トライアングルの部屋

シニア街道をゆっくり散歩中
本読んで
映画観て
時々おでかけの記録も
仙台在住で大の阪神ファン

若葉の宿 中村理聖

2017-08-06 05:43:49 | 本 2017年
京都で町屋旅館「山吹屋」を営む夏目博・とき子夫婦

その孫娘 若葉21歳がこの話の主人公

夏目夫婦の一人娘亜希子は
シングルマザーで若葉を産んだ
父親が誰かはわからない

その後
亜希子は若葉が物心がつく前に
姿を消してしまう

そのせいもあり
若葉は学生時代
内気でいじめられっ子

いまだに自分の気持ちを
なかなか口に出して言えない性格

今は老舗の日本旅館「紺田屋」で働いているが
仲居頭の妙に叱られてばかりいる

老いが見え始めた祖父母や山吹屋のこと

老舗の紺田屋でも様々な問題が起き

言いたいことが考えるより先に
口に出してしまうおばちゃんとしては
早く言ってしまえと
若葉の態度に尻を叩きなるシーンも度々あり


紺田屋で板前見習いとして働く健太郎
中学時代の同級生で舞妓になった紗良などに助けられ

京都事情を背景に
若葉の成長していく姿

祖父母を助けて
しっかりやっていくでしょう
そのうち母親も帰って来るでしょう
  
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我らがパラダイス 林真理子

2017-07-18 05:34:03 | 本 2017年
都心にあり
日本でも屈指のサービスを受けられる
介護施設
セブンスター・タウン

超お金持ちが
多額のお金を払って入居している

そこで働く人々は
当然給料もいいので有能だし
人数も足りてるから仕事にも余裕がある

しかし
その介護士や看護師 事務受付などの人々は
自らの親には十分な介護ができず
悩んでいた

困りに困った一人が
親をセブンスター・タウンの空き室に連れてきて
隠れて世話したり
痴呆になった入居者を
離れた別の施設に送り
代わりに自分の親を入居させたり・・・

どうしようもなくて
思わず殺人まで起こしそうになるくらい
追い詰められて
とってしまった行動

その親も子も
決してそれまで怠けてきたわけではないのに
一生懸命働いてきたのに
どうしてこんな不平等が起きる世の中なのか

自分の親はもういないけど
これからは介護されるようになるかもしれない立場としては
身につまされる

気になった個所

ペット

年寄りが飼っている犬や猫は
たいてい年をとっている

面倒みられなくなり
引き取り手がない場合
むごいようだが
保健所に持って行った方が
幸せってこともあるんだよ
独居老人が死んで一カ月後に発見される
するとね
飼ってた犬や猫は餓死している
もがき苦しんだ後があるって・・・

入居する時のプラン

入居金が高く月々の支払いが安い
入居金が安く月々が高い

どちらを選ぶか
あと何年生きるかを予想して決める
親を施設に入れるというのは
こういうむごい思案をすることなんだ

クモ膜下出血で倒れた老婆

すぐに提携していた病院に運ばれたから
一命は取りとめたが意識はない
救急車を呼んでいたら
助からなかったって

それがよかったんですかねえ
(結局彼女は意識が戻らず
しばらく寝たきりのまま亡くなる)

ラスト
そんなこと出来ますかねは
年寄りの悪いクセだ
出来ますかねは自分を小さくしている

自分たちのパラダイスは
自分たちでつくりましょうよ

結局
自分たちで介護施設のようなものを
作ってしまうんだね

これだってお金があるからできること
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どこかでベートーヴェン 中山七里

2017-07-16 10:53:05 | 本 2017年
鷹村亮

岐阜県立加茂北高校 音楽科のの二期生

彼がこの物語を語っていく

二年生に進級した時
転校生がやって来る

岬洋介

ピアノにおいて
天才的な才能を持っていて
授業で披露してからは
羨望と嫉妬の目で見られるようになるが
当の本人はまったく気にしない性格
ピアノのことしか頭になかった

隣の席になった亮は彼と親しくなり
周りの嫉妬と妬みから彼を守る立場になる

夏休み

音楽科だけ9月の発表会にむけて
登校して練習していた時

集中豪雨が襲って来る
橋は壊れ
土砂崩れの危険も迫っていた

いち早く危険を察知した岬洋介は
携帯もつながらなくなったことから
救出を頼むため
豪雨の中を出ていく

まもなく
洋介のおかげで
レスキュー隊が到着
生徒は全員助かったが

同じころ
洋介を敵対視していた岩倉という生徒が
後頭部を殴られて死体としてみつかっていた

容疑者はなんと洋介・・・

学校建設の贈収賄事件も絡み
洋介は自らの潔白を晴らすため
動きだす
ストーリーはここまで


ここから感想

音楽に関する説明
飛ばし読み!!

生徒が一人死んでいるのに
学校としての動きが軽薄すぎ
保護者会とか開いたのか?

未成年なのに
犯人と決まっていない段階で
情報を被害者家族にばらすものなのか?

