稲武の月が平にある大栗山に、一昨日、友人たちとオオキツネノカミソリを見に行ってきました。山歩きは実に半年ぶり。今年に入ってから何度も計画したのですが、いつも雨で頓挫。やっと10か月ぶりくらいに実現しました。
稲武でも今年は相当の暑さで、日の当たる場所は苦しいほどなのですが、県道に車を止めて一歩森に入ると、冷気がさっと取り巻く感じで、気持ちいい。
山道に入ってすぐ「カエンダケに注意!」のポスターが。猛毒だそうです。「触っちゃだめだよね」とかいいながら数歩歩いたら、それっぽいものを発見。
小さいカエンダケなのか、似た種なのか。とにかく触らぬ神に祟りなし。
写真中央の草は、アオフタバランというのだそうで、よく見ると、ふたつずつ葉っぱらしきものがついていて、かわいい。蘭の仲間なのだそうです。
群生地に至る、ちょうど真ん中あたりの場所で休憩。マタタビが実をつけていました。
この山はほとんど針葉樹の人工林。でも、オオキツネノカミソリの群生地辺りだけ、大木のケヤキの森になっています。この場所には、昔、木地師の集落があり、ケヤキは彼らが木地の材料として植樹したもの。オオキツネノカミソリは、彼ら木地師が、薬として植えたものなのだそうです。
こちらは炭窯跡。木地師だけではなく、つい60年くらい前までは、地元の人たちが炭を焼くために山にこもることもあったそうで、この山には、あちこちにこうした炭窯のあとが発見できるのだとか。何十年も前の炭が転がっていることもあるそうです。
キツネのカミソリよりおしべが長いので、オオキツネノカミソリという名がついたのだとか。キツネのカミソリという名の由来は「葉の形を剃刀に見立て、花の色を狐に見立てたもの」だそうですが、花の咲くころには葉はないので、カミソリの形なのかどうか、確かめられません。
つぼみ。去年はほぼ全部開花したころに訪れましたが、今年はまだ少し早かった。
群生地は、柵を設けて、周遊できるようになっています。
昨年はなかったベンチがあって、一息つけました。
見学後は、茶臼山高原道路に入り、旧ビジターセンターあとへ。昼ご飯のあと、天狗棚の展望台へ向かいました。1キロ足らずの道のりなのですが、工事現場によくありそうなアルミ製の階段がしつらえてあり、それが急なので、わたしはおっかなびっくり。みんなに遅れないよう、ついて行くのが精一杯でしたが、なんとか展望台に到達。
浜名湖や富士山も見えるときがあるという展望台。
子供たちの元気さ、大胆さにびっくり。
ときどき目にする自然の造形。虫が食った痕です。
こちらは鳥? まん丸の円です。
久しぶりの山歩き、帰り道は、なんだかだらけ切った全身がよみがえるような感覚になりました。やはり、山歩きは楽しい。次はどこにしようかな。楽しみです。
夏休みの終わり、3か月ぶりの稲武の大きな石窯で遊ぶ会を開きました。
お盆ころから毎日のように雨が降り、家の中は湿気が充満。でも、石窯のあるハウスポニーは屋根があるので、雨の日でも遊べます。だからこの日も朝から曇天でしたが、構わず決行としました。
窯担当のオクダキヨミさんの最初の仕事は焚き付け。6月に額田のエトセ工房で教わった焚き付けの仕方を初めて試みました。段ボールの上に薪を井桁に積み、火をつけて萌えだしたら、奥へ。この「島」を三つほど作り、奥へ移動させます。
段ボールの「島」方式はとても具合がいいそうで、窯は1時間半ほどでほぼ安定した状態に入りました。
この日集まってくださったのは4家族。夏の最後を楽しみに来てくださいました。
ピザの具は、ナスのオイル和え、トマトにチリメンジャコ、カキドオシやツユクサ、クローバーなどの雑草にオレガノとバジルを好きにトッピング。チーズはいつも通り2種類使います。クローバーは、ハウスポニーの広場で子供たちに摘んでもらいました。
