晴耕雨読とか

本読んだり、いきものを見たり。でも、ほんとうは、ずっと仕事してます。

最近の読書 2011年10月19日

2011年10月19日 | 
お風呂本はこれ。半分以上読みました。



梅棹忠夫という人もそうだけど、登場する今西錦司とか川喜多二郎とか吉良竜夫とか、はたまた本田勝一とか(すべて敬称略)、なんかこう…すごいなあという感じ。

でも一番すごいと思ったのは、梅棹忠夫評伝を書くと言うことは梅棹自身のことだけではなく、とりまく彼らを書くことでもあり、その時代の世界状況やら社会やら大学やら、さまざまなことを租借しなければ、評伝は書けない…という恐ろしい事実。だって、たとえば生態学とは民族学とはなんぞや…ということをシンプルにまとめつつ、その時代の現状を整理するわけですから。

この著者はすごいなあ。。。よく書けたなあ…というのは率直な感想。中身をどうこういう教養がわたしにはないので何ともいえませんが、単純にすごい本だと思いました。



最近の電車本はこれ。『イカの心を探る』(池田謙/NHK出版)。いやあ、これはおもしろいです。

以前、『ダンゴムシに心はあるか』という本を読んだのですが、まぁ、おもしろいというか、きわめて論理的な学者が、前提条件を明確にして、言葉の定義をパキパキとして、サクサク話が展開し、いつの間にやら言いくるめられるように展開する論理がちょっとうんざりの1冊でした。議論したら絶対勝てない感じ(議論なんかできないですが)。



頭の悪い私のような読者は、「ほほう」と思いつつ、どこかでその前提とか定義にぼんやりと違和感を感じ、「そもそも心ってそういう定義でいいんだっけ」的な感じになる本でした。

一方、この本はそんなこともなく、現状そこまで読み進んでないのですが、単純にイカの生態やら行動やらが語られて、生き物本として素直におもしろい感じです。あとは肝心の「心」にどう迫るかですね。

ま、心はあるに決まっているのですが…。ダンゴムシにもイカにも。