葬式に洋介が参列したら
帰ってくれと言われた・・

警察が全く見えてこない
他の生徒への事情聴取とか
書かれていない

真犯人見つからない状態で
それでも文化祭やりますかって話

発表会ではなく文化祭だから?

読んでいたのがちょうど
九州の豪雨の最中で
土壌調査などで手を抜けば
間違いなく人災

洋介の父親が彼のピアノを
ものすごく反対しているのに
なぜにグランドピアノを買い与えたのか?

ラスト

僕はあの夏のことを
包み隠さず書き残そうと思う
タイトルは
「どこかでベートーヴェン」 中山七里
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ハッチとマーロウ 青山七恵

2017-07-07 18:55:44 | 本 2017年
埜々下千晴(ののしたちはる) 呼び名はハッチ
埜々下鞠絵(ののしたまりえ) 呼び名はマーロウ

二人は小学5年生の双子の女の子
ママはシングルマザーで
小説家

住んでるところは長野県穂高の森の中の一軒家

12月31日
大晦日の日に
ママは
今日でママは大人を卒業します宣言する

大人を卒業した人はダメ人間になるって

さらに
その日が誕生日の二人に
二人は子ども卒業
もう大人です宣言される

それからママはぐうたらになり
毎日仕事もしないで
ダラダラしている

だから二人は協力して
家事をすべてやり
いろんなことを自分で決めなくてはいけなくなる
毎日学校に来ていく服
ご飯のメニュー
何して遊ぶか・・・

ちょっと勝気な姉のハッチ
おっとり慎重な妹のマーロウ

田村セツコさんの挿絵がとても素敵で
二人の魅力が伝わってきます

カフェオレ色のブランケット
エメラルドグリーン色の世界
こんな表現

学校の行事や
ママとの関わり

どんな人かもわからない父親のこと

大晦日の大人宣言から
4月で6年生になり
再び12月を迎えるまでの一年の出来事

いろんなことが起きて
二人はだんだん成長していくのです
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草花たちの静かな誓い  宮本輝

2017-06-28 14:15:01 | 本 2017年
小畑弦矢の叔母のキクエ・オルコット

ロサンゼルス在住で日本に旅行中に
亡くなった
弦矢は彼女の日本での死亡手続きをし
遺骨を持ちロサンゼルスへ

そしてキクエの弁護士に会った

キクエの遺言書には
自宅の土地建物を含めた
日本円にして総額42億円を
弦矢に譲ると明記されていると話す

キクエは富豪の夫を一年前にガンで亡くし
一人娘のレイラも幼い時に
白血病で亡くして一人暮らしだった

物語の前半までは
素晴らしいオルコット家の描写や
オルコット家がある
パロス・ヴァーデス半島の景色
キクエ叔母手作りの缶詰にして残されていた
とてもおいしいスープのことなどが書かれている

特別事件が起きるでもないのに
退屈することなく
読み進んでしまう

何かが起きる・・・

ここからネタバレ

白血病で亡くなったと聞かされていた
同じ年の従妹レイラは実は幼児誘拐に遭っていた

生きているかもしれない彼女を捜し
遺産を彼女に渡そうと考える弦矢

27年前のことで
警察も諦めていた事件だったが
優秀な探偵に依頼してとんでもない事実がわかる

誘拐の主犯がキクエだと明らかになった時
私はキクエの浮気を疑った
夫の子ではない子を産んでしまったために
ばれないうちに親友に託したのではと・・・

その方がよかったかも

夫が実の娘に性的いたずらをしていた
その被害から守るために
そして娘に嫉妬の気持ちを持つ前に
遠くへ離してしまおうとした
カナダへ・・・

離婚すればいいのではという考えは
否定された
日本人であるキクエが親権を取るのは
難しい
そうなるとレイラを夫の元へ
置いて行かなければならない

裁判をして親権を取ろうとしたら
その事実を公にしなければならない

考えに考えた末の犯行
完璧だった

当時6歳だったレイラを納得させた工夫や
努力も事細かく書かれている

そして今彼女は33歳になり美しい女性教師になっていた
話しの中では彼女と弦矢の対面シーンはない


後半は
キクエの誘拐事件に協力し
レイラを引き取って育てたキョウコとその夫が
そこまでに至った経緯が書かれている

その後キクエが夫と離婚もせずにいたのは
養父母への金銭的援助をするためや
事件がばれないようにするため?
捜しているふりをする努力


弦矢は遺産を使い
キクエのスープレシピを参考に
会社を立ち上げることにした

そうなることを予知していたかのように
弦矢にアメリカ留学と
MBA(経営学修士)の資格を取ることを勧めたのは
キクエ
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いまさら翼といわれても  米澤穂信

2017-06-07 19:45:15 | 本 2017年
神山高校の生徒の間で起きるいろいろな事件

殺人とかそういう事件ではなく
生徒間のもめ事や謎などを
解決していく話が6話

生徒会長選挙での票が生徒の人数より
多かったのはなぜか

卒業制作で作った鏡
デザイン画と違ってる部分があった
誰が何のためにそうしたか

中学の時の
英語の教師が
ヘリ好きだと言った真相を
今になって解明しようとする

読む派と描く派に
分列してしまった
漫画研究会

高校生
折木奉太郎の休日
神社で本でも読もうと出かけたら
同級生で
その神社の娘と偶然遭い
掃除を手伝うことに・・・

合唱の発表会で
ソロを歌う子が
行方不明になった
どこにいるのか?