もちもちしたピザの生地は皆さんに大好評。草も、結構皆さんに食べていただけました。スープはガスパッチョ。トマトとキュウリを主にして、タマネギ、ピーマンなど夏野菜を刻んでフードプロセッサーで混ぜるだけ。昆布だしで伸ばしてから調味したらできあがり。ピーマンは種まで入れましたが、この冷たいスープが人気で、食べてくれないのではないかと心配していた子供たちも、ぺろりと平らげてくれました。
昼食は木陰で召し上がっていただきたかったのですが、遠雷がなって、土砂降りになったので急遽作業場の屋根の下で。
昼食後は2次発酵の終わったカンパーニュを石窯に入れて、スコーンづくりに入ります。粉と油をすり混ぜる作業。子供は大好き。
2時過ぎ、まずカンパーニュが焼けました。窯の温度が上がり過ぎたため、下げるのに少し時間がかかりました。そのあいだにパンは若干過発酵に。そのせいか、クープのうまく入らなかったパンもありますが、おおむね、香ばしくておいしいパンに仕上がりました。粗熱を取ったパンを切ってオリーブオイルと塩で食べると、少々まだクシャッとした食感ではあるのですが、よく焼けた皮がおいしくてやめられなくなります。とくにこどもたちは、そうみたい。
この日のスコーンは、友人が丹精込めて育てた梨を刻んでレモン果汁をかけ、レーズンと一緒に生地に混ぜ込んだもの。初めての試みですが、酸っぱみと甘みが程よく調和し、なかなか良い焼き菓子になりました。
パンは翌日以降の方が味がなじみおいしいのですが、スコーンは今日中に召し上がるのがいちばん。とくに帰りのバスの中くらいが最高においしいと皆さんに伝えたので、帰りの車中で子供たちが食べている写真をFBに載せてくださった方もおられました。
今回も、満足のうちにおかえりいただけて、わたしたちも満足。さて、次の石窯の会は、たぶん11月か12月の初めに。アンティマキの卵・バターを使わないシュトレンを焼きます。告知は追って。お待ちください。
パンデミックでしばらく開催を控えていた、わたしたち主催の石窯の会。久しぶりにSNSで呼びかけて先日開催しました。
半年ほど見なかった間に、石窯のあるハウスポニーは白ツメグサの草原になっていました。
今回のピザは山菜と野草たっぷり。スタッフの庭から採ってきた山ウド、ミツバ、セリ、カキドオシ、オレガノに近所からいただいたタケノコ。これだけでは陰性に偏るので、チリメンジャコとゴボウを足したピザの出来上がり。
スープは、ニンニクをオイルで炒めて香りを出して野菜や豆を昆布だしで煮込んだもの。味付けは塩、こしょう、カレー粉、醤油です。
和風とも洋風ともつかないけれど、おいしくできました。
この日は、小さなお子さんたちが広場で遊んだり調理を手伝ったり。いつのまにか、テーブルに、彼らはこんなおしゃれな飾りを作っていました。
5月にしては肌寒いお天気でしたが、かまどのそばに置いたパン生地の発酵は順調に進み、いつものような黒パンが焼き上がりました。焼き立てを切ってオリーブオイルと塩につけて召し上がっていただきました。焼き立てはまだ味がなじんでいなくておいしさはイマイチなのですが、皆さん口々においしいと言っていだけました。子供たちも伸ばした手が止まりません。うれしいことです。
焼き菓子は、梅ジャム入りの乳製品、卵不使用のケーキ。梅ジャムのほか、ローゼルのジャムも入れたのですが、わたしが一緒に解凍したヤマモモのジャムも間違って入ってしまいました。茎も種もとっていない状態だったのであわてましたが、全く歯に触ることなく食べられました。こういうことなら、苦労して濾さなくていいみたい。
一年ほど前に企画したものの、ハウスポニーのパンデミック下のルールのため市外在主者にはお越しいただけなくなっていたこの会。ルールが変りはしたものの、わたしたち自らで主催する気にはなかなかなりませんでした。でも、新緑のいい季節にぜひ以前のように開きたいと思ってやっと開催。開いてよかった。前のように、参加した方々にもスタッフの私たちにも充実した一日になったようでした。
