豊田市足助地区のひなまつり「中馬のおひなさん」は、近隣では有名な早春の催し物となっています。久しぶりに、友人達と遊びに行ってきました。

足助も稲武も、昔のひなかざりは、たいてい土雛だったそう。人形作りは、山里に住む人たちの冬の内職だったのかしら、と思っていましたが、まったく勘違いでした。これらの雛は、碧南市など三河の海辺の土地から中馬街道を通って、足助にも稲武にも南信州にも運ばれたのだそうです。作ったのは、三州瓦の職人さんたち。小遣い稼ぎに、いろんな土雛を、瓦にする土で作ったのだそうです。

各家では、弥生の節句には男女を問わず、これらの土雛を飾ったのだとか。土雛は誕生祝や七五三などなど、子供の成長過程の節目節目に贈られたものらしい。雛の形は実にさまざまです。上の写真、上段左側の軍人は「東郷元帥」と書いてありました。東郷平八郎らしい。立派な軍人にあやかって、強い子に育ってほしい、と願ったのでしょう。

左は、「養老の滝」とあります。親孝行の子供にしたいのでしょうが、右の人形を送った意図は不明。「安木節」、つまりどじょうすくいの踊りを踊っている姿なのです。なにか、贈った側、贈られた側に格別の思い入れがあったのでしょうか。

こちらは物騒な贈りものです。歌舞伎の「伽羅仙台萩」に登場する乳母・政岡の人形です。彼女は、主君の息子の身代わりをわが子にさせて、お家安泰を図ります。「お国のために奉公できるような母子になれ、ということ?」と、ちょっとぎょっとしました。歌舞伎の有名な外題の一場面を題材にしただけで、他意はないのかもしれませんが。

足助の街にはあちこちに路地があります。「からくり雛展示」という貼紙を見つけたので、矢印に従って、ある路地に入ってみました。
表通りに並行して、細い道があり、左手には何軒もの家が並んでいます。右手には、3軒ほどの小さな小屋が作ってあって、それぞれ雛や置物が展示されています。驚くことに、どれも、みなからくり仕掛けで動きます。左手の家の一軒の主がその作り手。私たちが見物していたら、家から出てきて説明して下さいました。下は、動く万華鏡。

K君とY君兄弟。この写真撮影用セットは、豊田信用金庫足助支店前にあります。

料理屋・井筒亀の塀に干してある猪の皮。初めて触りました。意外と柔らかい。

この日の目的は、ひな祭り見物のほか、知人の鳥居智子さんがご主人と始めたカフェを訪れること。足助の街の、153号線よりの通りの右側に、めざすカフェ・バンバン堂喫茶室がありました。

京都の瀟洒な小料理屋を思い出させるこの造り、もとは医院だったのだそうです。

ひな祭りの開始日にあわせて、ご主人と二人で内装のほとんどを手がけたのだそう。床も天井も柱も、美しく甦っています。院長が坐っていたらしい立派な机や昔の調度品が随所に置かれ、とても落ち着いた雰囲気です。カフェメニューは飲み物のほか、ひな祭りセットも。私は、コーヒーに白玉ぜんざい、豆乳いちごババロアのこのセットを頼みました。大き目のマグにたっぷり注がれた熱いコーヒーが嬉しかった。
いずれ、ご飯メニューも入れたいとのこと。また、整体講習などさまざまなワークショップも、もと待合室を利用して開きたい、と智子さんは意欲的です。これからが楽しみなスペースです。入り口では、焼き芋も販売しています。バンバン堂の住所は、足助町石橋34-6、営業時間は10時から5時、ひな祭り開催中は無休だそうです。

通りのあるお店では、店頭にほころび始めた梅の鉢を置いていました。たぶん、暖かい部屋においておいて、ひな祭りが始まってから外に出したものでしょう。稲武はもちろん、足助でも露地の梅が咲くのは、もう少し先だと思います。

足助も稲武も、昔のひなかざりは、たいてい土雛だったそう。人形作りは、山里に住む人たちの冬の内職だったのかしら、と思っていましたが、まったく勘違いでした。これらの雛は、碧南市など三河の海辺の土地から中馬街道を通って、足助にも稲武にも南信州にも運ばれたのだそうです。作ったのは、三州瓦の職人さんたち。小遣い稼ぎに、いろんな土雛を、瓦にする土で作ったのだそうです。

各家では、弥生の節句には男女を問わず、これらの土雛を飾ったのだとか。土雛は誕生祝や七五三などなど、子供の成長過程の節目節目に贈られたものらしい。雛の形は実にさまざまです。上の写真、上段左側の軍人は「東郷元帥」と書いてありました。東郷平八郎らしい。立派な軍人にあやかって、強い子に育ってほしい、と願ったのでしょう。

左は、「養老の滝」とあります。親孝行の子供にしたいのでしょうが、右の人形を送った意図は不明。「安木節」、つまりどじょうすくいの踊りを踊っている姿なのです。なにか、贈った側、贈られた側に格別の思い入れがあったのでしょうか。

こちらは物騒な贈りものです。歌舞伎の「伽羅仙台萩」に登場する乳母・政岡の人形です。彼女は、主君の息子の身代わりをわが子にさせて、お家安泰を図ります。「お国のために奉公できるような母子になれ、ということ?」と、ちょっとぎょっとしました。歌舞伎の有名な外題の一場面を題材にしただけで、他意はないのかもしれませんが。

足助の街にはあちこちに路地があります。「からくり雛展示」という貼紙を見つけたので、矢印に従って、ある路地に入ってみました。
表通りに並行して、細い道があり、左手には何軒もの家が並んでいます。右手には、3軒ほどの小さな小屋が作ってあって、それぞれ雛や置物が展示されています。驚くことに、どれも、みなからくり仕掛けで動きます。左手の家の一軒の主がその作り手。私たちが見物していたら、家から出てきて説明して下さいました。下は、動く万華鏡。

K君とY君兄弟。この写真撮影用セットは、豊田信用金庫足助支店前にあります。

料理屋・井筒亀の塀に干してある猪の皮。初めて触りました。意外と柔らかい。

この日の目的は、ひな祭り見物のほか、知人の鳥居智子さんがご主人と始めたカフェを訪れること。足助の街の、153号線よりの通りの右側に、めざすカフェ・バンバン堂喫茶室がありました。

京都の瀟洒な小料理屋を思い出させるこの造り、もとは医院だったのだそうです。

ひな祭りの開始日にあわせて、ご主人と二人で内装のほとんどを手がけたのだそう。床も天井も柱も、美しく甦っています。院長が坐っていたらしい立派な机や昔の調度品が随所に置かれ、とても落ち着いた雰囲気です。カフェメニューは飲み物のほか、ひな祭りセットも。私は、コーヒーに白玉ぜんざい、豆乳いちごババロアのこのセットを頼みました。大き目のマグにたっぷり注がれた熱いコーヒーが嬉しかった。
いずれ、ご飯メニューも入れたいとのこと。また、整体講習などさまざまなワークショップも、もと待合室を利用して開きたい、と智子さんは意欲的です。これからが楽しみなスペースです。入り口では、焼き芋も販売しています。バンバン堂の住所は、足助町石橋34-6、営業時間は10時から5時、ひな祭り開催中は無休だそうです。

通りのあるお店では、店頭にほころび始めた梅の鉢を置いていました。たぶん、暖かい部屋においておいて、ひな祭りが始まってから外に出したものでしょう。稲武はもちろん、足助でも露地の梅が咲くのは、もう少し先だと思います。