Ｑ＆Ａ ＮＩＥ＝新聞記事の活用？

　「切り抜き日記」で紹介したように、新聞記事の活用はＮＩＥという言葉が生まれる以前から多くの学校で、多くの家庭で行われていました。もともと新聞の目的が、社会を生きる人々に知ってほしい情報を提供することですから、読者がその記事を活用するのは当然です。
　ＮＩＥが広まらない理由の一つがここにあるように思います。「新聞記事を使うことならすでに自分もやっている」「最近は新聞記事よりもっと使いやすい情報が手軽に手に入る」等々。「ＮＩＥ＝新聞記事の活用」と考えればあえて新しく学ばなくてもいいことになり、日々増えていく様々な情報媒体の良い点を生かしていくと相対的に新聞のウエイトが減ることもあると思います。
　ＮＩＥにおいて「新聞記事の活用」は今でも大きな柱の一つです。ＮＩＥでは、それと同じくらい重要なのが「新聞の機能学習」です。以前紹介した「評価基準」を見ても、小学校の多くは機能学習の領域に入ります。中学、高校等でもその重要さは同じだと思います。情報過多の時代に知りたい情報を入手し、整理分析し自分の生活に役立てる能力は今後ますます大切になります。こうした力をＮＩＥで育てることができるのです。ＮＩＥの３領域の最後の一つは「新聞作り」です。相手に分かりやすく情報を発信する方法を学び、新聞を作ったり、プレゼンテーションに生かしたりすることができます。
　ＮＩＥは、今まで行われてきた新聞活用から一歩も二歩も踏み出し、新聞そのものとその機能を学び、より良い社会人として生きる術を学ぶことができるのです。ＮＩＥの重要性は、今後さらに増していくことと思います。