先週の日曜日、岡崎市の山里・額田にある草木染めの工房「しかり」の個展&ワークショップにいってきました。
こちらの工房主は、柴田玲甫さん。長年型染めとろうけつ染めをなさってきた方で、岡崎市の市街地にも工房がおありです。
彼女の作品は、型紙をつくり、糊をおく、という昔ながらの方法と並行して、筆に蝋をつけて字を書く、という技法も駆使しておられます。周の時代の金文、甲骨文と草木染めの色がマッチして、独特の雰囲気を醸し出しています。染めの色は、なに色とも言い難い複雑な色合いになっています。ひとつの素材で染めたひと色ではなく、たいてい重ねて染めるそうで、いくつの素材をどのように重ねたか、いわれてはじめてわかる作品ばかりでした。あかねの色が主になっていると分かっても、それに何をかけたか、わかりません。でも、とても深い色になっています。
サイザル麻を染めたバッグやうちわ、東南アジアの布や糸を染めた作品など、いろいろ展示即売されています。
私が買ったうちわはこれ。
本藍のかめもあって、布を染めるワークショップに参加。写真を撮り忘れましたが、カメがいくつも仕込んであって、ちょうどころ合いの甕を使わせてもらいました。北海道のすくもを取り寄せて、灰汁や日本酒、米ぬかで発酵させる本藍。いつかわたしも、本藍の甕を持ちたいという気持ちがむくむく。
こちらが、当日私が染めた布です。斜めに屏風畳みにしてさらに折り返し、輪ゴムで結んだだけ。少し白い部分が多すぎるので、今度藍染めするときがあったら、さっと薄い水色に染めようと思います。
藍染めのあと、無料でのポプリづくりも体験。ラベンダーやオレガノ、タイム、ローズマリー、丁子など好きな香りの素材をすり鉢ですり、草木染めした布の端切れで包んで出来上がり。簡単で、香りは抜群。さっそく車の中につるしました。
工房周辺は、数軒の古民家と小川、それに田んぼや畑があるだけののどかな場所です。その一角で、紅花が栽培されています。
このあたりは、江戸時代、商品作物として紅花が作られていたそうで、栽培に既婚は適しているようです。
紅花畑の隣には、藍も育っています。
お昼ご飯は、岡崎市街地にあるエブリーナ・マンマに。マクロビの日替わりランチをいただきました。薬草の味のするスープが変わっていて、おいしかった。
柴田さんの展示会は、東公園内の本多忠次郎邸でも開催されていたので、そちらにも足を伸ばしました。昭和初期に建てられた立派な洋館の二階の和室3部屋に、彼女の作品は展示。こちらでも、型染めや文字をあしらった作品がほとんどでしたが、わたしは、文字や模様より、それぞれの色合いの複雑さに感嘆しきり。植物の色を重ねることで生まれる微妙な赤や灰色、緑色の美しさにおどろきました。
本藍染めの着物も素晴らしかったけれど、帯の色が、どちらもすばらしかった。光のことを考えなあったので、写真に残せなくて残念です。
本多邸は、スパニッシュ風の建物だそうで、家具も建具も昔のものを丁寧に修理して展示しているのだそう。一番見たかったのは台所ですが、台所は修築せずに事務所になっていました。かわりに、昔のままのタイルの浴槽を。立派でした。