また、紅葉の季節になったら、開催したいと思っています。5組以上のお申し込みがあれば、日時を調整して開くことも可能です。内容も変更可能です。種々、お気軽にお問い合わせください。
先月紹介した映画「食の安全を守る人々」(映画「食の安全を守る人々」 - アンティマキのいいかげん田舎暮らし (goo.ne.jp))の上映会を、6月26日、稲武交流館にて上映することが決まりました。主催は、昨年の谷口隆久さんの講演会同様、風の庭くらぶです。アンティマキも協力しています。
以下、上映会のちらしの文章を転載いたします。
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子どもたちの未来を大切に思う大人たちへ
『食の安全を守る人々』上映&講演会
人間にとって、身心ともに健康であるために必要な条件は、口に入れる食べ物が安全であること。食べ物がいくら十分にあっても、その食べ物が安全でなかったら?
今、日本では、「食の安全」が脅かされています。
『食の安全を守る人々』は、安心して暮らせる社会をつくりたいと願う人たち、とりわけ、未来を担う子供たちを大切に思う大人たちに、ぜひ見ていただきたい映画です。
【日時】2022年6月26日(日)13時~16時
【会場】稲武交流館 豊田市稲武町竹ノ下1-1
【会費】事前受付 1,000円(当日会場にてお支払い下さい)
当日受付 1,300円(定員になりましたら当日受付は無しです)
高校生以下無料 ただし、予約はしてください。
【定員】50名(定員になり次第、締切)
お子さん連れの方は、子どもコーナーで一緒にご覧頂けますが
人数が限られていますので、早めにお申し込みください。
【申込】メールにて(宛先:huzu@huzu.jp)
①お名前(子どもは年齢も)②連絡先(携帯)③メールアドレスを記載の上、
送信してください。
【映画】「食の安全を守る人々」とは
先進国では日本だけ大幅に規制緩和されているラウンドアップやネオニコチノ イド系農薬、世界的に始まったゲノム編集食品の流通、隣国の韓国で開始したオーガニックの給食。日本の食と日本人の健康は、今どうなっているの? マスコミではほとんど報道されない、食の裏側に迫るドキュメンタリー映画。監督:原村政樹・山田正彦(弁護士・元農林水産大臣)企画・制作:一般社団法人 心土不二
【講演】松沢政満氏(あいち有機農業推進ネットワーク代表・福津農園代表)
静岡大学卒業後、14年勤務した食品会社(研究開発)を辞め、37年前、故郷愛知県新城市に帰農。代々の農業を継ぐ。環境運動にも積極的。自然循環に逆らうことなく、無理のない有機農業を実践。消費者との交流も積極的に行っている。
【協力】 アンティマキ・稲武地球子屋(てらこや)・てらぼら農園
【主催】風の庭くらぶ(豊田市野入町越田和2-5 高台の民家カフェ「風の庭」内)
【お問合せ】huzu@huzu.jpまたは風の庭くらぶ 土井(携帯:090-8566-2638)
3か月ぶりに、友人たちと石窯クッキング研究会を開きました。まだまだ寒くて雪が残っている個所もあるのですが、春になる前に試したいものがいくつかあって、きょう開催となりました。
小人数の会なので、石窯の火をゆっくり眺めることができるのがうれしい。
お昼ごはんにしたピザは、ピッツァ・ビアンカ。オリーブオイルと塩とローズマリーだけのピザです。きょうは具をあえて載せず、生地とオイルと岩塩の味を楽しみました。一枚で二人分のつもりでしたが、ついつい食べ過ぎてしまいそう。よく焼けた所は、ナンよりカリッとしていて、香ばしい。
お焦げもグッド。
焼き野菜のミソスープといっしょに昼ご飯。メンバーの一人が仕込んできて焼いた玄米キッシュがおいしい!
