アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

柿の木を伐りました。

2014-10-21 23:28:23 | アンティマキの場所に生きる動植物
    私がすんでいる場所は、昔、柿の木坂と呼ばれていたそうです。なだらかな斜面に一面ハチヤという大きな渋柿の木が植えられていたとか。隣の集落に住む年配の方が、「学校帰りに熟柿をもいでは、持ち主のばあさんに追いかけられた」と話していました。

     私が引っ越したころは、樹齢500年という木が2,3本残っていて、秋になるとたわわに実をならせていました。

     8年ほど前、自宅に最も近いところにあるカキノキの、高すぎて人間が採れないところにある実を目当てにサルの集団がやってきて、我が物顔に食べ散らしているのを目撃しました。その数年前からサルが出没しはじめ、軒下につるしてある干しカキをとっていくようになっていました。

     サルに、自宅周辺を縄張りのように思われたらたいへんです。背に腹は代えられないので、思い切って、すべてのカキノキを伐採しました。でも、1本だけ、比較的高いところで切り、運が良ければ再生してほしいな、と願っていました。

     その1本に、しばらくして枝が伸び始め、葉も茂りました。数年前から、ほんの数個ずつ実をつけるようになり、復活したと喜んでいました。

     今年は、春から結構な数の実がついているのを発見。もしかしたら、すっかり元に戻ったのかなと思っていたら、じきに、枝という枝に実が鈴なりに。台風や大雨でぼとぼと落ちましたが、それでも、まだ枝にはたくさんの実が。今年は久々に干し柿が作れると喜んでいました。

    ところが、先週の初めころから、早朝、何匹ものサルが屋根を駆け回る音で目が覚めました。どうやら、カキの実が熟しているかどうかを見に来ているようです。少々のことでは逃げないサル。目を合わせると危ないので、そっとわからないように大きな音を立て、やっと追い払いました。

     彼らの去った後の庭には、かじられたカキの実があちこちに投げ捨ててありました。早く採らないと、彼らのえさになってしまう。そうおもって、金曜日の夕方、半分近くの実を友人と採取。残りも近いうちに採ってしまうつもりでした。   

    しかしその翌朝、またサルの軍団が屋根に。いくら頑張って柿の実をとっても、上のほうにある実はとうてい採れません。必ずサルのえさになります。8年前と同じ状況がまた再現するわけです。こんないたちごっこは、この先やっていけません。柿の実のために、うちがサルの縄張りになってしまうのはまっぴらです。

    というわけで、伐採を決めました! 今度は、完全に木を殺すつもりで、下からのこぎりをいれました。

     とても残念ですが、しかたありません。夕方、枝に残った柿をすべて回収。ミカン箱ほどの大きさのダンボールに4,5箱分はありました。8年ぶりの実、でも最後の柿の実です。

     干し柿、カキジャム、樽抜きとかいう焼酎漬け?などなど、いろいろ作ってみようと思います。でも、干し柿といっても、サルに狙われるので、軒下には吊るせません。家の中で薪ストーの周辺で干す予定です。あれこれ算段しながら、柿を箱に入れ替えていると、「ああ、せっかく生き延びたカキノキが、かわいそうだったなあ」とつくづく思われました。つかの間の再生しかできなかったカキの木も大変。えさのないサルも大変。サルから家を守る人間も大変。ともあれ、あわただしい週末でした。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする