デヴィッド・クローネンバーグ監督の「コズモポリス」を見ました。クローネンバーグは、「ザ・フライ」も「裸のランチ」も「クラッシュ」も衝撃的な作品だったので、できれば、作品をすべて見たいと思っている監督です。
主人公は、天才的な能力で巨大な冨を築いた若い投資家。映画はおおかたの場面が、彼が事務所代わりに使っている、ハイテクの装備を備えたリムジンの中で展開されます。
しょっぱなは、磨かれたリムジンの車体がじっくりクローズアップされ、その美しい形と色が強調されます。
リムジンの外では、大統領の訪問を知った市民達のデモが繰り広げられています。リムジンは、デモの参加者や野次馬、主人公を憎む人物たちなどなどによって、どんどん傷つけられ、汚されていきます。
そのうち、車内での主人公と相棒の男らしい人物達との会話で、主人公が人民元の動向を読みあやまったことで、莫大な金額の損失を招いたことがわかってきます。
リムジンの内外で、彼のボディガード、運転手、大富豪の娘である妻、成り上がりものの彼を子供の頃からよく知っている床屋の親父、愛人などなどが次々に彼とかかわっては、去っていきます。
画面も速度も会話も描き方もすべて、緊張を強います。息を継がせない感じです。難しくて、理解しがたい会話や言葉や展開もたくさんあるのですが、おもしろい! なんというか、「これが先進国の現代だ」といいたくなる映画です。極端に無機的なリムジンの車内も、最後の場面に出てくる汚らしいアパートも、孤立と格差が当たり前になりつつある現代を象徴しています。
「がり勉したのではなくて、いろんな先端的な学問をうんと勉強して、自分のものにした頭のいい人たちが、欧米にはたくさんいるのだな」ということを、よくよく感じさせる作品です。観賞後、「舌をまく」という言葉がごく自然に出てきました。
主人公は、天才的な能力で巨大な冨を築いた若い投資家。映画はおおかたの場面が、彼が事務所代わりに使っている、ハイテクの装備を備えたリムジンの中で展開されます。
しょっぱなは、磨かれたリムジンの車体がじっくりクローズアップされ、その美しい形と色が強調されます。
リムジンの外では、大統領の訪問を知った市民達のデモが繰り広げられています。リムジンは、デモの参加者や野次馬、主人公を憎む人物たちなどなどによって、どんどん傷つけられ、汚されていきます。
そのうち、車内での主人公と相棒の男らしい人物達との会話で、主人公が人民元の動向を読みあやまったことで、莫大な金額の損失を招いたことがわかってきます。
リムジンの内外で、彼のボディガード、運転手、大富豪の娘である妻、成り上がりものの彼を子供の頃からよく知っている床屋の親父、愛人などなどが次々に彼とかかわっては、去っていきます。
画面も速度も会話も描き方もすべて、緊張を強います。息を継がせない感じです。難しくて、理解しがたい会話や言葉や展開もたくさんあるのですが、おもしろい! なんというか、「これが先進国の現代だ」といいたくなる映画です。極端に無機的なリムジンの車内も、最後の場面に出てくる汚らしいアパートも、孤立と格差が当たり前になりつつある現代を象徴しています。
「がり勉したのではなくて、いろんな先端的な学問をうんと勉強して、自分のものにした頭のいい人たちが、欧米にはたくさんいるのだな」ということを、よくよく感じさせる作品です。観賞後、「舌をまく」という言葉がごく自然に出てきました。