「忙しくて新聞を読む暇がない」せっかく身近なところに新聞があっても、これでは文字通り「宝の持ち腐れ」です。ヨーロッパに視察に行った時、「新聞でゴキブリを叩くことがある」「古新聞は掃除にも役立つ」と話すと、「金を払って買新聞を買うのだから知識を得るために使うべき。買った新聞を読まずに汚すなんて・・・それなら買わない方が良い」と何人にも言われました。想像もしない事件や事故があったり、未知の大発見があったり・・・普段の生活では気づけない情報をそのままにしておくと、いつの間にか情報弱者になってしまいます。読むための新聞です。手元に新聞があったら、まずは一面から最終面まで見渡してみてください。
一昔・二昔前まで、NIE担当=社会科の教師というイメージを持っていた人が多くいました。一方、中学・高校などで社会科の領域で他の教科領域以上に新聞・NIEを扱うことはなく、小学校でもNIEを最も扱う教科は国語。NIEの戸惑いは、かなり前からあったのです。小学校の国語では、以前は、新聞の読み方、新聞記者の取材の仕方、新聞つくり等、さまざまな教材がありましたが、今では見つけるのに苦労します。今までの財産を生かしつつ、取捨選択し、そんな今だからこそ生み出すものもきっとあると思います。
「新聞を読みますか」の設問に「ほとんど、または全く読まない」と回答した児童生徒を見ると、さらに深刻です。今回の小学生は75.8%、中学生は81.0%。それぞれクラスの4分の3、5分の4は全く新聞を読んでいないことになります。10年前は小学生は61.5%、中学生は75.8%で10年後にはそれぞれ100%に迫る勢いです。こうした現実を踏まえると家庭学習だけでなく、日々の授業でも安易に新聞を扱うのも難しくなるのではないでしょうか。大前提になるのは、教師が新聞を読むこと、教材になる記事を児童生徒に探す投げかけは成立しにくいことを踏まえること。初めて見るものを使いこなせというのは無理なことです。
新聞社や近くの販売店に連絡すると無料で試し読みができる場合もあります。試し読みの後、必ず購読しなければいけない訳ではありません。電話やメールなどで依頼することができます。
日本の新聞は客観報道が原則といいつつも、社によって個性はあります。同じ事件を報じるのでも報じ方には違いがあり、どのニュースを扱うかにも違いがあります。複数紙を読み比べ、自分が知りたいニーズと合った新聞を見つけることが大切です。