「ちょっと自分、代わりに行ってきて」
朝、唐突に言われました。
え、どこにですか?と尋ね返すと、
なんと地元FM局の収録にといいます。
お相手は有名なアナウンサー。
そういえば先日、スタッフで先陣を切って収録にあたった際、
めずらしく緊張したと言っていました。
「頼むな、10時から。任せたし」
頼むな…って
10時からって
え~、あと20分です!
そんな乱暴な…
「前、やってたって自慢してたやん」
おぉ、そう来ますか。
学生時代、何でも経験と
いろんなことに首を突っ込んでいた私は
地元のFM局に出入りしていた時期があり、
「わたし、収録けっこう慣れてますし」と
得意げに社で話したばかりでした。
一応、え~とは言うてみたものの、まぁ昔とったなんとかで、
「その乱暴なパス、受けて立ちましょう」という気分になり、
5分後には、「じゃぁ行ってきます」と、てくてく。
スタジオに行ったら、
用意していた台本と違うのが来た、ということで
スタッフの方があたふた…
スミマセン。
時間になり、スタジオへ。
前には著名なアナウンサーの方、
そして、でっかいマイク。
簡単な打ち合わせのあと、
ガラス向こうのスタッフが合図をされ、
いよいよ収録スタート!
急遽、設定しなおされたトピックは
「先日訪ねたアラスカの魅力」。
まぁ、もう…アラスカの魅力なら、
これまでお客さん相手に語りつくしています。
なので、舌がまわる、まわる。
予定の時間が来たときは、まだまだ喋りたりないほど。
「すごい、場馴れされてますねぇ!」とスタッフの方におだてられ、
「いえいえ、そんな」と謙遜しつつ、さっそうとスタジオを後にしました。
我ながらまずまずであったと、いい気分で歩いていると、
うしろから、「○○さ~ん!」と呼ぶ声。
振りかえると、スタッフの方が息を切らせて追いかけてきます。
やっと追いついて、「はい、これ、忘れ物です」。
見ると、大切な名刺入れ。
大事な仕事道具を
ぽーんとスタジオのテーブルに置いたまま
引き揚げてきたようです。
う~ん、
実は緊張していたのか、それとも緊張感なさすぎるのか。
ともあれ来月の収録は
3人目の銀ステ・スタッフにお鉢がまわることでしょう。
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