気量が増え、日本海側に豪雪をもたらすようになった。
間違いがあったらご指摘ください。
続く。
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