今日の一番の目的は、とにかく大きいパンを時間をかけて焼くこと。生地量は1350g弱です。原材料は、有機強力粉、有機全粒粉、有機ライ麦粉、有機コーンミール、有機そば粉、有機黒糖に有機クルミ、農薬不使用栽培のスペルト小麦粒、ホシノ酵母、農薬不使用の小麦のふすま。塩はポルトガル産ヴァージンソルトを使っています。
低温でじっくり焼きたかったのですが、いったん上がった温度を下げるのは結構むずかしい。結局いつもよりちょっと長めに焼いたところで、予定の時間終了。
いい音のするパンが焼き上がりました。今日はクープをいつもと変えてみました。皮のパリッとしたところがとてもうまい。オイルとナッツと塩で、ワイン片手に食べたい。
こちらはケーキに入れたカボチャの種。銅鍋に入れてローストしました。鍋の色がいい。
同じ鍋を使って、洋ナシのケーキを焼いてみました。窯の温度が高すぎたせいで、いつも使うパウンド型に入れた生地のほうは表面が少し黒くなりましたが、銅鍋ケーキのほうは、いい焼き色になりました。時間はちょっとこちらのほうがかかりましたが、熱伝導がいいからうまくいったみたい。
この銅鍋、石窯クッキング研究会メンバーで友人のオクダキヨミさんの夫君の作品。色と言い厚みと言い、ほれぼれします。http://www.kanade-note.com/
こちらは、別のメンバーが仕込んできたイースト発酵のスコーン。ベイキングパウダーを使わないで発酵させるスコーン、なかなかいい。わたしも、ホシノ酵母かパラダイスリンゴ酵母で、今度試してみたい。
お母さんについてきた2歳の男の子、窯の前ではじめた仕事は、薪を割るまねごと。木の皮を斧の代わりに使っています。この日は誰も薪を割ってはいなかったのに、彼の普段の生活の中でしばしばみる光景なのでしょう。カメラを向けると、彼は得意満面の顔で振り返りました。
ほかに焼いたのは、醤油絞り粕入りのクッキーとココア入りのクッキー。低温でじっくり焼きたかったのですが、窯の温度がなかなか下がらなかったため、ちょっと焼きすぎに。でも香ばしいクッキーができました。
午後からは氷雨のような雨が降り始めましたが、遊び半分勉強半分の久しぶりの会は、盛りだくさんのおやつとパンを製造できました。
今日から3月。稲武はまだまだ寒いのですが、そろそろ青い草の芽生えも見つけられそう。しばらく中止していた、私たちの主催する石窯で遊ぶ会を、今年は再開しようと思っています。5月か6月から始める予定です。追って、告知いたしますので、ぜひ、ご検討ください。
半年ぶりにいなぶプレーパークに遊びに行ってきました。
今日の主な目的は、ぐるぐるパンを焼くこと。
昨夜仕込んだコーンミール入りの、私にしてはちょっとだけ甘めの生地をもって、どんぐりの里にほど近い会場にお邪魔しました。
パンを焼く、というのでいつもより立派な?焚火ができあがっていました。数年前、初めて試みたときは、火が弱くて時間がかかり過ぎたので、スタッフがわたしの到着前に盛大に燃やしておいてくれたのです。
枝はその辺で拾ってきて、各自まきまき。棒状にした生地を枝に巻き付けるのですが、平たくしてらせん状に。まえより薄めの生地にしたこともあって、今日はあまり待たずに火が通りました。なかなか上出来です。焦げたところもそれなりに食べられました。
生地の三分の一ほどは、ダッチオーブンでちぎりパンに。ところがこちら、火力が強いのに時間をかけすぎて、こんな状態に。
大事を取り過ぎました。でも、固い表面を頑張って二つに割ったら、半分ほどはパンのまま。おいしく食べられました。わずかながら救出できて、よかった。
