フリードリヒの日記

日常の出来事を、やさしい気持ちで書いていきたい

なぜ?と何のために? 動機と目的の違い

2013年11月17日 19時09分56秒 | 社会・政治・思想哲学

 前回のブログの続き。前回、私は物語において「動機」が重要だと言った。動機とは、行動を起こすことになった原因である。
 
 私が今日ご飯を食べたのは(行動)、お腹が空いた(動機)からである。
 ご飯を食べる「目的」は生命を維持するためである。
 ちょっとややこしいが、この太字に注目してほしい。
 「ご飯を食べたのはなぜですか?」という質問に対しては、「お腹が空いたからです 」と答える。
 何のために食べたのですか?という質問には、「生きるためです」との答えが対応する。
 なぜ=why 
 何のために=what for である。
 「なぜ」は行動の動機をきいているのに対して、「何のために」は、行動の目的をきいている。
 動機はスタート、目的は結果、と考えると分かりやすいかもしれない。

 

 そこで、もう一度スピノザの言葉を引用してみよう。
 「われわれをしてあることをなさしめる目的なるものを、私は衝動と解する」(エチカ第4部定義7)
 
 この言葉は、どう考えてもおかしいように思う。行動する目的が、衝動なんてことがあるのだろうか。むしろ、行動の動機が衝動なのではないだろうか。
 だから、このように言い換えると、しっくりくる。
 「われわれをしてあることをなさしめる動機なるものを、私は衝動と解する」と。

 ただ、スピノザは「目的は衝動だ」と言っているので、それに従うしかない。
 このわけの分からない言葉の使い方を、一応、理解するためには、「コナトゥス」について考えなくてはならないだろう。

 それについては、次のブログで書いてみようと思う。だんだん、物語論から離れていくようだが、戻ってくるのであしからず。 

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