風になりたい

自作の小説とエッセイをアップしています。テーマは「個人」としてどう生きるか。純文学風の作品が好みです。

厄除けの赤い下着(連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』第267話)

2015年01月21日 07時15分15秒 | 連載エッセイ『ゆっくりゆうやけ』
 
 中国では自分の干支の年が厄年となる。
 どういう理屈でそうなるのかはわからないけど、十二歳、二十四歳、三十六歳、四十八歳、六十歳、七十二歳――と厄年が巡ってくることになる。
 一部の人は赤い下着をつけると厄除けになると信じていて、厄年の間はずっと赤い下着を着用している。ただし、三百六十五日毎日、赤い下着を着続けなればならない。一度でもほかの色の下着を着れば、ほかの色にしたとたんに悪霊が襲ってきて、厄除けの意味がなくなってしまうのだそうだ。恐ろしい。中国のスーパーには真っ赤な下着がわりと置いてあるから、けっこう売れているんだろうな。
 でも、よく考えてみれば、自分の干支が厄年だということは、生まれた年も厄年だ。生まれてきたことがそもそも厄なのか?




(2013年11月9日発表)
 この原稿は「小説家なろう」サイトで連載中のエッセイ『ゆっくりゆうやけ』において第267話として投稿しました。 『ゆっくりゆうやけ』のアドレスは以下の通りです。もしよければ、ほかの話もご覧ください。
http://ncode.syosetu.com/n8686m/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ツイッター