アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

草を採り草を食べ草の話を聞く会第5回目を開きました。

2019-05-26 14:51:24 | アンティマキの場所に生きる動植物
   先日24日に、第5回目の草を採り草を食べ草の話を聞く会を開きました。

   講師は雑草料理研究家の前田純さんです。第1回目からずっと採取地にしているアンティマキの自称ガーデンは、このところ草や木の生育が激しく、5月なのにうっそうとしています。明るい日差しの下、まず前田さんから草の解説をしてもらい、各自草摘みをはじめます。

   5月の初めに前田さんが下見した折には、この土地にあった草は35,6種類。そのうち、この日のメニューに合わせてとりあえず前田さんが選んだ草は、スミレ、ゲンノショウコ、セイタカアワダチソウ、カキドオシ、ギシギシ。そのほかの草も、いろいろ摘んでいただきました。

    
    ヘビイチゴとカキドオシ。ヘビイチゴは無味無臭。カキドオシはいいにおいがします。実は焼酎漬けにして虫刺されに。カキドオシは薬草でもあり、この日は、お茶にしました。

    ムラサキケマン。ちょっと見には小さめのカキドオシに見えますが、これは毒草。しらなかったら口に入れてしまいそう。

    たぶんナナホシテントウ。益虫が健在でうれしい。

    とても小さくてかわいい花。ムラサキサキゴケというのだそうです。横たわった丸太の縁に並んで生えていました。自然に生えている草はたいがい、種々の草が入り混じって群落をなしています。この野原にはやたらにセリがあるのですが、セリしかはえていないところはありません。すべて混植したように見えます。ある植物だけを植え付ける畑は、自然の側から見たら無理のあることなのだな、とよくわかります。

    採取した草はおよそ20種類。ほとんどみんな食べました! 主に草カレー!

    セリは人気。まだ柔らかいので、生でサラダに。なまは初めて食べましたが、十分おいしくいただけます。

    花は、豆腐ケーキに。

    豆腐のクリームの中に、生の草や花びらを混ぜます。

    いつもはブルーベリーをのせるのですが、この日は甘夏を。そして生の花を飾りました。

    できあがり。

    草カレーは、採取した中から10数種の草を参加者に選んでもらい、すべて刻んで昆布だしと煮て、ミキサーにかけたのがベース。
タマネギやニンジン、ジャガイモ、キドニービーンズも入れて煮込み、カレー粉少しにココナッツミルクを投入。山椒を入れて出来上がり。はっきり言って話だけを聞いた時は腰が引け気味でしたが、意外においしくてびっくり。山椒がしっかり効いていい味でした。前田さんの話では、草は7種類以上入れるのがコツだとか。参加者には好評を博しました。

     カレースープに添えたのは、全くこねずに作ったターメリックとクミンシードのパン。スープとの相性、なかなかでした。サラダにトッピングしたギシギシの実も、好評でした。

     スミレの葉にはぬめりがあることやギシギシの実の適度なすっぱみがおいしいこと、そのほか、草にまつわる種々の話は、今回もとても面白くお聞きしました。次回は、秋。9月か10月に開催の予定です。なお、岡崎市の暮らしの学校でも、この秋、前田さんの一日講座を開く予定です。わたしも、一緒に料理作りいたします。追って、告知をご覧ください。       




   
  
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灰汁で鍋がピカピカ

2019-05-26 12:12:49 | アンティマキ風自然的生活
   このところ、鍋洗いに凝っています。灰汁の中に真っ黒こげの鍋を入れてしばらく煮る。そのまま放置して、たわしでこする。結構簡単に、絶対元に戻らないと思っていた鍋類がなんとか人前に出しても恥ずかしくない程度の鍋に、生まれ変わりました。  

   この洗い方は、こんにゃくを作っている友人のキヨミさんに教えてもらいました。彼女は、草木灰の灰汁を凝固剤にしてこんにゃくをつくっているのですが、そのこんにゃく製造中に鍋がきれいになっているのを発見。以来、灰汁のはいった鍋での焦げ取りを実行しているそう。

    半信半疑で始めたこの方法ですが、これまで数知れず焦げ付かせ、でももったいなくて使い続けていた鍋やフライパンが次々にきれいになってびっくり。

    ひどい焦げがくっつき、まるで最初から真っ黒だった鉄製のような気がして使っていた、ステンレスのフライパン。灰汁鍋で煮続けたら、焦げがどんどんはがれて浮いてきました。

     恥ずかしいので、最後にしましたが、もとはこんなに汚かったのです!

