昨日、初夏に引き続き、今年も草の会秋の部を開きました。講師はいつもどおり、雑草料理研究家の前田純さん。
今年は、標高600mのこの地でも、これまでにない暑さに見舞われ、草刈りする気が起きないまま季節は秋に。草は伸び放題になっていて、草の庭を訪れるのもおっくうになっていました。か本科の植物が幅を利かせ、小さな草が消えていました。先週、前田さんと友人に草を刈ってもらって、やっと足を踏み入れられる場所に。
そして昨日、刈った場所には、小さな柔らかな草が日を浴びて伸びていました。たった一週間で変わった庭。彼らは消えたのではなくて、背の高いか本科の植物のはざまで小さくなっていただけでした。
採取した草や実は、ギシギシ、スイバ、ギシギシ、セリ、ミツバ、カキドオシ、ゲンノショウコ、ヤブ豆、ヒメジョオン、ノギク、クワクサ、ツユクサ、ウド、ムラサキシキブ、イヌタデ、ムカゴ。
草の名前を知り、特性を知り、効用まで知ると、俄然その草を見る目が変わってくる。扱いが丁寧になる。優しい気持ちでそっと採りたくなる。草の庭の至る所に生えているカキドオシは、糖尿病に効果的だそう。もっとも簡単なハーブ水や干してお茶にするとか、すぐできそう。ギシギシは皮膚にいいとか。何とも思わず日ごろ目にしている草が、実は豊かな力を持っていると思うと、うれしくなります。
ハウスポニーでは、なんとベニバナボロギクが群生しているのを、前田さんが見つけてくれました! ハッピーマウンテンの牛が嫌うのと同じように、この辺のシカもベニバナボロギクが嫌いみたいです。
ピザには多種の野草を、スープには、ベニバナボロギクだけをちょっと煮て、あとは花や実をトッピング。
お茶は、前田さんが持参してくだった数珠玉を炒って煮だしました。
前日用意したお土産用の焼き菓子は、セイタカアワダチソウの塩クッキーと、ベニバナボロギク入りのあんこマフィンです。
前田さんがお持ちになったクズの芯で作った草鞋。昔、繊維にしたクズの芯の部分は、捨てずにこうしてわらじにしていたとか。釣り人や川漁師には、水にぬれるときゅっと締まるこの履物が、とてもいいのだそうです。
ガマの茎で編んだバッグ。草鞋もこのバッグも、作り手はどちらもほとんどいなくなっているといいます。
稲わらだけでなく、さまざまな草を利用して、人々は生活してきました。昔、草は邪魔者ではなかった。参加くださった皆さんには、草摘みそのもの、草だらけの場所にいるそのことを心地よく思ってくださったようで、うれしい限りです。