問題
お金分けゲームである。
あなたは1000円渡され、相手とお金を分けるように言われた。
自分の分として全額手元に置いてもいいし、一部を自分で取り、残りを相手に渡してもよい。
ただし、相手はあなたの提案に対し拒否権がある。
相手がその額を受諾したら、あなたの提案どおりに分配される。
しかし、相手がそれを拒否したら二人とも一銭ももらえないとする。
あなたなら相手にいくら渡すと提案するだろうか?
ちょっと考えよう。
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正解は、こうである。自分が999円をもらって、相手に一円だけ渡すこと。
この方法が一番合理的である。
なぜなら、相手は0円より1円の方がいいから拒否する理由はないからである。
ただ、これで納得いっただろうか。
この問題は、行動経済学 友野典男著から引用したものである。
著者が学生40人に対し行った実験によると平均提案額は482円だった。
500円の提案を行った学生が一番多く500円未満の提案を行った学生は四分の一しかいなかった。
しかも最低額は250円であった。
人は不合理とまで言わないが、合理的には行動しない。
1円を提案するのが、合理的だと言われても、自分がその提案をするとは思えない。
理由は、拒否される不安、相手を思いやる気持ちなどいろいろあるが。
このように人の判断は、思いやりや不安のような感情に影響を受けるということだ。