アンティマキのいいかげん田舎暮らし

アンティマキは、愛知県北東部の山里にある、草木染めと焼き菓子の工房です。スローライフの忙しい日々を綴ります。

森のようちえん・もりのたまごで自然観察会に参加。

2024-08-08 00:04:45 | 小さな旅

  先日、豊田市の森のようちえん・もりのたまごの園地で開かれた、親子対象の自然観察会に参加させてもらいました。

  園地につくとすぐ、子どもが見せてくれた山繭。何者かに食われてはいますが、美しい黄緑色です。糸を引くとなが~い1本になるそうです。

  講師は北岡明彦氏。久しぶりにお会いしました。彼の案内で森を歩くのはとても楽しい。こちらはイヌザンショウ。葉っぱは山椒に似ていますが、匂いは違う。強い匂いではあるのですが、芳しくはない。何かに似ているのに、それより劣っている植物はとにかく「イヌ」がつくらしい。

  アベマキ、だったかしら。木肌が独特。上の方で、たくさんのカナブンが樹液を吸っているのが見られました。

  「今日はセミの抜け殻を探そう!」との北岡氏の声に、子供たちはつぎつぎに発見し、彼が持つ袋の中に投入。子供たち、目ざとい。

   顔をのぞかせただけなのに、この蛙も、子どもに捕まえられました。

   リョウブに巻き付いたサネカズラ。

  こちらはサカキ。神に供える枝として知られていますが、実はこのサカキを備えるのは伊勢神宮系統の神社だけなのだそうです。園地には、ヒサカキの方が圧倒的に多い。姫サカキが詰まって、ヒサカキ。この日サカキを備えることの方が、全国的に見ると多いのだとか。

   こちらは、ヤブムラサキ。ムラサキシキブやコムラサキシキブと同じように紫色の実ができるのだそうですが、葉っぱが違う。「愛知県で最もふわふわの葉っぱ」と北岡氏はおっしゃいます。なるほど、さほど厚い葉でもないのに、ビロードみたいにふわふわ。

   今回、観察会に入れてもらったのは、秋に開く草木染め講習会に使う材料探しのため。これまで使ったのは、杉の葉、杉皮、シラカシ、ヤシャブシ、葛葉、笹の葉。園地内で育つ植物でこれまで使ったことのない植物で、染められるものを見つけたくて、同行しました。

   採取するだけたくさんあって、しかも採りやすいもの、となると結構絞られてきます。今回は、このヤブムラサキとサカキを少しいただいて、とりあえず試し染めしてみることにしました。

   子供たちの取ったセミの抜け殻や昆虫の死骸。アブラゼミ76個! 右端は、外来種の蝶の羽。昨年までは見かけなかったのに今年は発見。外来生物がじわじわこの山中に生育し始めた証拠らしい。

  アブラゼミの雄と雌の見分け方をはじめて知りました。右が雌で、左が雄。雌の方はお尻のほうが縦線になっています。それが陰部?

  ようちえんのある園地は、スギやヒノキの人工林に囲まれていますが、伐採箇所が多いので、どんぐり類や松、ソヨゴ、ツバキ、そのほか種々の灌木類がたくさん育っています。だから、どんぐりや松ぼっくりもたくさん落ちているので、子供たちの遊ぶ材料には事欠きません。

  小さい子たちがしっかり目を見開いて、セミの抜け殻はないか、変わった虫はいないかと探す様子は真剣で、ほほえましい。いつもこの園地にくると思うのですが、「森でうんと遊んだ経験を持っているかどうかが、これからの彼らの人生を決める」と、今回も確信を持ちました。

 

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