正月明け、各紙の紙面を見ると、教育面、とりわけNIEの紙面を見かけることはかなり少なくなってきました。NIEを実践する先生が公開授業を行う際、今まで定番のように行ってきた子供たちが紙面を広げ「教科書は数年前の情報しか載っていないが新聞は今のことが分かる」「新聞は社会と学校の架け橋」といったまとめは難しい状況になっています。そんな今だからこそ、NIEの「主語」を新聞にするのではなく、「学校」にするべきではないでしょうか。特集記事は減っても新聞からしか学べないことは数多くあります。目的とせず、手段として新聞を扱うのが、今のNIE、NIEの原点だと思います。
NIEの特集記事は残念ながら年々減る一方です。NIEがスタートした当初を振り返ると、その時もNIEの特集記事はありませんでした。今は、原点に返り、社会を学ぶため、社会に生きるために必要な新聞を学校教育の場でいかに活用するか、子供や保護者はどのように読めば良いのかに取り組むことができればと思います。原点回帰・・・それに今まで培ったノウハウを生かせばより良い実践が期待できます!
NIEの3分野といえば 1、新聞活用学習 2、新聞機能学習 3、新聞制作学習。コロナ禍、タブレット端末の活用等学びの変化を経た今、数年前まで当たり前のように行ってきたNIEは遠い昔の話になっています。3分野それぞれについて、これからの実践ではどうあるべきかを早急に考え、具体化する必要があります。
コロナ禍を経た上にデジタル化が進み学校はここ数年で大きく変わりました。その一方で新聞の購読者が減り、今までは通用したはずのNIEの出前授業、研修は過去の遺産になりつつあります。外部講師を呼ぶ場合、「講師の先生に失礼だから」とお任せにする学校が多くみられますが、講師側は学校の変化を把握できかねています。NIEの講師を招いて良かったと思う実践をするために、招請する段階で具体的な意図を伝え、事前の打ち合わせにも時間をかけることをお勧めします。
子供たちがタブレット端末を使うようになり、「タブレット端末を使えば新聞記事を読める」という実践をいくつか見ました。新聞記事を読むことが目的ならそれでもいいかもしれません。新聞記事を何のために読み、どう生かすかも合わせて指導しないと、新聞記事をその後の学びに生かすことができません。気を付けたいものです。