NIEの研究授業を行うと、「こんなこともできるのか」と驚くことがある反面、「これは普段の授業では無理」「うちの学校では話題にもできない」ということが多々あります。NIEはあくまでも手段です。NIEに特化した授業より、「特別なこと」ではないものの「これなら自分もできそうだ」という実践を期待します。
NIEの授業というと、一昔前は全員が紙面を広げ「新聞は学校と家庭、社会を結ぶ懸け橋」と○○先生は語った・・・といった記事を多く目にしました。今、全員に新聞を用意できても授業に使える記事が必ず載っている保証はありません。購読率が下がっている今、児童生徒に用意を強いるのは難しいし、学校が用意できても「使える記事がなかった」というのでは意味がありません。どの授業で何のために使うのか考えた上で教師が用意することをお勧めします。
衆議院選挙が終わり、各紙とも結果を一目でわかる工夫した紙面を作りました。新聞の魅力を学ぶ格好の教材になるので、1面だけで良いので保存しておくことをお勧めします。見出しの工夫、写真の工夫など、子供たちでもすぐに気づきます。1面を探すと、何時現在の集計結果かも書かれています。ちなみに私の手元にある新聞は「午前2時21分現在」と書かれています。他の媒体と比べ、劣ると言われる速報性もなかなか立派なものです。
「新聞とは何か」を教えるのに、小中高の全ての校種で活用できる教材が号外です。駅などで皮膚している紙媒体のものは入手が難しくても、各社のHPに公開されているものもあります。写真や見出し、5W1H、初めに結論等、新聞特有の表記を学ぶことができます。
一昔前のNIEの実践では切り抜いた新聞記事に感想等を書いたワークシートを、児童生徒が一人一人のクリアーファイルに入れて掲示するのが王道のように各学校で実践されました。新聞の購読率が減り、学校で新聞を全員分用意できない現状では取り組むのが難しくなってきました。興味関心のある記事、授業に役立つ記事を共有するのであればタブレット端末を使う方が手軽で現実的だと思います。