神山高校古典部に在籍する
折木奉太郎を中心にしたシリーズものの
第6弾
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神さまたちのいた街で 早見和真

2017-06-03 06:06:57 | 本 2017年
途中まで読んで
どこかの宗教団体の本かと思ったが
そうではなく
親が信仰する宗教に翻弄された子供の話

普通の家族だった馬上家

うまうえと呼ぶ珍しい苗字

マイホームを持ったため
母親はパートに出ている

長男の征人 まさと
小学校5年生

中学受験のため塾通い

妹のミッコこと美貴子は3年生

そんな平凡な家族だったのに・・・

ある日父親が交通事故に遭う

それが原因で社長と
もめて
会社を辞めた

なかなか再就職できず
夫婦仲もおかしくなる

そんな時
父親は宗教団体に入ってしまう

そして母親も友人に悩みを相談しているうちに
別の宗教へ

父親は子供たちを勉強会へ連れていく

母親は家で子供たちに
聖書を聞かせる

母親の宗教は野菜中心の食事
誕生日も祝わない
そして反抗すると背中を叩くという掟

何度も何度も叩かれる

父と母
同じ宗教にしてほしい
できなければ離婚してと訴える征人とミッコ

しかし皮肉にも
お互いの宗教が離婚を禁じていた

そんな日常を日記に書き
夏休みの宿題として提出してみれば
なんとかしてくれると思った優しい男の担任
なんと父親と同じ信者だった

救いは征人には親友の龍之介がいた
龍之介も家庭に問題を抱えていたが
それでも親身になって相談にのってくれる

龍之介は征人に
現状の証拠が何かないのかと訊ねる

そのことばがきっかけで
征人は今までのことを
文章にまとめることした

題して
「神さまたちがいる街で」

この本の題は
「神さまたちがいた街で」
過去形になっている!!

そうか
そういうことか!!

本来宗教は
助けてくれるはずなのに
守ってくれるはずなのに
それが原因で戦争が起きたり
家庭崩壊


本当に神さまって
なんだろうなと思ってしまう
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ワーキング・ホリデー 坂木司

2017-05-26 12:33:47 | 本 2017年
先日レンタルした「ワーキング・ホリデー」の原作
ようやく読み終わりました

映画の方わりと原作に忠実だったんだ

大和さんはAKIRAさんをイメージして読めたので楽!!

あらすじは映画の方で書いたから省略

夏休みの間の親子の日記みたいな

ん?たしか映画は春休みだったっけ

原作の方は大和の語り口調で進んでいく

元ヤンキーならではの話し方が特徴
頭にきた相手にすぐ心の中で
殺す!!

夏の暑さにも
「太陽 いい加減にしねえと殺すぞ、こら」

進との別れのシーンでは
「ホームに電車が滑りこんでくる
まったく そんなに時間どおりに
来なくたっていいだろ
野暮な奴だ」
だって

謝辞という名のあとがき

著者は宅配便という職種に興味を持って
それを書きたかったということか

ヤマト運輸さんに感謝を述べている

それで主人公はヤマト!!

なるほど!!
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ホリデー・イン  坂木司

2017-05-10 13:32:10 | 本 2017年
ジャスミンというおかま
ホストクラブを経営

六つの話が無関係のようで
彼女でつながっている

彼女に助けられた人々

二話目の大東の彼女には
出てこないようだけど
リハビリセンターの担当者武藤さんって
もしかして???

女子高校生の友情物語もそう

母子家庭
息子の方が父親に会いに行く話も・・・
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花咲小路三丁目のナイト 小路幸也

2017-04-29 14:49:19 | 本 2017年
花咲小路商店街
三丁目中通りにある「喫茶ナイト」

店名のナイトは夜という意味の
NIGHTではなく騎士の方のKNIGHT

夜しか営業していないから
周りには夜の意味の方だと思われている

経営者の円藤仁太(えんどうじんた)

甥の望が語り手として話は進んでいく

彼は会社を辞めるかどうか
悩みに悩んで
ここへやってきた

優しく迎えてくれた叔父

そして今
望は会社を辞め
店を手伝っている

商店街では謎の男とされている仁太

店の収入のほとんどは
レンタルビデオとレンタルレコード

幻の作品もあるとかで
客は全国どころか全世界からやってくる

望が来てからは
食事も提供するようになった

そんなお店で仁太叔父さんは
商店街のお悩み相談も引き受けている

なぜかいろんな人がやって来る
仁太叔父はその相談事を
何とか解決してやろうとする

母子家庭の問題やら
お店の継承問題等々

商店街のいろんな人が登場して
読んでいるうちに混乱

相関図みたいなのあればいいのに

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