参加者の一人が持ってきたリンゴもダッチオーブンで。
バターとシナモン味の焼きリンゴ、おいしゅうございました。
2歳の女の子。シーソーにも、ブランコにも夢中。
小学生の子供たちは、屋根に乗り木に登り、そり遊びに興じました。
そり遊びはこちらで。新しくできた、第二プレパーク。人力で堀ったため池があります。これまでのプレイパークには水場がないので、ありがたい場所です。
プレイパークのモットーは、「こころの根っこは遊びで育つ」。私の子供のころと比べたら、めっきり外で遊ばなくなった子供たちが、このパンデミックで、さらに人との接触を制限され、思いっきり遊ぶことが減りました。「こころの根っこ」の育っていないこどもが、この先さらに増えそうです。
こういう場所なら、大声を出すことも駆け回ることも自由。ソーシャルディスタンスをとることに気を遣いながら、テーマパークや都会の屋内で遊ばせるより、ぜひとも子供たちを野に放ってほしい。大人もしばし、焚火で体をあたためながら、ゆっくりした時間を過ごせます。
数日前、私宅より100mほど標高の高い集落に住む知人が、初霜の風景をフェイスブックに投稿していました。たぶん、このあたりも早朝は霜が降りているのだろうと思います。今年はいつもより遅いのだそうですが、紅葉はいつもより早めに訪れたみたいです。
稲武のモミジの名所、大井平公園周辺は、先週末まで、結構な渋滞となり、道の駅直売所は結構にぎわっていたようでした。紅葉のピークが過ぎた今日、ふたつの名所に、遅ればせながら行ってきました。
タカドヤ湿地は、もうほとんど葉が散った後でした。モミジのじゅうたんがきれい。
遠くに見えるか本科の植物は、葦なのかカサスゲなのかわかりませんが、すっかり枯れています。
アワブキという木だそう。黄葉も美しい。
山を歩くと必ず落ちている朴葉。こちらには数本朴の木が並んでいる場所があります。
湿地を流れている小川。季節や水量によって、流れの筋が変るのでしょうか。
湿地に続く桟道。
山歩きには最近必ず履いている、ビブラムファイブフィンガーズ。とても歩きやすいのですが、生地が薄いので冬には不都合。もう少し厚い生地のものが欲しい。
ついで、大井平公園へ。
つり橋を渡って、対岸の散策路を久しぶりに歩きました。いい小道が続いています。
こちらはまだ紅葉が見られ、観光客もそこそこ訪れていました。でも、小道のほうにまで足を延ばす人はほとんどいません。
黒い実です。初めてみました。何でしょう。
石畳はそんなに昔に造られたものではなさそうですが、左手車道下の石垣は古そう。そうでもないのかしら。
溝に架けられたい平たい石。あちこちに、大きな平べったい石が置かれています。最初からあったのか、休憩場所にするためにもってきた石なのかわかりませんが、絵になります。
一緒に歩いたのは、稲武外から訪れた友人たち。寒暖差の激しい土地だからこそ生まれる紅葉の美しさと、水の流れや踏みしだく落ち葉の音に、しばしの安らぎを感じてもらえたようでした。
昨日の稲武は秋晴れ。稲武の石窯で遊ぶ会のスタッフ+1のメンバーで、「石窯クッキング研究会」を開きました。石窯の会の毎回のメニューは、だいたい決まっています。でも、石窯でまだまだいろんな料理ができるはず。私たちの楽しみのためにも、今後の会でさらにレパートリーを広げるためにも、石窯料理の可能性を探りたくて始めた会の第一回目です。
いつもはスープをかまどで作るのですが、昨日はダッチオーブンを使ってみました。
持ち寄った野菜ときのこを油でさっと炒めてから蒸し炒め。全く焦げ付かずにうまくいきました。そして水を注いで1時間ほど窯の中に放置。