     親から譲り受けたときは確か銅鍋だと聞いていた卵焼き器。フライパン同様に真っ黒になってしまったため、同棲というのは記憶違いだったかなと疑っていたのですが、灰汁洗いをして初めて、やはり銅製と判明。下の鍋は、人からもらった重い大きな卵焼き器ですが、こちらはもらったときから真っ黒。だからずっと鉄製と思いこんでいました。あらってみたら、立派な銅製卵焼き器とわかりました。こちらは汚れが頑固過ぎて、まだ側面四つのうち、二つしか銅の色があらわれていません。

     パン型やケーキ型も投入。一番早くきれいになるのはステンレス製。琺瑯もきれいになりますが、銅はちょっとてこずります。アルミはつけっぱなしだと変色するようです。いろいろあるけれど、とれる、というのがすごい。

     畑に捨てるくらいしかしてこなかった灰ですが、考えたら、薪ストーブのガラス面をきれいにするのに、ずっと灰汁を使っているし、染色の折に使うソーダ灰は、鍋をきれいにします。重曹はそのソーダ灰の仲間。灰が手に入らない場合は重曹やセスキ炭酸で多分十分きれいになるはず。いままで試そうとしなかっただけのようです。わたしのような焦げ付き鍋をお持ちの方、いろいろぜひおためしを。

     
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5月のどんぐり工房の草木染め

2019-05-26 09:37:59 | 草木染め
    5月の、どんぐり工房での草木染講習会は、昨日25日に実施。使った染め草は、オオキンケイギクと枇杷の葉の2種類です。

    オオキンケイギクは、絶滅させるべき種の、たぶん第一位にあげられる嫌われ者の花。20年か30年ほど前にあちこちで見かけるようになりました。当時は、きれいだというので、新聞にも載っていたくらい喜ばれていたのに、あっという間に広がり、在来種を駆逐。いまは、見かけたら根こそぎ抜いて焼き捨てるようにと回覧板が回るほど、まるで麻薬の材料になるケシや大麻のような扱いを受けている植物です。

     いまほど嫌われていなかった頃、花だけを摘んで染めたことがあるのですが、とてもきれいな黄色が出た記憶があり、どこかで大量に採れたらまた染めたいと思っていました。でも、道端のあちこちでみかけはしても、ちょうどいい場所で出くわすとは限らず、しばらく機会のないままでした。

     それがつい先日、みよしの友人宅の隣の空き地に、このオオキンケイギクの大群落があるのを発見。それで、染めの前日みよしまででかけ、たくさんもらってきました。

今回は、花だけでなく全草を使いました。染め液に入れた途端、鮮やかな黄色に。そののちアルミ溶液で媒染したとたん、オレンジ色になりました。マリーゴールドをチタンの溶液で媒染した時の色と同じ色です。といっても、オレンジ色になったのは、木綿や麻などの植物素材だけ。絹は黄色のままでした。

    鉄媒染すると、絹は草色に、木綿や麻はオレンジ系の茶色に。

    絹の指なしのソックス。写真では色が薄いのですが、ほんとはもっと美しい色になりました。

    手前の木綿のワンピースが、オオキンケイギクの鉄媒染です。

    枇杷の葉は、普通冬の固い葉を使うのですが、昨年夏に常連の友人が持ってきてくれた葉で染めたら、思わぬきれいな色になったので、今年も試みてみました。

    麻と綿の混紡のスカーフ。色が薄めに写っていますが、地味な赤紫系の色になりました。でも、インド綿のシャツは、はっきりした紫色に。下の写真の真ん中あたりにあるシャツです。枇杷の葉で、こんな色になったのは初めて。

    今回も、思いがけない色がたくさん生まれました。

    こちらは、ヘルシーメイト岡崎店ではじめて開いた講習会で染めた絹手袋。最初はカリヤスだけで染液を作ったのですが、色が薄かったのでタマネギの皮を入れ、さらにそのあと見つけたオオキンケイギクを投入。三つの植物が合体したら、こんな色になりました。

     上はアルミ媒染、下は鉄媒染です。

     次回のどんぐり工房の講習会は、6月22日土曜日です。松平のうさぎ菜園でもらった無農薬栽培のタマネギの皮のほか、なにか違う色の出る植物で染めます。ぜひご一緒に自然の色を楽しみましょう。お申し込みは、どんぐり工房のHPからどうぞ。
         

   
  

   



     
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