野菜の味がいつも以上においしく感じます。ニンジン葉とセロリの葉がアクセントに。
メンバーの一人が仕込んだスペルト小麦のパン。パンにまぶしてあるのは、長野県喬木村のふすまです。
お昼ごはんには、全くこねずに作ったカルツォーネを作りました。中の具は、キノコと野菜の豆乳クリーム和え。トレイに切った野菜とキノコをのせて油をかけて混ぜ、ふたをして蒸し炒めに。そのあと、豆乳と米粉を説いたものを加えて調味しただけ。全部、窯の中とその周辺でできました。薄く伸ばした生地に具をのせて、巨大餃子の出来上がり。
クープから覗いているチーズがおいしそう。
お昼ご飯は、紅葉を見ながら。いつもの会は作業場付近であたふたと済ませるのですが、この日は日当たりのいい芝生地の真ん中にテーブルを据えました。気持ちいい。サラダに使った野菜は、南信州から参加した友人が持ってきてくれた地の野菜。キャベツやニンジンの甘さに驚きました。
午後は、パンを発酵させながらお菓子作り。
このお鍋、煙突鍋とでもいうのでしょうか? 私と同世代の知人がくださいました。彼の子供のころ、おばあさんがこの鍋で蒸しパンを作ってよくおやつにしてくれたそうです。手入れが行き届いていて何の支障もなくつかえました。中身は、オートミール、バナナ、小麦粉、コーンミールなどをかなりいいかげんに配合したケーキです。
こちらは、「ベル・ベデーレ」というドイツのお菓子。初めて耳にしました。粉よりはるかにドライフルーツのほうが多い焼き菓子です。ほんとは直方体の形なのですが、焼き時間が不足しそうなので平べったく伸ばしました。
窯の温度が下がり過ぎたため、中までしっかり火が通らないうちに、終了時間になってしまいました。
前夜仕込んだ二次発酵なしの黒パン。型に入れて長時間焼いたせいか、底がだいぶ黒くなりました。だから型から取り出すのに苦労しました。このパンは、会には不向きかも。
スペルト小麦のパンの立ち上がりは優秀。クープを入れるのを忘れなかったら、もっといい形になっていたかもしれません。
一回目の研究会、楽しかった! ずっと昔、たばこ工場の検査員の取材をテレビで放映していたのですが、その検査員の仕事は煙草を吸うか匂いを嗅ぐかして品質を確認すること。彼が一日の仕事終えて最初にする楽しみは、自分の好きな銘柄のたばこで一服することでした。傍から見たら普段の仕事とほぼ変わりないことで、彼はリラックスできているらしい。おもしろいことだなと思いました。
考えてみればわたしがやっていることも彼と同じかもしれません。焼き菓子製造を仕事にしているのに、あいまの楽しみは焼き菓子試作。そういえば、こちらに来た頃出会った年配の女性たちも、そうでした。毎日農作業や家事に明け暮れているのに、女ばかりでなにか会を開いた時は、みんなうれしそうにご飯を作りおかずを作り後片付けをしていました。始終ずっと口を動かしながら。全く違うことをすることですっきりすることもあるけれど、せかされずプレッシャーも少ないことなら、嫌いな仕事に従事しているのでない限り、同じような仕事であっても楽しめるということなのでしょう。
稲武の紅葉の名所、大井平公園は、そろそろ見頃を過ぎたようです。先週、先々週とどんぐりの里や公園付近の道路はだいぶ渋滞したようですが、稲武の別の場所にも、紅葉のきれいなところはたくさんあります。こちらハウスポニーも、下のグランドに至る斜面は、モミジのほか広葉樹が美しく色づいています。子供たちが今来たら、一杯の落ち葉で、存分に遊ぶだろうな。
石窯で遊ぶ会は、12月もご希望があれば開催いたします。いつもと違うメニューのご相談にも応じますので、お気軽にお問い合わせください。